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ハイルドライバーと振動ユニットを組み合わせた超小型デスクトップスピーカー「OCT BEAT」

小型デスクトップスピーカーシステム「OCT BEAT」に含まれるスピーカー「VS70」

オオアサ電子は、自社ブランドEgretta(エグレッタ)の新製品として、机など、設置した面を振動させて音を出す振動ユニットと、ハイルドライバーを組み合わせた、小型デスクトップスピーカーシステム「OCT BEAT」を4月26日に発売する。価格はアンプ「MA70」と左右スピーカー「VS70」のセットで71,000円(税別)。小型アンプMA70単品でも36,000円(税別)で販売する。

中央がアンプ「MA70」

左右のスピーカー、ステレオアンプのいずれも、手のひらサイズのコンパクトなスピーカー。アンプとスピーカーはスピーカーケーブルで接続する。Bluetooth機能は備えていない。

使用イメージ

超小型のスピーカーだが、底面に低音用の振動ユニット(アクチュエーター)を搭載。設置した机や板などを振動させる事で、そこから音を出し、スピーカーのサイズを超えた低域を実現する。OCT BEATというネーミングは、本体形状の「8角形モチーフ」と「置かれた素材を振動させる」発音原理に由来している。

底面に低音用の振動ユニット(アクチュエーター)を搭載
設置した机などを振動させて低音を出す

上部には、ツイーターとして独自開発の専用小型ハイルドライバーを配置。ハイルドライバーは、蛇腹のように折りたたんだ薄膜フィルムを横方向に伸縮させて音を出す仕組みで、広帯域でひずみの少ない音質が特徴。このハイルドライバーが35kHzまでの高音域を再生する。

上部にハイルドライバーを搭載

底部の振動ユニットは、置く場所の素材や設置位置を変える事で音色や音の広がりが変化するため、その変化を楽しむスピーカーとしても魅力を訴求している。例えば、製品を梱包していた箱の上に乗せたり、木材などを敷いて使うといった利用も想定している。

箱の上に設置したところ

小型アンプやスピーカーの筐体にはアルミニウム合金を採用。アンプとスピーカーは、バナナプラグのスピーカーケーブルで接続する。スピーカー側のターミナルは縦に配置されており、左右どちらからバナナプラグを挿せる。スピーカーのインピーダンスは8Ω。再生周波数特性は80Hz~35kHz。外形寸法は58×81×66mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は左右合計で584g。

バナナプラグのスピーカーケーブルで左右を接続する。スピーカーケーブルも付属する

アンプのMA70には、1.2MHzキャリア仕様、高品位デジタルパワーアンプを採用。コンパクトながら最大出力は25W + 25Wを実現している。セットが用意されているスピーカー・VS70以外のスピーカーもドライブできる。

適合インピーダンスは4~8Ω。アンプ部には低音、中音、高音のバランスを調整する3バンドイコライザーも搭載する。

アンプのMA70

USB DAC機能も備えており、USB OTGケーブルでプレーヤー機器と接続。PCM 48kHz/16bitまでのデータを再生できる。さらに、ステレオミニのアナログ入力も備えている。外形寸法は58×81×66mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は157g。電源は付属のACアダプターを使用する。

音を聴いてみる

試聴したのでファーストインプレッションをお届けする。

アンプ、スピーカーのどちらも手のひらサイズだが、実際に持ち上げてみるとズシッと重量感があり、アルミニウム合金らしい質感の良さ、剛性の高さも手伝い、高級感がある。「小さなPCスピーカー」というよりも「小さなピュアオーディオ機器」という雰囲気だ。

会議室にあるような机に設置し、DAPのイヤフォン出力を増幅してみると、コンパクトな筐体から想像できない、ゆったりとした低域が感じられて驚く。そして、その量感のある低域の上部に、ハイルドライバーによる非常にクリアで明瞭な高域がプラスされる。

非常に解像度の高い高域で、女性ボーカルの口の開閉、楽器の動きなど、細かな情報まで聴き取れる。ニアフィールドで聴くと、ハイクオリティなヘッドフォンで聴いているかのような明瞭さだ。

非常にコンパクトであるため、机が狭い環境でも、PC用スピーカー、デスクトップオーディオスピーカーとして設置できるだろう。

ユニークなのは、底面のアクチュエーターで加振して振動させるモノによって、音が変化する事だ。

試しに、空き箱のフタに設置してみると、一気に中低域が豊かになり、普通のスピーカーのサウンドに近づく。ただ、箱の剛性が不足していると、少し不明瞭な中低域になる。厚紙の、しっかりした箱に変えると、中低域の量感とクリアさが両立され、さらに良い音になる。

また、響きの良い木材の上に置くと、厚みがありつつ、よりクリアで、音色も良い中低域が得られる。木材を変えて響きがどう変わるかを楽しんだり、天板の材質が違う机に置いて音の違いを確かめたくなる。音が良いだけでなく、探究心が頭をもたげてくるユニークなスピーカーだ。