ニュース

PREMAREからAtmos/DTS:X対応AVアンプ。新形状スピーカー「HYPHN」も

200を超える国内外のオーディオブランドが一堂に会す「2023東京インターナショナルオーディオショウ」が、東京国際フォーラムにて開幕した。会期は11月3日から5日まで。時間は10時から19時で、最終日は17時までとなる。また入場は無料だが、事前予約登録が必要。

本記事では、ガラス棟4階・5階にブースを構えるアキュフェーズやラックスマン、トライオードなどで展示されていた新製品を紹介する。

ナスペック(4階/G405)

ナスペックブースでは、Monitor Audioのスピーカーを中心にデモンストレーションを実施。低質量プリーツ型振動板と新規設計の磁気回路を組み合わせた新ツイーター「MPD III」や新ドライバー「RDT III」などを採用した、ハイエンド「Platinum 300 3G」シリーズが試聴できる。

また会場では、新フラッグシップスピーカー「HYPHN(ハイフン)」を初披露。独創的なスタイルのキャビネットは、アクリルと鉱物、天然顔料を組みわせて成形。

中央のパンチンググリルの奥には、MPD IIIを囲むように50mmのミッドドライバーを6基搭載。その背後には、4組のバスドライバーがそれぞれ内側に向かい合うように配置されている。

フラッグシップスピーカー「HYPHN」
バスドライバーを内側に向かい合うように配置している

同社によれば、HYPHNは50周年記念のConcept50をさらに洗練し、強化したモデルとのこと。さらに「数十年にわたる設計チームの経験と協力の結晶であり、性能、技術、デザインのあらゆる要素が調和した結果が具現化されている」という。価格は未定で、来年の投入を目指す。

外形寸法は502×520×1,392mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は106.9kg(1台)。

参考出展されていたMonitor Audioのアクティブサブウーファー「Anthra(アンスラ)」。写真左から時計回りに「Anthra W10」「Anthra W12」「Anthra W15」

PRIMARE(プライマー)からは、SPA23以来の新AVアンプとなる、Dolby Atmos/DTS:X対応「SPA25」が登場する。価格・発売時期共に未定。

8ch DACをデュアルで採用し、フロントLR出力に4chを割り当てて並列駆動できる独自のDA変換回路により、ステレオ性能を向上。Dirac Liveの高度な補正により、2chでもマルチchでもディテールと明瞭度の高いリスニングを提供するという。

PRIMARE「SPA25」

内蔵パワーアンプは9ch分で、7.1.2ch/5.1.4chシステムが構築可能。プロセッシングは11chまで対応しているので、ステレオアンプを追加することで最大7.1.4chシステムまで拡張できる。

HDMI入力は4系統、出力は2系統。3Dや4Kパススルー、eARCのほか、Dolby Vision、HDR10+などのダイナミックHDR信号もサポートする。最大出力は810W(90W×9)。外形寸法は430×382×142mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は12kg。

背面

アキュフェーズ(4階/G407)

パワーアンプ「A-80」やSACDプレーヤー「DP-770」などの新製品を中心に展示。試聴会では実際に開発を行なっている技術者が登壇し、製品の詳しい説明を聞くことができる。

ステレオパワーアンプ「A-80」
内部パーツ

A-80は、アキュフェーズ50周年記念モデル「A-300」のステレオ版として開発された、最上位の純A級パワーアンプ。電力増幅段には、パワーMOSFETによる10パラレル・プッシュプルのA級動作を採用し、出力は65W/8Ω、130W/4Ω、260W/2Ω、520W/1Ωのリニアなハイパワーを実現。さらに信号入力部をバランス回路で構成したインスツルメンテーションアンプ、信号入力部と電力増幅部の理想的なゲイン配分、2並列回路のMCS+などにより、ノイズ性能を極限まで高めているのが特徴。価格は154万円。

SACDプレーヤー「DP-770」
内部パーツ

DP-770は、DP-1000/DC-1000の技術を受け継ぎ、一体型の究極を目指したSACDプレーヤー。アウターローター型ブラシレスDCモーターを採用したトラバースメカニズムにより、ディスクを滑らかに回転させ、正確なデータの読み取りを実現。

プロセッサー部には、ESSテクノロジー製ES9028PROを8回路並列駆動した「8MDSD(DSD信号)/8MDS++(PCM信号)方式DAコンバーターを構成。IV変換回路に独自のANCCを搭載して性能向上を図ることで、極めて高い変換精度と低ひずみ・低雑音を可能にしているという。価格は150.7万円。

プリアンプ「C-2300」

C-2300は、AAVAを2回路平衡駆動させる「Balanced AAVA」を搭載し、入力から出力まで完全バランス回路を実現したプリアンプ。主要回路をディスクリート部品で構成することで、電気的な干渉を抑制。また、ゲイン配分の最適化などにより、C-2450比でノイズレベルを10%低減させた。価格は80.3万円。

ステレオパワーアンプ「P-4600」

P-4600は、上級機の技術を採り入れたAB級ステレオパワーアンプ。電力増幅段には、パワートランジスター「6パラレル・プッシュプル出力段」を採用し、従来機を上回る定格出力150W/8Ωの強力な駆動性能を実現している。価格は71.5万円。

ディナウディオ(4階/G410)

デンマークブランドのディナウディオブースでは、スピーカー「Emit」「Evoke」「Contour」「Confidence」シリーズから代表的なモデルを展示。など、豊富なラインナップから代表的なモデルをピックアップ。カナダSIMAUDIOのMOONシリーズやフランスATOLLと組み合わせた状態で音を楽しむことができる。

