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ラックスマン、新世代最上位プリアンプ「C-10X」。独自のLIFES/LECUA-EX搭載

C-10X

ラックスマンは、“新世代を担う新たなプリアンプのフラグシップモデル”として「C-10X」を開発した。4月発売で、価格は165万円。カラーはブラスターホワイト。

2013年に発売した「C-900u」の後継モデルとして、アンプ回路を完全リプレース。2025年のラックスマン創業100周年に向けた次世代コンポーネントが持つべき、圧倒的なオーディオクオリティを目指して開発したというフラグシップモデル。

ラックスマンは独自の増幅回路として、ODNF(Only Distortion Negative Feedback)を長年進化させ、最終進化バージョンとして2020年に「ODNF-u」を発表。そして2021年に、さらにリアルで瑞々しく豊かな音楽性と圧倒的なオーディオ性能を獲得した新しい増幅回路方式として「LIFES(ライフス)」を発表。その「LIFES 1.0」を、今回のC-10Xに増幅回路として搭載している。

LIFESは、 ODNF方式の静特性を大きくステージアップするため、 歪を検出する差分アンプの大胆な改良を実施。設計段階でさまざまアプローチを検討し、差分アンプの初段に優れた特性のNチャネル ・ デュアルJFETを採用することで、 歪の検出精度を大幅に向上させている。性能を改善しながら回路を構成する素子のパラレル数削減にも成功し、増幅回路全体の動作構成を大きく変革することで、増幅時の歪をおよそ半分に低減している。

音楽信号の細やかなニュアンスを伝えるデリケートな増幅動作をサポートするため、 回路の安定動作に寄与するデュアルパッケージを採用した制御素子と、音質を重視して選択された米ビシェイ製ツェナーダイオードを組み合わせ、定電圧回路をブラッシュアップ。

入力変動と負荷変動に強く、交流ゲインと直流ゲインを変化させるハイイナーシャ電源により、「音楽のディテールをしっかりと再現する、レギュレーション性能に優れた電源供給回路」になったという。

増幅回路の安定動作を目的として、デュアル・トランジスタを採用したカレントミラー型の定電流回路を、LIFESの内部にチャンネルあたり4基配置。リスニングルームの環境温度や電源電圧の変動による影響を抑えている。電流増幅段の温度補償はトランジスタとサーミスタを組み合わせ、 バイアス変動を抑える構成とすることで、 より安定して製品を動作させるための回路に改良している。

音量調節部分には、独自に開発の「LECUA」を採用。チャンネルごとに独立した高音質固定抵抗を、ボリュームの位置によって切り替える電子制御のアッテネーター方式で、2006年に発売した「C-1000f」以降、増幅回路も一体化した「LECUA1000」として、改良を重ねてきたが、C-10Xでは、高精度のロータリーエンコーダーと新開発の重量回転機構を組み合わせ、より信頼性と自然で上質な操作感を実現した「LECUA-EX」を完成させた。

LIFESとLECUA-EX

0~95.5dBまで、192段階の細やかなステップ数と、ボリュームノブを回転させる速度やリモコンの長押しで、適度に音量の増減を加速させる設定により、「快適で音質劣化を徹底的に抑えた音量調節を可能にした」という。

内部は、バランス入力→バランス出力の完全なストレート回路を実現するプリアンプ回路4基によるフルバランス構成を採用。内部配線には各芯スパイラルラップ ・ シールドと、芯線の非メッキ処理で自然な信号伝送を実現するというオリジナルのOFCワイヤーを使っている。

電子制御のバス/トレブル式トーンコントロールと、LECUAによる音量シフト機能を使用したLRバランス調節機能や、出力レベルの異なる複数の入力機器のレベルを揃えられる入力オフセット機能なども搭載。

人の聴感特性に合わせた音量連動式のラウドネス機能、システム環境に合わせてアンバランス/バランス/バイアンプが選べる多彩な出力モードも備えている。AVアンプのプリ出力などを接続できるアンバランス外部プリ入力端子も搭載。

筐体には、シャーシ電流によるアースインピーダンスの上昇や発生磁界の影響を隔絶するループレスシャーシ構造を採用。脚部には、微小レベルのデリケートな音楽信号を不要な振動から守るグラデーション鋳鉄製レッグを採用する。

アンバランス入出力にはオリジナルの27mmピッチ高剛性RCA端子を、バランス入出力にはノイトリック製高品質XLR端子を使っている。ACインレットは金メッキ仕上げ。

入力端子は、アンバランス×3系統、バランス×3系統。出力はアンバランス×2系統、バランス×2系統。消費電力は33W、最大外形寸法は440×434×130mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は19.8kg。