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宮本茂「(マリオが)やっと人間になった」。映画「スーパーマリオ」ジャパンプレミア

(C)2023 Nintendo and Universal Studios
(C)OKUNO KAZUHIKO

4月28日から全国公開される「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」。公開に先駆けてTOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン9にて開催されたジャパンプレミアのレポートが到着した。

海外では4月5日に公開され、北米では週末3日の興行収入が146,360,000ドル、初日の水曜日を含めた5日間では204,630,730ドルに達し、全米初登場No.1を記録。ワールドワイドにおいては375,579,730ドルをあげ、アニメーション映画のオープニングとして歴代新記録を樹立した。

2週目の興行も好調で、全米の週末興行収入は92,347,190ドルで2位を引き離しNo.1を維持。4月18日時点で全世界の累計では692,968,890ドルに達し、早くも1,000億円突破目前となっている。

ジャパンプレミアには、本作の共同プロデューサーである“マリオの生みの親”で任天堂代表取締役フェロー宮本茂氏と、アニメ制作会社イルミネーションCEOのクリス・メレダンドリ氏が登壇。共同監督のアーロン・ホーヴァス監督とマイケル・ジェレニック監督、そして脚本家のマット・フォーゲル氏も緊急来日した。

さらに、本作のお披露目を祝うために本作のアンバサダーの西野七瀬さんや、マリオファン代表ゲストとしてよゐこの2人も会場に駆けつけ、共同プロデューサーの2人による本作の貴重な誕生秘話やアンバサダー、マリオファン代表の2組によるスペシャルな質問コーナーも実施された。

レッドカーペットイベント

よゐこ 濱口優さん(左)、有野晋哉さん(右)
(C)2023 Nintendo and Universal Studios
(C)OKUNO KAZUHIKO

TOHOシネマズ六本木ヒルズの1階に設置されたのは「スーパーマリオブラザーズ」のキャラクターたちが描かれたバックパネルを配置したレッドカーペット。最初に登場したのは、フォーマルな中にマリオとルイージのイメージカラーである赤と緑をのぞかせた衣装でイベントに参加したマリオファン代表のよゐこ 濱口優さんと有野晋哉さん。

上映を心待ちにしているファンに向けてメッセージを求められると「楽しすぎてあっという間だと思います。ゲームを自分がやっているかのようでした」と興奮を覗かせる。

有野さんも「エンドロールの最後まで楽しめる。ゲームをやっていたら考えたこともなかったマリオがたくさん出て来ます。『え!? マリオそうなん!?』という部分をぜひ観て欲しい。コントローラーを持って、もう一回劇場に来ようと思います!」とマリオファンとしても新しい発見もあり大満足の出来だったことを強調した。

続いて登場したのは本作のアンバサダーに就任した西野七瀬さん。マーメイドのような薄いピンクの衣装に身を包み「作品を観たばかりですが、大迫力で興奮しっぱなしでした。これまでいろんなシリーズのゲームをやってきていたので、『これ!! わかる――!」という部分と『そうだったんだ!!』という部分どっちもあったので楽しめました。世代を超えて愛されているマリオなので、家族でぜひ楽しんでほしいなと思います」とコメント。

西野七瀬さん
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今回、世界的な大ヒットを受けて急遽来日したアーロン・ホーヴァス監督、マイケル・ジェレニック監督、脚本家のマット・フォーゲル氏もレッドカーペットに登場し、マイケル・ジェレニック監督は「子供の時から大好きだったゲームをこの作品に盛り込みましたので、ぜひお楽しみいただければと思います」コメントし笑顔を見せた。

アーロン・ホーヴァス監督(左)、マイケル・ジェレニック監督(右)
(C)2023 Nintendo and Universal Studios
(C)OKUNO KAZUHIKO
脚本家 マット・フォーゲル氏
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そして、本作の共同プロデューサーであるイルミネーションのCEO クリス・メレダンドリ氏と任天堂株式会社代表取締役フェロー 宮本茂氏が登場。笑顔で写真撮影に応じ、いよいよマリオ生誕の地、日本で映画をお披露目できる喜びをのぞかせた。

イルミネーションのCEO クリス・メレダンドリ氏(左)、任天堂株式会社代表取締役フェロー 宮本茂氏(右)
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(C)OKUNO KAZUHIKO

