ニュース

ソニーの最新Crystal LED「VERONA」国内初展示。Inter BEE開幕

メディア総合イベント「Inter BEE 2023」が千葉・幕張メッセにて開幕。幕張メッセでのリアル開催は17日まで、オンラインでは12月15日まで実施する。入場料は無料だが、登録入場制となっている。ここでは、Crystal LED「VERONA」を使ったインカメラVFX撮影や、クラウド制作システムなどの展示を行なっているソニーブースや、体験型展示を主軸としたNHKのブースなどを紹介する。

ソニー

ソニーは「Creativity Connected ともに”つなぐ”コンテンツ制作の未来へ」をテーマに、メディアソリューションの「Networked Live」「Creators’ Cloud」や、2024年春に発売する最新のシネマカメラ「BURANO」、Crystal LED「VERONA」を使用したインカメラVFXの実演展示などを行なっている。

今回、「Networked Live」構成する機能の一つであるVideoIPathの新機能として、クラウドとのフェデレーションを実現。従来の中継先と放送局だけでなく、クラウドとも連携できるようになり、より柔軟な対応が可能になった。また、UIを刷新し、面倒な設定をせずに設備間の機材共有が行なえるという。

Networked Liveの流れを説明しているエリア

フィールドカメラから直接放送局や編集スタジオへ映像を届けるトランスミッター「CBK-RPU7」も初展示。従来は中継地点にあるメディアプロセッサー「NXL-ME80」に中継カメラの映像を集めて、スタジオなどのNXL-ME80に有線のネットで送っていたが、CBK-RPU7を使用することで、カメラから直接5G回線を利用したワイヤレス伝送でスタジオなどのNXL-ME80に映像を送ることができるようになる。会場では、従来の方式と無線での伝送での遅延の比較などの展示も行なっていた。

カメラに接続された「CBK-RPU7」

12月に発売となる光学式可変NDフィルターを標準で装備した「HDC-5500V」も展示。カメラマンがNDフィルターを差し替える手間が省けるほか、透過率の変更時にフィルター枠の映り込みが発生しないのが特徴で、明るさを一定に保ったまま被写界深度を調整する機能も搭載予定となっている。

HDC-5500

来春発売予定のCrystal LED「VERONA」を使ったインカメラVFX撮影の実演も行なっている。また、VENICEシリーズでCrystal LEDを撮影する際に、モアレの発生の有無を事前に確認できる「Virtual Production Tool Set」も紹介。撮影する構図を検討する時点で、モアレなどのトラブル発生を防げるため、撮影がスムーズに行なえるようになる。

インカメラVFXの撮影の様子
実際に撮影された映像
「Virtual Production Tool Set」のエリア

VERONA単体での設置もされているほか、今回のソニーブースのセミナースペースに用意されている大型ディスプレイもVERONAを使用しているという。

VERONAのエリア
設置のしやすさにも注力したという背面
つなぎ目の部分

マスターモニターの展示も行なっており、最新の最上位機種「BVM-HX3110」と前機種の比較などが行なえる。また、αシリーズをはじめとしたカメラのタッチアンドトライエリアも従来通り用意されている。

左が「BVM-HX3110」
カメラのタッチアンドトライエリアも

NHK

NHKブースでは「進化を体感! 〜広がるメディアの可能性〜」をテーマに掲げ、来場者が体験できる展示をメインに用意。

大河ドラマ「どうする家康」にも使われたインカメラVFXの仕組みをミニチュアで再現し、タブレットをカメラとしてミニチュアを撮影すると、タブレットの動きに反応して背景のディスプレイの映像も変化。撮影現場で使われている技術がそのまま体験できる。

インカメラVFX体験エリア

VR空間にNHKのスタジオを再現するなどしていたバーチャルNHKでは、“メタバース防災研究所”として、鹿児島で実際に起きた落石現場をVR空間に再現。アバターを操作して、落石発生時の状況を仮想空間で体験でき、今後の防災意識につなげることができるとのこと。

バーチャルNHKエリア
実際に体験できる

そのほか、HMDを使用した体験コンテンツも用意しているほか、次世代の地デジ放送で予想される機能として、地震速報などの内容から自動で手話CGを生成して画面に表示する機能のデモ展示なども行なっている。

ブース内では12月1日からのBS放送の再編についてもアピールしている