パナソニックによる三洋子会社化が遅れ、4月以降に

-独占禁止法に関する手続きがネックに


2月27日発表

 

2008年12月19日に行なわれた会見で中継されたパナソニックの大坪文雄社長(左)と、三洋の佐野精一郎社長(右)

 パナソニック株式会社は27日、三洋電機の子会社化に向けた株式の公開買い付けに関する進捗状況を発表。国内外の独占禁止法などに関する手続きや対応に時間がかかり、子会社化の時期が不透明であることが明らかになった。

 両社は2008年12月19日に資本業務提携契約を締結。公開買付により、パナソニックが三洋の総株式の完全希薄化後における議決権の過半数を取得し、子会社化する計画を発表している。その際、「進捗状況を2009年2月を目処に報告する」としており、今月中にも子会社化の具体的な時期が明らかにされると思われていた。

 しかし、今回の発表も「競争法に基づき、日本、米国、欧州、中国、その他各国で必要な手続及び対応を進めている。公開買付けは国内外の競争法に基づき必要な手続及び対応を終えた後、可能な限り速やかに実施する」という内容にとどまっており、具体的な子会社化時期は明らかにされず、競争法に関する各種手続きに時間がかかっている模様。今後の進捗状況に関しては「4月下旬を目処にお知らせする」としている。

 2008年12月に発表された株式買付価格は普通株式1株あたり131円。三洋電機の現在の大株主である3社からは、買付けへの応募が予定されており、3社が有する優先株を普通株式に換算すると議決権の約70.5%相当(約5,671億円)となるため、3社が応募すれば買付けは成立する。

 両社は提携により、特にソーラー(太陽電池)事業、二次電池事業(モバイルエナジー)の強化を見込んでいる。また、三洋電機をパナソニックグループの一員とすることで、三洋電機の資材購買などの全社調達コストの削減やロジスティックス関連コストの削減を図る狙いもあり、パナソニック独自のコスト削減ノウハウを三洋電機に導入することで、経営体質の強化を実現するという。


(2009年 2月 27日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]