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ソニー、世界初の望遠光学ズーム搭載「Xperia 1 IV」。ライブ配信機能も

Xperia 1 IV

ソニーは、世界初となる望遠光学ズームレンズ、スマホ単体で行なえる動画配信機能、ゲーム配信機能を搭載した「Xperia 1 IV」を国内の通信事業社より6月上旬以降に発売する。5Gはsub6とミリ波に対応。カラーはブラック、アイスホワイト、パープルの3色。なお、通信事業社により取扱カラーが異なる場合がある。価格は未定。

Xperia公式YouTubeアカウントにて、新製品の紹介ビデオも公開。「Xperia 10 IV」「Xperia Ace III」については別記事を参照のこと。

Xperia | 新商品発表 (2022年5月)

Xperia IVは、スマホでは世界初となる光学ズームレンズを搭載。Xperia IIIでは搭載していた可変式望遠レンズでは70mmと105mmのレンズの切り替えのみで、その間の焦点距離、例えば90mmなどはデジタルズームで補う必要があったが、Xperia IVでは85mm~125mm/F2.3~F2.8の光学ズームが行なえる望遠レンズを装備する。

左からアイスホワイト、パープル、ブラック

超広角は16mm/F2.2、広角は24mm/F1.7とXperia IIIと同じレンズを搭載。T*コーティングを施したZEISSレンズとなっている。3D iToFセンサーも搭載する。

従来は広角部にのみ搭載されていた120fps高速読み出し対応のイメージセンサー「Exmor RS」をリアカメラ部の全てのレンズに搭載。4K 120fpsのスローモーション/ハイフレームレート動画撮影、リアルタイム瞳AF/オブジェクトトラッキング、暗所時の手ブレ補正に強いFlawlessEye対応のOptical SteadyShotなどが全てのレンズで利用できるようになった。

センサーイメージ

チップセットはSnapdragon 8 Gen1 Mobile Platformを搭載。メモリ容量は12GB、ストレージ容量は256GBと512GBを用意する。IP65/68の防水防塵対応。3.5mmジャック搭載。外形寸法は165×71×8.2mm(縦×横×厚さ)。重量はSub6が185g、Sub6+ミリ波が187g。

「Videography Pro」に配信機能。Vlog Monitorにも対応

動画撮影機能をメインにアップデート。動画撮影アプリはXperia PRO-Iと同じく「Videography Pro」を採用し、Vlog Monitorとシューティンググリップ「GP-VPT2BT」にも対応。上記のとおり、動画撮影時のリアルタイム瞳AF/オブジェクトトラッキング、FlawlessEye対応のOptical SteadyShotに対応する。

Vlog Monitorと「GP-VPT2BT」を装着した様子 Xperia 1 IV(左)、Xperia PRO-I(右)

Videography Proには配信機能を新搭載。設定画面からYouTubeアカウントにログインすることで、アプリから直接YouTube配信が行なえるほか、配信先の手動入力でFacebookやTwitchなどにもアプリで撮影している映像をそのまま配信できる。なお、配信モードの場合は、撮影ボタンが配信ボタンに切り替わる。

Xperia 1 IV「Videography Pro」配信設定画面

動画撮影時は16mm~375mmまでのシームレスズームに対応し、3つのレンズの切り替えが不要になった。なお、出荷時に各レンズのホワイトバランスの個体調整を行ない、レンズごとの色味のばらつきは最低限に抑えるという。静止画撮影時は従来通りレンズの切り替えが行なえ、一眼レフのレンズを取り替える使用感で使える。

また、カメラと接続して外部モニター機能経由でのライブ配信にも対応。ミラーレスカメラの画質クオリティで配信できるほか、モニター持続モードによる長時間配信が行なえる。

αとの接続イメージ

なお、ライブ配信機能については、Videography Proを搭載するXperia PRO/PRO-Iについてもアップデートにて対応予定となっている。

ゲームエンハンサーにも配信機能

ゲーム配信機能のイメージ

ゲーム配信にも注力。対応のゲームプレイ時に起動するアプリ「ゲームエンハンサー」に配信機能を追加。スマホでのゲームプレイをそのまま配信できる。視聴者コメントのオーバーレイ表示が可能なほか、配信時の画面レイアウトを簡易的にカスタマイズできる。

