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ソニーmocopiに“ベータ機能”。太ももにセンサー装着で下半身トラッキング強化

ベータ機能「VR向け下半身優先」

ソニーは、モバイルモーションキャプチャー「mocopi」のアプリをアップデート。開発中の機能を使用できる「ベータ機能」の項目を新たに追加。その第1弾として、HMD装着時に、本来手首に付けるセンサーを太ももに装着して下半身のトラッキング精度を向上する「VR向け下半身優先」設定を追加した。

ベータ機能は、開発途中の機能を事前に公開するもので、mocopi開発チームが掲げているユーザーとともに機能開発を進めていくという目標をさらに加速させるために今回搭載した。

「VR向け下半身優先」設定は、その第1弾で、HMDなどのVR機器と連携してmocopiを利用する際に、トラッキングタイプの選択ができる機能となっている。

HMDとmocopiを連携した場合、手首のトラッキングはコントローラーが行なうため、VRChat使用時などでは、手首のセンサーからの信号は使用されていなかったという。そのため、手首のセンサーを太ももに転用。腕のトラッキングは従来通りのまま、下半身のトラッキング精度が向上され、より正確な脚の動きや、座った体勢が維持できるようになった。

太ももにセンサーを装着することで、座った姿勢を維持しやすくなった
VRChat上などではコントローラーの動きが腕に反映されるが、アプリでは腕の信号がないことがわかる
トラッキングタイプの比較動画

なお、今回は使用例としてVRChatが使われているが、下半身優先のモードはHMDとの連携で使用可能なため、clusterやVirtualCastなどでも同様に利用できるとのこと。

下半身のトラッキング精度については、VRChatユーザーからの要望が多かったほか、アメリカ、中国での販売開始後も多くのユーザーからもっと高精度になってほしいという意見が多かったため、ベータ機能としていち早く機能を公開し、ユーザーの反響を得ることで機能のさらなる向上を図るとしている。

また、今回の機能に合わせて、太ももにセンサーを装着するための拡張バンドも新たに用意。mocopiユーザーへの配布を予定しており、10月下旬頃に案内するとのこと。

上の2本が拡張バンド、下が通常の手首用バンド
貼り付けて拡張する
膝の上辺りに装着する

ベータ機能については、今後もトラッキングタイプが選択できる機能を中心に追加予定としている。

フォト背景機能や全画面表示、個別のセンサー再接続などアップデートも

フォト背景機能や全画面表示機能も搭載

ベータ機能のほかにも、アプリでは様々なアップデートを実施。背景にスマホ内の画像やカメラ画像を選択できるようになったほか、アプリの全画面表示に対応。

全画面表示は、ビデオ撮影画面やモーション送信画面で、メニューやボタンを非表示にする機能で、シングルタップ、ダブルタップ、長押しなどで解除できる。

センサーの通信が切断された場合に、従来は全てのセンサーを接続し直す必要があったが、切断されてしまったセンサーだけを個別に再接続できるようになった。

さらに、キャリブレーションの案内も改善。トラッキング精度をより高くするために、キャリブレーションの結果をわかりやすくフィードバックする画面が追加された。

そのほか、モーションのフレームレート変更(デフォルトは50fps)、モーション伝送時に画面を暗くする機能、「カメラを固定」有効時にアバターの位置や回転を調節できる機能などが追加された。

また、mocopiが2023年グッドデザイン賞を受賞。ソニーストアでは、mocopiを5,500円 OFFで購入できる購入応援キャンペーンも実施する。mocopiの公式アバターRAYNOSちゃんのオリジナル楽曲「mocopi体操」も公開が決定し、楽曲公開までに豪華スタッフが集合したという作詞/作曲家情報などを順次公開していくとのこと。