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Brise Audio、アクティブクロスオーバーと12chアンプでイヤフォン鳴らす「ウルトラハイエンドポータブル」

「ウルトラハイエンドポータブルシステム US-001(仮称)

フジヤエービックによるイベント「冬のヘッドフォン祭 mini 2024」が10日、東京・丸の内のステーションコンファレンス東京で開催。事前登録は不要で、だれでも入場できる。各社が新モデルや開発中の試作機などを展示しており、Brise Audioのブースでは「ウルトラハイエンドポータブルシステム US-001(仮称)」が参考出品された。

ケーブルやポータブルヘッドフォンを手掛けてきたBrise Audioが、初めて完全自社開発しているのが「ウルトラハイエンドポータブルシステム US-001(仮称)」。

「ウルトラハイエンドポータブルシステム US-001(仮称)のイヤフォン部分

一見するとイヤフォンだけに見えるが、背後に巨大な基板が接続されており、この基板部分も含めてウルトラハイエンドポータブルシステム US-001(仮称)を構成している。

構成として、イヤフォンの片側に、低域用の8mm LCP振動板ダイナミック型ドライバー×2、中低域用のSonion製BAドライバー×1、中域用のKnowles製BAドライバー×2、高域用のKnowles製BAドライバー×2、超高域用にxMEMS製のMEMSスピーカー×1を搭載。片側8ドライバーの5ウェイ構成となる。

左がDAPなどを接続する入力部分、そこから右へと信号が流れ、イヤフォン出力へと繋がっている

最大の特徴は、この5ウェイのネットワークをイヤフォンに内蔵せず、アクティブクロスオーバーネットワークとして外部に出している事。巨大な基板には4.4mmと3.5mmのアナログ入力があり、そこから差動ラインレシーバー、電子ボリュームへと信号が流れた後、5つの帯域に分割。各帯域ごとにバッファアンプ、アクティブフィルター、パワーアンプが用意され、それでイヤフォンの各ユニットをドライブしている。低域用のパワーアンプは2基搭載しており、バランス駆動。パワーアンプは全部で12ch。

このような構成になっている
アクティブフィルターやパワーアンプなどがソケット式の基板になっているのは、開発時に交換などをしやすくするためだ

Hi-Fiオーディオのマルチアンプ、マルチウェイシステムをイヤフォンで再現したようなシステムで、“アクティブクロスオーバー搭載ポータブルアンプと対応イヤフォンがセットになった製品”というイメージ。ただし、基板とイヤフォンは着脱可能。

巨大な基板では持ち歩く事が困難だが、展示されたものはあくまで開発中のもので、これを持ち運べるサイズの筐体に入るまでコンパクトにする予定。会場には「このサイズの筐体に収納したい」という筐体イメージも展示されている。

このサイズの筐体に収納される予定

今回のイベントでは展示のみで、試聴はできない。しかし、開発は終了しているため、今年の春以降に実機が試聴可能となり、受注も開始する予定だという。価格は未定だ。

イヤフォンとケーブルは着脱可能。ユニットごとに分かれているため、端子が7個もある。なお、指で持っているケーブルは導体に銅を使ったもの、展示機のケーブルは銀を使っている。ケーブルは16芯仕様

なお、ウルトラハイエンドポータブルシステム US-001(仮称)開発までの経緯は、下記の記事でレポートしている。

ブースでは他にも、発売を目指して開発中という、ポータブルアンプ「TSURANAGI」の銀線モデルの元となっている福袋限定モデルが試聴可能。スタンダードモデルとの比較も行なえる。

「TSURANAGI」の銀線モデルと通常モデルも比較試聴も可能

8日に発売されたばかりのモデルで、線材を更新しType-Cも選べるオーディオ向けUSBケーブル「YATONO USB-V2」線も用意されていた。Austrian Audioのヘッドフォン「The Composer」接続用のケーブルなども参考展示している。

「YATONO USB-V2」
Austrian Audioのヘッドフォン「The Composer」接続用のケーブルなども参考展示