クリス氏は「ようこそおいでくださいました。日本の皆さんにワクワクしてこの作品を楽しんでいただければと思います。本当に美しい作品に仕上がっています。この映画を作るのに7年もかかりましたが誇りに思える作品に仕上がりました」とその完成度の高さを伺わせ、宮本氏は「やっとこの日がきました。ゲームで遊んだことがある人も、ない人も、楽しい1時間半になるように作っているので、応援してください」とメッセージを寄せた。

舞台挨拶

舞台挨拶を実施では、クリス・メレダンドリ氏と宮本茂氏の2人が登場すると、会場からは割れんばかりの拍手が響いた。

アニメーション映画として世界で歴代NO.1の大ヒットを記録している本作が、マリオ誕生のここ、日本でついに本作をお披露目できることについて聞かれると宮本氏は「僕にとっては初めてのアニメーションデビュー。それをこんなに派手に飾らせてもらっていいのかと……。クリスさんのお陰だと思って感謝しております」とまず共同プロデューサーであるクリス氏へ感謝の想いを伝えた。

宮本茂氏
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クリス氏は日本のファンに向け「(日本語で)こんにちは、クリスです!」と挨拶。「皆さんの前に立ててワクワクしています。この映画をここまで旅をさせていただきありがとうございます。今作を任天堂とパートナーとして制作出来たこと、個人的にも宮本さんと一緒に制作ができたことを嬉しく思っています」と日本のファンと宮本氏へ感謝を伝えた。

クリス・メレダンドリ氏
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MCよりマリオの映画が生まれたきっかけについて聞かれると宮本氏は「10年くらい前にクリスさんと会う機会があって、話してみると私のゲームの作り方とクリスさんのアニメの作り方が似ているという話で盛り上がったんです。それなら一緒に映画を作ってみたら面白いんじゃないか、というところから企画がスタートしました」と説明。

クリス氏は「16年前にイルミネーションを立ち上げてすぐに、日本のプロデューサーやクリエイターたちにお会いしたくて日本に来ました。当時から日本の方と協業したいという願いがありました。2014年に宮本さんにお会いできると聞いて飛びつきました。そこから始まり、今夜この舞台に立つことができました」と日本のクリエイターへのリスペクトと映画制作の経緯を明かした。

宮本氏は初めてアニメーションとして動くマリオを見たときの印象を聞かれると「大きなスクリーンでマリオが登場するってどうなるんだろうと心配をしていました。40年前8ビットで描いていたマリオがNINTENDO64で3Dになって進化したけど、どこか人形のような感じでした。それが今回アニメでやっと人間になったぞ! と感じています」とコメントし、その完成度を絶賛した。

続いて、本作のアンバサダー西野七瀬さんと、マリオファン代表 よゐこの濱口優さん、有野晋哉さんがキノピオで埋め尽くされた会場を眺めながら登壇。

待ちに待った映画の完成について聞かれると西野さんは「観る前から期待していたけど、期待をはるかに超えて、没入感がすごい!(作品を観る前のお客様に対して)観る前のワクワクが羨ましいです」とコメント。

西野七瀬さん
(C)2023 Nintendo and Universal Studios
(C)OKUNO KAZUHIKO

濱口さんは「どう映画になっていくんだろう……と思っていましたが、見事です! どの世代が見ても楽しめます。素晴らしいと思います」と興奮気味にコメントし、有野さんは「どのシリーズのゲームも入っていて楽しめるので、ポップコーンを食べる暇がないと思います(笑)。監督を褒めたいと思います!」と製作陣を称賛した。

よゐこ 有野晋哉さん(左)、濱口優さん(右)
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世界的なクリエイターである宮本氏・クリス氏と話ができる絶好の機会とあって、ゲストの3人からずっと聞きたかったことを質問することに。

質問コーナー
質問1

西野さん:「宮本さんとクリスさんがマリオを制作する際にどんなお話をしながらこの作品を作り上げたのでしょうか?」

宮本氏:「“ゲームが好きな人を裏切らない”そして“ゲームを知らない人も楽しめる”作品をどう作ろうか、ということを話しました。色々案を練って、結論としてはリビングで家族揃って楽しんでいるかのような時間を作ろうということになりました」

クリス氏:「宮本さんと任天堂のチームの方々と全ての要素について話し合いました。デザイン、アニメーション、ストーリー、音楽についてフィルムメーカーとも一丸になって細部にまでこだわって製作しました」

