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Vlog撮影も使いやすく進化「Xperia 1 V」。アンプ刷新でスピーカーもいい音に
2023年5月23日 19:03
メインカメラにスマホでは世界初となる2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T」を搭載した「Xperia 1 V」。主に静止画撮影における夜間撮影能力の向上が目玉となっているが、動画撮影でも「S-Cinetone for mobile」の搭載や、VLOGCAMでお馴染みの「商品レビュー用」設定など様々な進化を遂げている。
今回はこの動画撮影面での強化や、スピーカーアンプの刷新について掘り下げて紹介する。
シネマチックな動画を撮って出しで投稿できる「S-Cinetone for mobile」
動画撮影において大きな進化となっているのは、αシリーズのデジタルカメラに搭載されている「S-Cinetone」をXperia向けに最適化したS-Cinetone for mobileを搭載していること。これにより、シネマティックな動画撮影ができ、撮影後にカラーグレーディングを施さなくても、人肌の質感をきれいに撮影できる。
動画撮影用アプリの「Video Pro」内のSDR/HDRの項目から設定可能で、S-Cinetone for mobile設定時はSDRでの撮影となる。
S-Cinetoneは元々シネマカメラVENICEの開発を通じて得られた知見を元に作られたもので、人物描写を重視した画作りで設計されている。人の肌を描写する際に使われる中間色の表現力がアップされ、色合いはよりソフトに、ハイライトの描写は被写体を美しく際立たせる自然なトーンになるという。
表現したい世界観に合わせて設定できる色のプリセット「クリエイティブルック」も搭載しており、撮影段階で雰囲気を仕上げて、そのまま色合いの編集をせずにSNS等に投稿できる。
VLOGCAMの「商品レビュー用設定」機能は、Video ProとPhoto ProのBasicモードで使用可能。設定の「Product showcase」の項目をONにすることで、人の顔の追従をOFFにして、手前の物にピントを合わせ続けられる。Video Proの配信機能も商品レビュー用設定を使えるため、そのままスマホ1台で配信も行なえる。
Vlog Monitorとシューティンググリップも装着可能で、Xperia 1 Vではリアカメラ部に「声優先マイク」を新たに搭載。リアカメラの正面の音を鮮明に録音できるようになっているため、スマホ1台でもクオリティの高い配信が行なえるようになった。
また、Xperia 1 IVまでの撮影用アプリではPhoto ProのBasicモード以外は全て横持ちのUIしか用意されていなかったが、今回Photo ProとVideo Proの全てのモードで縦持ちUIに対応。YouTube Shortsなどの縦位置動画が撮影しやすくなった。
スピーカーアンプ部が刷新。低域は音圧が約2倍に
スピーカーユニットは従来と同じものとなっているが、アンプ部が刷新。駆動電圧が向上したことで、従来以上にダイナミックで迫力のあるサウンドを実現し、最大音圧レベルが約10%向上。
低音域では200Hz近辺で1.4倍、80Hz近辺で2倍以上に音圧レベルが向上しており、アコースティックベースやサックスなどの音がより生々しく聴こえるようになった。
さらにアンプ内ノイズも低減されており、楽器の響きやボーカルの余韻などの表現も強化。繊細さや空気感を感じるクリアなサウンドを実現した。
実際にXperia 1 Vと前機種Xperia 1 IVを比較して聴いてみると、明らかにXperia 1 Vの方が空間が広く、曲全体の抑揚がしっかりと感じられ、Xperia 1 IVの方は低域の沈み込みや高域の伸びが若干抑えつけられているように感じる。
Xperia 1 IVが登場したタイミングではこれ以上音が良くなる余地はあるのかと思っていたので、結構衝撃的だった。
おそらくじっくり聴き比べなければわからない差ではあると思うが、Xperia 1 Vで再生したあとに同じ曲をXperia 1 IVで再生すると、ボーカル周りに若干ノイズが感じられる。
一番大きく差が出たのが360 Reality Audio対応の楽曲で、Xperia 1 Vの方が明らかに空間の拡がりが大きい。楽器の演奏はしっかり奥の方からこちらに向かって鳴っているように聴こえ、移動している様子も鮮明に見える。そして、Xperia 1 IVで再生した際には若干後ろに引いているように聴こえたボーカルは、その1mくらい手前に来ているような感覚で、定位がより明確になったと感じられた。