オーディオミキサー機能も備え、PCとの連携も可能。Xperiaにヘッドセットを接続すれば、配信者の声とゲームサウンドをミキシングして出力できる。

また、ゲームサウンドは同時に2つのチャンネルに伝送可能。例えば、PCを使って配信する場合、XperiaからUSB-Cでキャプチャーボードに接続して、ゲームの映像と音声をPCに取り込む必要があるため、ゲーム画面に対して取り込んだ映像には遅延が発生する。

従来は、USB-Cから音声を出力した場合は、イヤフォンジャックから音声が再生されなくなるため、この遅延による音ズレの影響を受けずにゲームをプレイする場合は、キャプチャーボードからパススルー出力された先のモニターやTVの音声出力にヘッドセットを接続してプレイする必要があった。

Xperia 1 IVでは2つのチャンネルに音声を出力できるため、USB-Cとイヤフォンジャックの両方から音声が出力される。これにより、PCを介した配信においても、Xperiaにヘッドセットを接続するだけで、音ズレの影響を受けずにゲーム配信が行なえる。

プロレベルの録音体験ができるMusic Pro

マイクのアイコンが「Music Pro」

歌の動画投稿者向けの機能として、「Music Pro」アプリを新たに搭載。Xperia 1 IVのマイクを使って録音した音声を、クラウド処理によってノイズ除去や部屋の残響特性を除去、さらにソニーの真空管マイクの周波数特性や、スタジオ録音機材が持つ良質な響きを再現した加工を施して高音質化する。

なお、高音質化に対応するのは人の声とアコースティックギターの演奏音のみ。ノイズ除去や高音質化のクラウド処理機能の利用はついては月額課金となり、利用料は月額580円を予定している。録音機能は無料で利用できる。

Music Proのイメージ

画面の輝度が50%向上。スピーカーは低音域の音圧を向上

ディスプレイは4K/120Hz、HDRに対応する有機ELディスプレイを採用。サイズは従来と同じく6.5型でアスペクト比は21:9。今回、輝度が約50%向上したほか、HDRコンテンツの視認性を向上させるリアルタイムHDRドライブを搭載。視聴環境やコンテンツに応じてフレームごとに解析を行ない、輝度のトーンカーブを最適化。明暗部の視認性を向上した。

オーディオ面では、スピーカーのドライバーとエンクロージャーを刷新。音質/音圧ともの向上したとしている。とくにベースやバスドラムなどの低音域ついては、20~50%音圧の向上を実現した。

360 Reality Audioに引き続き対応。通常のステレオ音源を立体的な音場で楽しめる360 Spatial Soundについては、機能名が「360 Reality Audio Upmix」に変更され、引き続き搭載する。AI技術で圧縮音源をアップコンバートする「DSEE Ultimate」や、3.5mmステレオミニ端子も装備する。

そのほか、バッテリー容量が5,000mAhに増加。30分で50%まで充電できる急速充電機能を備えるほか、3年使っても劣化しにくい(新品の状態と比較して80%を切らない)仕様になっている。ワイヤレス充電、おすそわけ充電にも対応する。

アクセサリーとして、スタンド機能付きカバー「Style Cover with Stand」も用意。カラーはブラック、グレー、パープルの3色。

上段が「Style Cover with Stand」。左からグレー、パープル、ブラック

冷却機能により、安定してゲームの長時間プレイ/配信を可能にするXperia 1 IV専用のゲーミングギアも開発中で、秋以降に発売を予定している。ライブ配信用のマルチポート対応になるという。なお、ゲームプレイ時に発熱する箇所を効率的に冷却する仕様のため、動画の長時間撮影など、ゲーム以外での利用は想定していないという。

ゲーミングギアイメージ

また、8K HDRのVR映像を楽しめるXperia Viewにも対応。Xperia 1 IVの対応に当たり、Xperia Viewのカバー形状が刷新。カメラ部やイヤフォンジャック部の形状が変更され、型番も「XQZ-VG01A」に変更となる。対応サービスも拡大し、6月以降にVR SQUAREに対応する。乃木坂46が出演するオリジナルコンテンツの第2弾も制作決定している。

Xperia View
イヤフォンジャック周辺の加工が変更された。左が新型、右が従来機