東芝モバイルディスプレイ、中国の液晶製造会社に出資

-停止中のアモルファスラインを合弁会社に売却


8月5日発表

 

 東芝モバイルディスプレイ株式会社(TMD)は5日、中国広東省の液晶モジュール生産・販売会社である河源青雅電子科技有限公司(河源青雅)、フラットパネルディスプレイ関連事業を手掛ける香港・恵高ホールディング有限公司(恵高)と共に、中小型液晶ディスプレイの製造・販売を行なう新会社を合弁で設立することで合意した。

 社名は河源雅芝顕視科技有限公司(仮称)。資本金は1億米ドル(約95億円)で、河源青雅が58%、TMDが19.9%、恵高が22.1%を出資。広東省河源市にある河源青雅の工場内にクリーンルームを建設し、TMDが日本で保有するアモルファスシリコン液晶製造ラインを売却・移設、技術援助も行なう。合弁会社では携帯電話用を中心とした中小型のアモルファスシリコン型液晶ディスプレイの生産・販売を2010年上期から開始する予定。

 TMDでは現在、低温ポリシリコン液晶事業へ集中しており、複数のアモルファスシリコン液晶製造ラインが停止されている。これを合弁会社に売却するとともに、生産・製品技術支援を行なうことで、「これまで蓄積してきたアモルファスシリコン液晶の資産活用を図る」という。

 河源青雅は現在液晶モジュールの製造を行なっているが、TFT液晶セルは外部調達しており、新会社設立により液晶ディスプレイの内製化が実現できる。また恵高グループは、フラットディスプレイ関連材料・製品・設備の販売中心に事業展開しており、新会社への出資により製造領域まで事業を拡大することを目指しているという。


(2009年 8月 5日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]