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Monitor Audio「スピーカーらしくない」新形状のフロア型「HYPHN」

「HYPHN(ハイフン)」

ナスペックは、Monitor Audioのフラッグシップモデルとなる3ウェイのフロアスタンディング型スピーカー「HYPHN(ハイフン)」を2月20日に発売する。価格は1,485万円。仕上げはMatte Heritage Green(MHG)、Matte Black(MBK)、Satin White(SW)。

2023年の東京インターナショナルオーディオショウで初披露され、その特徴的な外観から多くの注目を集めていたモデル。2022年に発表したブランド50周年記念モデル「Concept50」をより洗練させ、強化したモデルで「Monitor Audioグループの最新の設計・技術・製造能力、そして同社の将来性を見事に明示した他に類を見ない傑作」だという。

デザインチームは「前面にたくさんの円形がついた大きな箱を作りたくない」と明言しており、自分たちに課した課題はいかにして「スピーカーらしくないスピーカーを作るか」だったとのこと。

本体前面

設計アイデアはユニットを最適な位置で(仮想)空間に浮かばせるところからスタートし、デザインチームはそれを中心にキャビネットの物理的な設計・形状を考えだした結果、バスドライバーを収めた2本のキャビネットの中央を、ドライバーユニットを収めた“ブリッジ”がつなぐような独特な形状の筐体が誕生した。

このブリッジ部分は、中央に1基のMicro Pleated Diaphragm III(MPD III)があり、その周囲を囲むように6基の51mm径Rigid Diaphragm Technology III(RDT III)ミッドレンジドライバーを搭載。「軸外性能の向上とともに、驚異的な音響透過性を実現している」という。キャビネットには203mm径バスドライバーを4基搭載する。

ミッドレンジドライバーに囲まれているMPD IIIは、ハイル・ドライバー型高周波ドライバーで、より大きくクリアで安定したサウンドを提供。「音楽や映画は正確かつ明瞭に再生され、リスナーはこれまで体験したことのないレベルの正確さとディテールを楽しめる」とのこと。

本体背面

また歪みを減少させ、ボーカルを効果的に投影するために、可能な限り多くの表面積を確保することが重要だったため、6基ものミッドレンジドライバーを搭載することになった。

バスドライバーは互いに向き合うように配置されている

4基のバスドライバーは、それぞれ互いに内側を向くように配置される。これらは厚さ25.5mmの金属棒と幅広のキャビネットを貫通するスルーボルトの固定具によって、しっかりと固定されている。バスドライバーを向き合うように配置することでフォースキャンセルにより、ドライバーから生まれる振動力はドライバー内部にもキャビネットにもほとんど伝わらず、「純粋・クリーンでディテールに富んだサウンド」だけを届けられるとのこと。

本体脚部

再生周波数帯域は18Hz~60kHz、能率は86dB、推奨アンプ出力は200~1,600W、定格入力は800W、公称インピーダンスは4Ω、ポートチューニング周波数は25Hz、クロスオーバー周波数は350Hz、37kHz。スピーカーターミナルはバイワイヤ対応。

振動や機械的共振を抑えるためにワイヤーを束ねるワニスでインダクターを焼き付けるところなど、細部にまで配慮。セラミックワイヤーワウンド抵抗は電力圧縮を低減し、また、Monitor Audioが望んだ最大パワーハンドリング(800W)を達成するために、必要に応じて2倍、4倍にされている。

低音域、中音域、高音域の各セクションには、クロストークと磁界を最小限に抑える個別のPCBを使用。ボードは、隣接するインダクター間の相互作用を最小限に抑えるよう最適化され、キャビネット内のゴム製アイソレーション・フットに取り付けられているため、PCBやコンポーネントを伝わる振動を防ぎ、音質を向上させている。

独特な形状のキャビネットは、熱形成されたミネラルとアクリルストーンで構成。強化リブとブレーシングを内蔵し、フォース・キャンセリング・バス・ドライバー周辺の内外肉厚を12mmから24mmとした結果、ほとんど振動のないキャビネットになったという。本物の「Made in Britain」を目指し、イギリスで設計・エンジニアリングされ、手作業で製造されている。

外形寸法は脚部/スパイクを含め502×520×1,392mm(幅×奥行き×高さ)、重さは106.9kg/1本。

Matte Heritage Green(MHG)
Matte Black(MBK)
Satin White(SW)