NECエレとルネサスが事業統合。世界3位の半導体会社に
-2010年4月に統合。システムLSIの開発最適化なども
4月27日発売
NECエレクトロニクス株式会社と株式会社ルネサステクノロジは27日、事業を統合する方向で、統合に関する協議を開始することで合意したと発表した。
両社は、2010年4月1日をめどに事業を統合を進め、2009年7月末をめどに事業統合のための契約を締結予定。統合後の新会社の上場を維持することを前提とする。
NECエレクトロニクスは2002年にNECから分離独立、ルネサステクノロジは2003年に日立製作所と三菱電機から分離独立する形で設立された半導体専業会社。両社では、「世界的な半導体市場の競争が激化する中、より一層の経営基盤と技術力の強化を図り、顧客満足のさらなる向上を通じて、企業価値の増大に努めることを目指し、事業統合の検討開始に合意した」とする。
新会社の社名や、所在地、役員構成などは今後の協議によって決めるが、「マイコン」、「システムLSI」、「個別半導体」の3つの製品群を持ち、半導体全体で世界第3位の会社となる。統合後は、いずれの分野でも開発プロジェクトの選択と集中を進め、グローバルに高い競争力を持つ製品群の育成に力を注ぐとしている。
マイコン分野では世界1位、2位の事業統合となり、全世界ベースで競争力ある製品を持つこととなるという。システムLSIについては、NECエレがデジタル民生機器向けのソリューションに、ルネサスが携帯電話や自動車向けに強みを持つため、それぞれの強みを一層強化するような開発リソースの選択と集中を行なう。
個別半導体事業については、マイコンと相乗効果のあるアナログ・ディスクリートの開発を強化してく方針。
両社は、それぞれが決定済みの構造改革を着実に進めて、経営体質を改善。その上で、両社を統合することで相乗効果を引き出し、収益力を向上。市況変動に負けずに安定的に高収益を確保できる「力強い半導体専業企業」の構築を目指し、検討を進めていくという。
(2009年 4月 27日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]