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ソニー、AI深度推定でAF進化した「Xperia 1 V」。SIMフリーは19.5万円
2023年5月11日 13:05
ソニーは、「Xperia 1 V」を国内の通信事業者より6月下旬以降に発売する。カラーはブラック、カーキグリーン、プラチナシルバーの3色。SIMフリーモデルも同時に発表され、7月下旬以降に発売となる。SIMフリーモデル価格はオープンプライスで、店頭予想価格は195,000円前後。
前機種からの大きな進化としては、従来の「Exmor RS」より約1.7倍サイズアップし、低照度性能が約2倍向上した新開発の2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T」をメインカメラ部に搭載。従来のToFセンサーを非搭載とし、AI深度推定による高精度なオートフォーカス機能を採用した。
リアカメラのレンズ部焦点距離は従来から変わらず、超広角が16mm/F2.2、広角が24mm/F1.9。望遠の光学ズームも引き続き備え、85~125mm/F2.3~2.8。超広角と望遠には「Exmor RS」を搭載した。
外形寸法/重量も前機種とほぼ同じで、165×71×8.3mm(縦×横×厚さ)/187g。ゲーミングギア「Xperia Stream」をそのまま装着して利用できる。
通信事業者モデルとSIMフリーモデルの違いは、5Gにおいて、通信事業社モデルのみミリ波に対応。メモリ/ストレージ容量は通信事業社モデルでは12GB RAM+256GB ROMと16GB RAM+512GB ROMの2種類を用意するが、SIMフリーモデルは16GB RAM+512GB ROMのみとなる。
新センサーで暗所撮影強化+“AI深度推定”のAF
新センサーのExmor Tは、小型かつさらなる高感度と耐ノイズ性能の実現を目指して開発。2層トランジスタ画素積層構造で、フォトダイオードとトランジスタを2層に分離することでそれぞれを拡大。光を取り込む量と耐ノイズ性能をともに最大化することで、大幅に暗所性能を向上した。
このセンサーと高速な重ね合わせ画像処理技術により、低照度における耐ノイズ性能とダイナミックレンジにおいては、フルサイズセンサーを搭載したデジタルカメラ並みの撮影が可能になったという。
また、センサーサイズが約1.7倍大きくなったことで、アスペクト比が従来よりも幅広な4.3:3になった。これにより16:9の動画撮影時における有効エリアが広くなり、手ブレ補正も向上している。
オートフォーカスについては、AIによる深度推定とαの技術を使った新たな仕組みを採用。ToFセンサーが苦手としていた、遠くや画角の端にいる被写体にも高精度にAFを合わせることができるようになっている。
αシリーズの「S-Cinetone」やVLOGCAMの「商品レビュー用設定」搭載
αシリーズの機能をXperiaに最適化した「S-Cinetone for mobile」を搭載し、カラーグレーディングを施さなくても人肌の質感をきれいに描写する、シネマティックな動画専用の画作りが行なえる。
また、撮影段階で表現したい雰囲気に仕上げられる色のプリセット「Creative Look」や、極低照度環境のほとんど見えないシーンでも明るく映し出す「ナイト撮影機能」も備えている。
VLOGCAMシリーズで搭載している「商品レビュー用設定」がXperiaに初搭載。AFが顔ではなく手前にある物に対して追従する機能で、商品レビューなどを行なう際に自分の顔を隠さなくても、見せたい物にピントを合わせることができる。
「Xperia Pro-I」に搭載されていたリアカメラ部の「声優先マイク」も新搭載し、リアカメラの正面の音を鮮明に録音可能。Xperia 1 Vだけで本格的なVLOG撮影が行なえるようになった。
また、静止画撮影用の「Photo Pro」、動画撮影用の「Video Pro」ではともに縦撮りUIに対応。Video Proの配信機能では、新たにYouTubeのチャット閲覧が可能になった。なお、スーパーチャットの色つき表示には未対応とのこと。
録音アプリ「Music Pro」では、新たにピアノの収音に対応。従来のボーカル、アコースティックギターと同様に、ノイズ除去や部屋の残響特性の除去、ソニーの真空管マイクの周波数特性やスタジオ録音機材が持つ良質な響きを再現した加工を施して高音質化できる。
ゲームアプリ起動時に使えるゲームエンハンサーは、使い勝手の面でアップデートされており、プレイ中にTopメニューからパフォーマンス状況が確認できるようになったほか、本体のシャッターボタンを押すことでスクリーンショットの撮影が可能になった。
前述の通り、Xperia Streamがそのまま装着可能で、装着時のゲーミングパフォーマンスはXperia 1 IVよりも向上。Antutuスコアの平均スコアは約30%向上しているという。
オーディオ面はスピーカーアンプが強化
オーディオ面では、従来と同じ構造のスピーカーを採用しており、スピーカーアンプ部が強化。全体の音圧を約10%向上したほか、低域部(80Hz)は約2倍向上している。パワフルで低ノイズになり、ダイナミックで迫力がありながら繊細さや空気感を感じるクリアなサウンドを実現したという。
3.5mmヘッドフォンジャックも搭載。圧縮音源をアップコンバートするDSEE Ultimateや、立体音響技術の360 Reality Audio、360 Reality Audio Upmix、BluetoothはLDACコーデックによるワイヤレスでのハイレゾ相当の再生にも引き続き対応する。
そのほか、ディスプレイは4K HDR 120Hzのパネルを採用。明るい環境でもHDRコンテンツの白飛びなどを抑えて優れた視認性を提供するとしている。アスペクト比は21:9。
バッテリー容量は5,000mAhで約20時間の連続動画再生が可能。3年経っても最大容量80%以上を維持する劣化しにくいバッテリーとなっている。また、SoCにSnapdragon 8 Gen2を採用し、CPUの電力効率を従来比約40%改善。カメラ動作時の消費電力も約20%改善し、熱拡散シートの体積は約60%拡大し、ヒートマネジメントを強化したという。
純正のスタンド機能付きカバーは、撮影時のグリップ性を高めた形状を採用。それに合わせてスタンドの位置が従来と変更となったことで、横置きだけでなく縦置きも可能になった。