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アドビ、Premiere Pro進化。AIが会話、音楽、効果音、環境音認識しタグ付け

オーディオUIが刷新された

アドビは、Premiere Proのパブリックベータ版をアップデート。オーディオ編集に関連するUIが刷新され、タイムライン上に配置されたオーディオデータを自動でタグ付けして編集が手軽になるほか、フェードなどのトランジションが簡単に追加できるフェードハンドルが追加された。また、テキストスタイル機能も強化されたほか、カラーフォントや絵文字にも対応する。

オーディオタイプの自動タグ付け機能では、AIを活用してタイムライン上にオーディオデータを配置した際に、クリップを自動で会話、ミュージック、効果音、環境音のいずれかに識別してアイコンを表示。アイコンをクリックすることで、オーディオタイプに適したツールにアクセスできるようになっている。

クリップ上にはフェードハンドルも新たに表示され、クリックとドラッグ操作で、従来はエフェクト機能を使う必要があったカスタムオーディオフェード(徐々に音量を上げたり下げたりする効果)が手軽に作成できるようになった。前後のクリップでクロスフェード(前クリップの音量を徐々に下げながら後のクリップの音量を徐々に上げていく)を作ることもできる。

オーディオクリップに波のような表示が、フェードハンドルによるオーディオフェードが適用されている場所

クリップバッジのデザインも一新され、どのクリップにエフェクトがかかっているかを確認したり、新規のエフェクトをすばやく追加したり、エフェクトの設定を調整することも簡単に行なえる。また、「FX」のアイコンを右クリックした際のメニューには「エフェクトを追加」が追加され、選択することでエフェクトパネルが開くようになった。

これまでベータ版で提供されてきた「スピーチを強調」機能は、2月に一般提供開始も決まった。スピーチを強調機能では、収録環境が悪い動画に適用することで、不要なノイズを除去して、会話部分が聴き取りやすくなる機能となっている。

テキストスタイル機能も強化

新しいスタイルブラウザ

テキスト関連機能も強化され、自分で作成したスタイルが一覧で見られる新しいスタイルブラウザが追加。クリックすることで選択中のテキストに適用できる。

一文のテキストに複数のスタイルを適用することも可能になった。例えば「青い空と優雅な休日」という文章の「青い空」と「優雅な」に別のスタイルを適用したい場合、従来は「青い空」「と」「優雅な」「休日」とテキストを切り分けてから、それぞれのスタイルを適用する必要があったが、アップデート後は、一文の中の適用したい箇所を選択してスタイルを選択できるようになる。

一文のテキストのまま複数のスタイルが適応可能に

また、同じスタイルを使用した部分を一括編集できる「スタイルを再定義」機能も追加。スタイルを適用後に例えば、一箇所で色の調整などを行なって、「スタイルを再定義」ボタンをクリックすれば、同じスタイルを提供している箇所の文字色も一括で変更できる。さらに作成したスタイルの書き出しが可能になり、チームメンバーに渡して、別のプロジェクトで読み込んで利用することもできる。

ほかにも、カラーフォントに新たに対応。対応したフォントを選択した際に、フォントに設定されているカラーを読み込めるようになり、簡単に文字色の変更が行なえる。また、カラーフォント内の記号や絵文字も利用可能になる。

macOS限定の機能として、絵文字をフォントとして使用できるようになる。上記のカラーフォント内の絵文字とは異なり、Macの絵文字パッドを呼び出して、フォントとして利用できる。設定から絵文字のスタイルも変更できるため、iOSで馴染みのある絵文字をそのまま動画内に使用することもできるようになる。なお、Windows版については対応検討中とのこと。

macの絵文字を呼び出してフォントとして使用できる