STMicro、携帯機器向けの新IF「Mobility DisplayPort」

-1080pの映像伝送と機器充電を1つの端子で実現


 スイスのSTMicroelectronicsはST-Ericssonと協力し、DisplayPortと互換性のあるモバイル機器向けの新インターフェイス規格「Mobility DisplayPort」(MYDP)を発表した。スマートフォンやタブレットPC、携帯ゲーム機などから、DisplayPortを備えたディスプレイやテレビなどに1080pの映像と音声を伝送すると共に、携帯機器の充電も行なえるという。

 STMicroelectronicsは、MYDPの標準規格化に向け、VESA(Video Electronics Standards Association)に企画案を提出している。

 MYDPの特徴は、DisplayPortと互換性を維持しながら、スペースが限られたモバイル機器向けに特化して設計されている事。新しいサイズや形状のコネクタが作られるわけではなく、既に多くのモバイル機器で使用されているコネクタを使い、そこにMYDP規格としてのデータなどを伝送する形になる。

 データ転送だけでなく、AV出力、充電などが1つの端子で行なえるため、モバイル機器の接続機能に必要な実装面積を最小化できるとしている。出力可能な映像は最大1080/60Hz、音声は192kHzの7.1chまで伝送可能。DisplayPortの拡張性を使って実現しており、AVストリームを1個の差動ペア(レーン)にマッピング。サイドバンド・チャネル信号(AUX_HPD)が、DisplayPortのサイドバンド・チャネル信号を伝送する。AUX CH差動ペア(AUX CH+およびAUX CH-)とHPDを1個のピンで伝送するという。

 なお、DisplayPortはオープンかつ使用料無料の規格だが、MYDPも「リビング・ルームにおいて高性能な携帯型機器内のコンテンツを楽しむことを可能にする、オープンかつ使用料無料の技術」(STMicroelectronicsホーム・エンターテインメント・ディスプレイ製品グループ Luigi Mantellassiバイスプレジデント)になるという。

 STMicroelectronicsとST-エリクソンは今後、MYDPの普及をサポートするため、対応製品の発表を予定。最初のサンプル出荷は2011年第3四半期を予定している。


(2011年 2月 17日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]