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ソニー「mocopi」PCアプリが登場。操作&外部連携がPCで完結

mocopiのPCアプリが登場

ソニーは、モバイルモーションキャプチャー「mocopi」のPCアプリを6月13日に公開する。モーションキャプチャー、モーションの保存/プレビュー・送信など、これまでスマホアプリで使えた機能をそのまま使用できる。Microsoft Storeよりダウンロード可能。モーション閲覧機能のみは無料で使えるが、フル機能の使用には月額550円の支払いが必要となる。

従来、mocopiで3Dキャラクターを操作し、PCに取り込んで配信などを行なう場合、スマホアプリの操作と、PC側で連携ソフトの操作がそれぞれ必要だったが、PCアプリを使用することで、全ての操作がPC内で完結するようになる。

PCアプリの画面

とくに外部連携機能では、同じPC内で連携するための項目が新たに設けられ、そこにチェックを入れるだけで簡単にモーションデータを転送できるようになる。これにより、IPアドレスやポートの入力などの設定が必要無くなるほか、スマホアプリからの連携と比較して、遅延もほぼ発生しない状態で連携できる。

同じPC内の別ソフトとの連携はこのチェックマークを入れるだけで簡単に行なえる

また、PCアプリの映像をそのままOBS Studioなどの配信ソフトで取り込んで配信、撮影が可能。背景に「透過」も追加されたことで、グリーンバックの設定を行なうことなく、配信ソフト側に設定した背景に馴染ませることもできる。

グリーンバックの例。透過モードも備える

一方で、mocopi本体からのモーションデータ転送にはスマホが必要となり、新たに送信用アプリ「mocopi link」を用意。Androidの場合は有線と無線、iOSは無線でのみ接続可能(iOS端末の制約により有線接続でデータを取り出すことができないため)で、PCにモーションデータを送る。

PCアプリに表示される案内に従って、mocopi linkとmocopiを接続し、PC側に送信開始することで簡単に接続できる。また、この操作が終わればスマホを触ることなく、PCのみで操作が完結する。

mocopi linkでmocopiと接続
接続方法はPCアプリ上で案内される
設定が完了すればスマホ側はこの画面に
キャリブレーションなどもPC側に
接続完了

従来のスマホアプリは、3Dキャラクターの動きの演算もアプリ内で行なっていたが、mocopi linkについては、動きのデータのみを受信してPC側にバケツリレーのように送信。動きの演算はPC側で行なわれるため、ミドルモデルのスマホでも利用可能という。対応機種など詳細はWebページを参照のこと。

なお、モーションデータの取り込み方法については、ソニーのmocopi開発チームとしても、PCで直接取り込めることが理想と考えており、今後のアップデートでの実現を目指して鋭意開発中とのことだ。

また、PC環境だからこそ実現できる拡張機能の実装も予定。モーションデータのフォーマットは現在BVHのみだが、より様々なソフトで活用できるFBXにも対応を予定しているという。

なおアップデート内容は、6月7日にYouTubeで配信された第2回mocopi開発者トークライブでも取り上げられている。

【#mocopi】第2回 mocopi 開発者トークライブ

センサーのボタンでポーズリセットやポジションリセットが可能に

ポジションリセットでRAYNOSちゃんがワープしている様子

スマホアプリも5月30日にアップデートが行なわれており、従来はアプリ画面から行なう必要があった、「ポーズリセット」と「ポジションリセット」が、手首センサーのボタンを押すことで行なえるようになった。

左手側がポーズリセット、右手側がポジションリセットとなっており、それぞれ、スマホアプリ画面での操作と同じことが行なえる。スマホから離れた位置で収録していたり、HMD装着時などでも手元で簡単に操作できるようになり、すでにユーザーから大きな反響があったとのこと。

なおポジションリセットは、画面の範囲外に出た状態で使うことで、一瞬にしてアバターが画面中央に戻ってくるため、この動きを、配信やコンテンツ制作に活用して笑いを誘うといったことも行なえるそうだ。

センサーボタンでポーズリセット&ポジションリセット

そのほか、センサー接続時の精度が向上。モーションプレビュー時の背景の変更、mocopi以外で収録したモーションファイル(BVH)の読み込みにも対応している。

また開発者向けに、mocopiのセンサーデータを取得できるモバイルSDKアプリと、センサーデータを可視化して6点まで同時のCSV取得が可能なサンプルアプリをそれぞれ公開している。

Animaze by FaceRig連携や動画コンテスト初開催

Webカメラで表情キャプチャやアバターの操作が可能なAnimaze by FaceRigの対応トラッカーにmocopiが追加。連携設定よりmocopiを選択し、IPアドレスやポート等の設定を行なうことで、同ソフト内で表情と身体のトラッキングを合わせた表現が可能になる。

今回の連携を記念し、Animaze by FaceRig内にRAYNOSちゃんのアバター3種がプリインストールされ、自由に使用できる。

また、6月7日から8月9日の期間、ソニーストアにてmocopi本体が5,500円引きになる「クリエイター応援キャンペーン」を実施。

さらに初の試みとして、動画コンテストの開催も予定。応募条件は、mocopiを使用した3分以内の動画。開催日時などの詳細については、WebサイトとRAYNOSちゃんのX(旧Twitter)にて後日発表する。