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VIVE XR Elite装着してみた。ARもハイエンドVRも「メガネで映像視聴」もカバーする万能型

HTC「VIVE XR Elite」

HTCが発表したHMD「VIVE XR Elite」を、短時間だが試すことができた。

ひとことで言えば「万能で軽量」。非常に魅力的なHMDだった。

つけてみるとこんな感じ

HTC、バッテリーを外してメガネ型になるHMD「VIVE XR Elite」

良好なMR体験。昨今のトレンドを網羅

VIVE XR Eliteは、日本での発売価格が179,000円に設定されている、いわゆる「ハイエンドHMD」だ。

パンケーキレンズを使った薄型の光学系、バッテリーを頭の後ろ側に配置するという構造は、Meta Quest ProやPICO 4も採用する、今のトレンドに沿ったデザインと言える。初期のVIVEと比較すると大きな進歩だ。

VIVE XR Eliteは、パンケーキレンズ採用でバッテリーは後ろ側に。昨今のトレンドに乗ったデザインだ
上がVIVE XR Elite、下が初代HTC VIVE。HMDの大きさや構造はこれだけ大きく変化した
本体後ろにはバッテリーが。中央のネジを回して頭への固定を調節する。
目の間隔(IPD)は無段階調節可能。下のレバーで変える
メガネを併用することはできないが、視度調節機能を備える

プロセッサーはQualcomm Snapdragon XR2を使っており、スタンドアローンで動作する。インサイド・アウト方式でポジショントラッキングをするためのモノクロカメラに加え、中央に1つRGBカメラも搭載している。そのカメラを使い、ビデオシースルー方式のMixed Realityの機能が使える。

正面左右と下に、インサイド・アウト方式のトラッキングに使うセンサーがあり、中央にシースルーAR向けのRGBカメラがある

ここもQuest ProやPICO 4に似ているが、品質や特徴はどちらとも異なる。

RGBでの画質はPICO 4に近く、非常にスムーズで見やすい。一方で「自然さ」は、PICO 4より良い。移動しても酔いを感じることはなかったし、スマホの文字もちゃんと読めた。カメラの解像度が1600万画素と大きいからであるようだ。距離センサーも搭載はされているが、現状ではそれが正しく動いてはいないという。現状「CGの後ろに人や物体が隠れる」ことはできていた。製品版に近づいてくれば、「CGの前に人が立って、CGを隠す」(いわゆるオクルージョン)の実現も期待できる。

実際の映像でお見せできないのが残念だが、クオリティはかなりのもので、この辺は、価格が近いQuest Proに迫る。

要は「ライバルのいいところどり」な感じに仕上がっている印象だ。

240gの「メガネ型」に変形。スマホ接続で映像視聴も

さらに「多様な使い方ができる」のがVIVE XR Eliteの特徴だ。

スタンドアローンでも動作するが、Steam VR対応でPCと接続して使うこともできる。もちろん、有線・無線両方で使える。

そして、本体のバッテリー側を外すと、「より軽くして有線で遊ぶ」ことに特化したデバイスとして使える。

VIVE XR Elite全体では625gだが、バッテリーを取り外して使うと240gになる。長時間のゲームプレイや仕事などなら、こちらの方が快適だろう。

バッテリー部を取り外すことで軽量な「メガネ型」に。この形にすると重量は、625gから240gまで軽くなる

PC用のVRに対応するのはもちろんだが、スマートフォンなどとの接続にも対応する。HDCP 2.2対応で、スマホから映像やゲームなどを流し、単純に「バーチャルな大型スクリーン」としても使えるという。

AV的にはこの辺の画質も気になるところだが、今回はデモが用意されていなかったので確かめられていない。

もちろん、最新の「個人向けハイエンドHMD」としての性能は十分備えている。

それでいて、スタンドアローンからPC VR、スマホ接続での映像視聴までに対応し、メガネスタイル・スタンドアローンの両方で使えるという「なんでもあり」なところが、VIVE XR Eliteの魅力だ。