発売されたばかりのワイヤレスアクティブスピーカー「Focus」シリーズも展示。ブックシェルフ「Focus10」は99万円、2ウェイ3スピーカーのフロア型「Focus30」は154万円、3ウェイ4スピーカーのフロア型「Focus50」は198万円。

プロスタジオ用モニタースピーカーと同じドライバー技術とアンプシステムを搭載。最大出力280Wを誇るパワーアンプユニットと、DSPにより、設置場所に合わせて最適な音質に調整可能。

ブックシェルフ「Focus10」

Wi-FiやBluetoothに加え、WiSA接続にも対応。同軸デジタル、光デジタル入力も備えるほか、アナログ入力も用意しているため、CDプレーヤーやレコードプレーヤーとも直接接続できる。

Spotify Connect、TIDAL(日本未展開)Connect、AirPlay 2、Google Chromecastなどもサポート。Roon-readyにも対応する。

2ウェイ3スピーカーのフロア型「Focus30」

ラックスマン(4階/G408)

ラックスマンのブースでは、先日発表されたばかりのプリメインアンプ「L-505Z」やHDMI搭載ネットワークトランスポート「NT-07」、プリアンプ「C-10X」などの新製品が試聴できる。

プリメインアンプ「L-505Z」

L-505Zは、独自の新・増幅帰還エンジン「LIFES」を搭載した最新のプリメインアンプ。発売は2023年12月で、価格は38.5万円。

150W+150W(4Ω)のハイパワーを支えるパワーアンプステージに採用したLIFESは、無帰還回路のような自然な音質を得られるODNFの技術的思想を基に、回路全体をゼロベースでシンプルに再構築した基幹回路。「最新の回路技術による高音質と音楽再生を充実させるユーティリティ性能をまとい、熱心な音楽ファンを満足させるための完成度を高めた一体型アンプの新たなスタンダードモデル」としている。

NT-07は、今夏に発売した同社初のネットワークトランスポート。「オーディオ再生のみに完全に特化した高品位なデジタルオーディオトランスポート」として開発された。UPnP(OpenHome)対応のNASや音楽ストリーミングサービス(QobuzやSpotifyなど)を音源として選べるほか、HDMI入力、HDMI出力(ARC)も備えているのが特徴。価格は59.4万円。

ネットワークトランスポート「NT-07」

C-10Xは、今春に発売したフラッグシッププリアンプ。アンプ部には、増幅帰還エンジンLIFESを搭載し、フルバランス構成のプリアンプ回路として4基を完全に同一条件で配置。音量調節部には、独自の電子制御アッテネーターLECUAをプリアンプの同一基板上に直結し、0.5dB単位の細やかなステップで動作するロータリーエンコーダーにより制御するシステムを備えた。価格は165万円。

プリアンプ「C-10X」

ステラ(4階/G409)

ステラのブースでは、TechDASのターンテーブル「AirForce One Premium」のほか、ハイエンド真空管300Bを使ったTHRAX Audioのパワー/プリアンプ、GOLDMUNDのアンプシステム、ギリシャYPSILONのアンプシステムなどの製品を多数展示している。

新製品としては、アーム本体を空気で浮かすTechDAS「AirForce X」、GOLDMUNDのSACDプレーヤー「EIDOS SACD」、Wilson Audio「SASHA DAW」の後継機種となる「SASHA V」などを見ることができる。

トーンアーム「AirForce X」(写真右)
SACDプレーヤー「EIDOS SACD」
Wilson Audio「SASHA V」

ノア(4階/G402)

ノアのブースでは、イタリアSonus faberのスピーカーやドイツBurmesterのアンプなど、多数の製品をラインナップ。会場では、11月10日10時から予約受付を開始するSonus faberの限定モデル「Stradivari G2 Anniversary」も試聴できる。

Stradivari G2 Anniversaryは、創業40周年を記念した限定モデル。世界120ペア、日本では12ペアの販売で、価格はペア880万円。内部構造からユニット、キャビネットのデザインまで、全て新設計で作成されており、「伝統的な熟練の職人による徹底した手作業だからこそ実現でき、創業40年の歴史と哲学の真髄を体現した」という。

限定モデル「Stradivari G2 Anniversary」
Sonus faberのブックシェルフ「Guarneri(ガルネリ) G5」も参考出品されていた

トライオード(5階/G507)

トライオードのブースでは、真空管プリメイン「EVOLUTION PRE」やKT150管を使用したプリメイン「TRV-A150XR」、英スペンドールのスピーカーシリーズを組み合わせたデモを開催。期間中は、評論家やアーティストを交えた講演やイベントも用意する。

会場では、初公開となる試作品も登場。JUNONEの真空管モノラルパワーアンプ「JUNONE M845」が試聴できるほか、トライオードの真空管プリメイン「TRS-34」、真空管プリ「TRX-4」も披露していた。

JUNONEの真空管モノラルパワーアンプ「JUNONE M845」
真空管プリメイン「TRS-34」
真空管プリ「TRX-4」

ロッキー・インターナショナル(5階/G509)

ブースでは、WharfedaleやQUAD製のスピーカーを多数用意。参考出展としては、Wharfedaleのブックシェルフ「AURA 1」のほか、Musical Fidelityの純A級プリメイン「A1」やパワーアンプ「Nu-Vista800.2」が展示されていた。

Wharfedale「AURA 1」
Musical Fidelity「A1」
Musical Fidelity「Nu-Vista800.2」