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FOSTEX、新開発6.5インチHRウーファー搭載のモニタースピーカー
2024年8月9日 14:30
フォスター電機は、新開発ウーファーとツイーターを搭載した新型モニタースピーカー「NF06」を8月下旬より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は277,200円前後(1台)。
エンジニアやアーティストから高い評価を得た「NF-1」を原点とするNFシリーズの伝統と、長年に渡るプロ用モニタースピーカーの開発を続けて蓄積した技術により誕生したという、ニアフィールド・モニタースピーカー。プロスタジオ向けとして、現在の音楽制作で求められるリファレンス性能を徹底追求したという。
NF06用に新開発した6.5インチのウーファーユニットは、HR振動板の採用により分割振動による特定周波数のピークを分散。固有音を排除するとともに、軽量でありながら高剛性を確保しすることで高解像度かつスピード感のある低域再生を実現した。
HR振動板のHR(HP ROTATION)とは、建築構造力学の分野で知られているHP(HYPERBOLIC PARABOLOIDAL)形状の改善を図るために、円周方向に回転を加えたもの。この形状は内部応力として剪断力のみ働き、曲げ応力が働かないため、軽量で高剛性が得られる。また、分割振動による共振を分散する優れた特性の振動板を実現できるため、既発の「NF04R」や「RS10A」などのプロ用モニタースピーカーのウーファーに採用してきた。
振動板材料は、木材パルプと非木材パルプを最適な比率で組み合わせたベース材と超高弾性カーボン・ファイバーやPBO、セルガイヤパルプなど高機能材によるハイブリッド構成で最適化し抄造。ウーファーの振動板として理想の剛性と内部損失を備え、金属系振動板に迫る伝播速度を実現した。
磁気回路は、振動系の振幅を安定させるため、よりフォースファクターの変化が少ない設計。微小信号入力時から大入力時まで変化の少ないリニアな追従性を確保し歪の発生を抑制するとともに、ポールピースに銅キャップを配置することで電流歪も低減している。
エッジは、UDRタンジェンシャル形状を採用。UDRはUp/Down Roll Tangential edgeの略で、アップロールとダウンロールをタンジェンシャル面で結合した構造。HR振動板と共にフォステクスのプロ用モニタースピーカーのウーファーに採用している。
1インチのドームツイーターは、振動板の材料にチタンを採用しリッジドーム形状で成型。最適化された形状のデフューザーと相まってクリアで高解像度なモニター環境を提供する、という。
リッジドーム形状は、ボイスコイルからドームの頂点までの距離を一定にしないことで共振を分散。金属振動板ならではの高速レスポンスを実現しながら、カラーレーションの原因となる固有共振を分散する構造とした。また、磁気回路はショートタイプのボイスコイルを採用し磁場から外れない設計とすることで、耐入力の向上と低歪で追従性に優れた高精度な高域再生を実現している。
エンクロージャーの材料にはMDFを採用し、ウーファーとツイーターの前後位置は入念な試聴のうえタイムアライメントを調整。
ウーファーのバッフル下部に設けたバスレフポートから放射される低音は、スタジオのスピーカースタンドへの設置時にスピーカー背面側の壁面などの影響による低域の不要な変化を抑制。現場の使用環境に配慮したエンクロージャー設計で、レスポンスに優れ明瞭な低域からシャープで見通しの良い高域まで正確な情報量による音像を再現するという。
再生周波数帯域は、40Hz~35kHz。出力音圧レベルは、84.5dB/W(1m)。インピーダンスは8Ωで、最大入力100W。クロスオーバー周波数は、1.6kHz(-12dB/oct)。外形寸法は、238×271×400mm(幅×奥行き×高さ)。重量は9.8kg。