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重厚で“スマートじゃない”ミニコンポ。拡声器メーカーが開発

金属製ホーン型スピーカー「NMP-103」(左)と金属製ボックス型スピーカー「NMP-102」、Bluetooth内蔵1Wモノラルアンプ「スタックアンプ(NMP-101)」(右)

業務用拡声器メーカーのノボル電機は、地元・大阪の工場と協力して作った手のひらサイズのレトロミニコンポとして、Bluetooth内蔵1Wモノラルアンプ「スタックアンプ(NMP-101)」と、金属製ボックス型スピーカー「NMP-102」、ホーン型スピーカー「NMP-103」を、GREEN FUNDINGにて先行販売を開始した。通常価格はNMP-101とNMP-102のセットが49,720円、NMP-103とのセットが47,080円。先行販売では2セット限定の早割でNMP-102とのセットが37,300円から、NMP-103とのセットが38,900円から。

ノボル電機は創業77周年を迎えた企業で、移動販売車や清掃車のオルゴール放送、防水型メガホン、汽笛や防災行政無線のスピーカーなどを製造。なかでも、創業以来ほとんど形を変えず、現在に至るまで主力として製造しているのが拡声器だという。

そして「リアルで美しいサウンドは出せなくとも、人に安らぎを与えられる音なら作れるのでは?」という思いから、2021年にクラウドファンディング第1弾として「無電源パッシブスピーカー 『拡音器』 NMP-001」を発表すると、総勢192名から支援を受けて、プロジェクトは成功。これを受けて“不器用な製品開発プロジェクト”「ノボル電機製作所」を立ち上げた。

そんなノボル電機製作所の第2弾製品が、今回のモノラルアンプと金属製スピーカー2種を組み合わせたホームオーディオ。モノラルアンプに金属製スピーカーを有線接続し、DC 5V(USB)で駆動できる。「現代のミニマリスト志向を受けて、手のひらサイズのホームオーディオを開発しようと試みるも、ブランドの思想として“愛着感のある意匠性と重厚感を持たせたい”という気持ちが勝り、コンパクトながら、決してスマートではない佇まいに仕上がりました」とのこと。

取付足部はスタッキング可能な構造で、将来の拡張性を確保。スイッチ部はすべて物理スイッチにこだわり、電源には「味わいの深い」トグルスイッチを採用した。Bluetoothペアリングや出力スイッチは押し込み式ボタンスイッチで、ボリュームも回転式を採用している。

これら物理スイッチは規格品の流通量が少なく、サイズ感も大ぶりのものが多かったといい、アルミ削り出しの押しボタンと、つまみボタンはこのプロジェクトのためだけに新設計。それぞれアルミ棒からひとつひとつ社内で削り出し、協力工場でブラスト処理、アルマイト染色を施している。

DC5Vで駆動するため、モバイルバッテリーなどと組み合わせれば屋外でも使用可能。「手のひらサイズのコンパクトさだから持ち運びも簡単です。(多少重いですが)」とのこと。

初回限定カラーの黒色アルマイト仕様「NMP-101B」

初回限定カラーとして数量限定100台で、アンプのNMP-101と金属製ボックス型スピーカーNMP-102には、黒色アルマイト仕様(NMP-101B/NMP-102B)も用意する。また、NMP-103には製造連番が刻印される。

Bluetooth内蔵1Wモノラルアンプ「NMP-101」

1WモノラルアンプのNMP-101の負荷インピーダンスは8Ω、再生周波数帯域は100Hz~20kHz(偏差3dB以内、定格出力-10dB時)。Bluetooth 3.0入力と、モノラルミニジャック入出力を備える。

外装は、業務用の筐体に無色アルマイト染色後ヘアライン加工を施し、業務用の堅牢性とインテリアとしての意匠性を並立。「製造業の町、大阪に集積している協力工場の協力を得て、精密な板金加工、細部まで品質にこだわった染色・塗装が施され、エッジ部分まで美観に拘った仕様となる」とのこと。

外形寸法は98×125×41mm(幅×奥行き×高さ)、重さは400g。モノラルミニプラグ付ケーブル(30cm)や、バナナプラグ付スピーカー接続ケーブル(50cm)、USBケーブル(50cm)が付属する。

金属製ボックス型スピーカー「NMP-102」

業務用でも採用実績のある77mm径フルレンジスピーカーユニットを搭載し、「古いカーステレオから流れてくる様な高音が硬く乾いた音色が特徴。ちょっと懐かしく、センチメンタルな雰囲気にも聞こえる」という。再生周波数帯域150Hz~15kHz((出力音圧レベルより-20dB以内)、出力音圧レベルは86dB以上。最大入力は2W。

筐体は板金加工で、本製品のためにデザインした波型切削の前面金属となっている。外形寸法は98×110×122mm(幅×奥行き×高さ)、重さは800g。

金属製ホーン型スピーカー「NMP-103」

タンカー船やコンテナ船などで実際に利用されている船舶用ホーンスピーカーをベースに開発。同社で製造している業務用のスピーカーユニット”振動板”を採用し、拡声器の再現を感じる力強くノスタルジックな音響を具現化。「いい意味でジャンクで暖かみのある音色と言える。70年代のロックギターとの相性は抜群なはず」とのこと。

再生周波数帯域は550Hz~7kHz(出力音圧レベルより-20dB以内)、出力音圧レベルは102dB以上。最大入力は10W。

外装はホーン部、ケース部ともにアルミ鋳物品で、黒色塗装が施される。外形寸法は148×128mm(口径×奥行き)。