西野さん「本当に細かいところまで散りばめられているこだわりを感じられたので、1回じゃ追いきれない部分もあると思いました」

宮本氏:「すごく大事なことを言いましたね! 本当に音楽も凄くいい、何回も観て欲しいと思います」

質問2

濱口さん「マリオのストーリーを映像化するにあたり、一番こだわったところはどこですか?」

宮本氏:「わかりやすく、マリオ大好きな人たちが観にきて、これは自分の大好きなマリオだと思ってもらえるかどうかにこだわりました。このスクリーン上で人間として違和感がないように観てもらえるようひたすら考えました」

クリス氏:「オリジナルのキャラクターをちゃんと表現できるかということに加えて、映画オリジナルの要素を加えるようにしました。大きなスクリーンでこのマリオを観た時に生きているキャラクターだと感じてもらいたいと考えました。制作陣がマリオのファンを代表して細部にまでこだわってくれた。オリジナルのデザインと良さを生かしているかということを確認しながら進めました」

宮本氏:「パリにいる600人のスタッフもみんなマリオファン。そういった人たちに支えられていました」

質問3

有野さん:「マリオのゲームの思い出があれば教えてください」

クリス氏:「最初のマリオとの出会いは『スーパーマリオワールド』でした。会社が忙しかった頃、息子を会社に来させたくて会社にマリオのゲームを用意したことを覚えています。仕事をしながら同時に親でいることを両立させました」

質問コーナーを終えると、日本版吹き替えでマリオ役を務めた宮野真守さんとルイージ役を務めた畠中祐さんからの動画コメントを上映。

宮野さんは「オリジナルに負けない最高の吹き替え版になるよう、僕たちみんなで頑張りました!」。畠中さんは「みなさんにも楽しんでいただけたら嬉しいです!」とコメントを寄せた。

本作の見どころについて宮野さんは「マリオはルイージにとってもみんなにとってもヒーローなんですね。でも普通の人間だからこそ、くじけそうにもなるし、負けそうにもなる、そんな等身大の部分にグッと来ました」と明かすと、畠中さんも「ルイージの信じる力がすごくいいなと思いました。彼は小さい頃からマリオをヒーローと信じている。その一途さが兄弟を動かすパワーになる、ここがすごく素敵だと思いました!」と答え、最後はマリオとルイージのポーズを決め、スクリーンの中から会場を盛り上げた。

MCから「スーパー日本語版」といっても過言ではないこだわりがあるとか? と尋ねられると宮本氏は「せっかくアメリカと日本と一緒に作るので、最初から脚本を日本語版を同時に作っています。だから会話がすごく自然なんです。英語版と日本語版両方観てもらえると嬉しい」と説明した。

最後に、これから作品を観る方へ一言ずつメッセージを寄せた。

西野さん「私も観ていてマリオたちの諦めない心、何度でも立ち上がる姿に憧れながら観ていました。皆さんにも刺さると思うのでそういったところも楽しんでいただけたらと思います」

濱口さん「昔からマリオが好きな50代の人たちも、マリオをこれから知る小さいお子さんたちも楽しめる。世代を超えて家族で楽しめる映画だと思います。本当にあっという間で、『マリオの世界観ってここでこう繋がってるんだ』と長年の謎も解けました。非常に見応えのある映画です」

有野さん「WBCの次は、マリオで、世界中の人たちに日本すげえぞ! って思わせてほしい。それくらい世界中の人たちに観て欲しいです。ぜひコントローラーを持って劇場に来て欲しいです!」

クリス氏「イルミネーションを代表して、宮本さんと任天堂のチームの皆様と仕事できたことを感謝しています。この特別な日本語バージョンのこの作品を本日皆様に共有させていただけることを光栄に思っています。日本の声優陣の皆様が素晴らしいお仕事をしてくださっているので、ぜひこの作品をお楽しみください」

宮本氏「家族で来て1時間半、ゲーム知ってても知らなくても、あー楽しかったってなると思うので、それをみなさん体験していただき、映画館でマリオを応援してください」

フォトセッションの際には会場中のマリオファンに拍手と笑顔で迎えられ、マリオとルイージが舞台に登場。西野さんの「ヒア、ウィー、ゴー!」の掛け声に合わせてゲスト全員でマリオポーズを決めると舞台袖からカラフルなテープが飛び出し、大興奮のうちに幕を閉じた。

(C)2023 Nintendo and Universal Studios
(C)OKUNO KAZUHIKO