エプソン、Wireless HD強化した3Dプロジェクタ「TW8100W」

新3Dメガネで明るい3D。実売20万円のTW6100も


EH-TW8100W

 エプソンは、3D対応のフルHD液晶プロジェクタ4モデルを10月17日より順次発売する。0.74型の透過型高温ポリシリコン(HTPS)TFT液晶パネルを採用した「EH-TW8100W/TW8100」と、0.61型パネルを採用した「EH-TW6100W/TW6100」をラインナップ。価格はオープンプライスで、直販価格は199,980円~329,980円。

 '11年発売のEH-TW8000W/8000、EH-TW6000W/TW6000をリニューアルし、画質向上やRF方式の3Dメガネの採用などの改善を図った。また、型番末尾に“W”が付くWireless HD対応モデルもラインナップ。Wireless HDの入力を5系統(従来は1系統)まで増やし、接続可能な機器を増やしている。

 また、上位シリーズのTW8100W/TW8100はレンズシフト機構も備えている。


型番Wireless
HD
レンズ
シフト
スピーカー発売日直販価格
EH-TW8100W-10月17日329,980円
EH-TW8100-299,980円
EH-TW6100W-11月30日229,980円
EH-TW6100-199,980円
EH-TW8100EH-TW6100WEH-TW6100
EH-TW8100EH-TW6100

■ 新HTPSパネルで3D対応。上位機はレンズなどで高画質化

Bright 3D Driveを搭載

 上位モデルのEH-TW8100W/TW8100は、0.74型/1,920×1,080ドットの3D対応のC2FINE HTPS液晶パネルを採用。輝度は2,400ルーメン、コントラスト比は32万:1(従来モデルは20万:1)。

 EH-TW6100W/TW6100は、0.61型/1,920×1,080ドットの3D対応HTPS液晶パネル。輝度は2,300ルーメン(TW6000は2,200ルーメン)、コントラスト比は4万:1。

 TW8100/TW6100系ともに、480Hzのパネル駆動技術「Bright 3D Drive」を搭載し、フレームシーケンシャル方式の3D表示に対応。光学エンジンの最適化と新3Dメガネの採用により、3D時の明るさを約15%向上している。また、TW8100シリーズでは、従来2Dのみだったオートアイリスが3Dで利用可能になった。


セイコーエプソン VI企画設計部 小西正祐部長が新モデルの特徴を説明

 ランプはともに230WのE-TORL。3Dメガネ「ELPGS03」も1台付属。新たにRF方式(Bluetooth)となり、遮蔽物の影響を排除し、最大10mの広範囲で安定した3D信号受信が可能となった。アクティブシャッターメガネの標準規格「フルHD 3Dイニシアチブ」に準拠する。バッテリを内蔵し、最大40時間の利用が可能となる。重量は35g。「ELPGS03」の単品販売も行ない、価格は10,500円。


新開発の3Dメガネ
天吊り設置例。EH-TW8100はレンズシフトを搭載

 TW8100W/8100は2.1倍ズーム(F2.0-3.7)レンズを搭載。上下96%、左右47%の広範囲レンズシフトを搭載し、幅広い設置シーンに対応可能。また、NewエプソンシネマフィルタやDeepBlack技術も搭載する。投写画面サイズは30~300型。

 TW6100系は、背面端子を囲うように10W×2chのスピーカーを内蔵。単体で映像だけでなく音楽を1台で楽しめる。レンズシフトは備えていないが、縦30度、横30度の台形補正機能を備えている。

 TW8100系のほか、TW6100系でも2D-3D変換技術を新搭載。また、全モデルで新たに3D奥行き調整に対応したほか、超解像技術も搭載する。


レンズシフトの搭載などで設置性に配慮

■ Wireless HDに対応。トランスミッタは5系統のHDMI入力

Wireless HDアダプタ

 EH-TW8100W/6100Wのみの特徴が、Wireless HDを使ったプレーヤーとプロジェクタ間の非圧縮無線映像伝送。TW8100W/TW6100Wには、Wireless HDトランスミッタが付属。これをBDプレーヤー/レコーダなどのHDMI出力に接続することで、プロジェクタ側に非圧縮で映像/音声を伝送できるため、プロジェクタ/プレーヤー間の配線が不要になり、ケーブルを天井や床に這わせずに利用できる。ただし、Wireless HDトランスミッタ側に電源接続が必要。

 '11年モデルからの進化点はHDMI入力数を従来の1系統から、5系統まで増やしたこと。出力は従来同様に1系統。パススルーにも対応しているため、プレーヤーにHDMI出力が1系統しか無くてもテレビとプロジェクタ利用を切り替えできる。また、3Dメガネ充電用のUSB端子を側面に装備する。光デジタル音声出力も追加されている。トランスミッタの外形寸法は175×128×54.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量は450g。


Wireless HDアダプタ側面にも1系統のHDMI入力とメガネ充電用USB電源と光デジタル音声出力
背面Wireless HD化の利点5系統のHDMI入力対応で他の機器との同時利用が可能
Wireless HDモデルのリモコン

 本体側の入力端子はHDMI×2、D-Sub 15ピン×1、コンポーネント×1、コンポジット×1。TW8100W/8100にはトリガー端子を装備、TW6100W/6000はUSB×1とアナログ音声×1を装備する。

 Wireless HDモデルにはインターフェイスカバーが付属。Wireless HD接続で天吊り時などに使用しないインターフェイス部を覆うカバーで、端子の露出を控えてすっきりとしたデザインでプロジェクタを設置できる。

EH-TW8100の背面EH-TW6100の背面インターフェイスカバー

型番EH-TW8100WEH-TW8100EH-TW6100WEH-TW6100
3D対応
パネルサイズ0.74型0.61型
解像度1,920×1,080ドット
レンズ2.1倍ズーム(F2.0-3.17)1.6倍ズーム(F1.51-1.99)
レンズ
シフト
-
Wireless HD--
輝度2,400ルーメン2,300ルーメン
コントラスト比32万:14万:1
スピーカー-
動作音22dB(最少)24dB(最少)
消費電力357W372W
外形寸法466×395×140mm420×365×137.3mm
重量8.6kg8.4kg6.2kg6kg

■ 明るい3Dを訴求。カジュアルシアター市場急拡大

エプソン販売 中野 販売推進本部長

 エプソン販売 取締役 販売推進本部長の中野修義氏は、2012年度の国内市場見通しや、エプソンのシアタープロジェクタ戦略について説明した。ホームプロジェクタ市場の規模は、10万円以下のカジュアルシアターが約26,000台、リビングシアターが約4,000台、本格派シアターが16,000台と見込む。

 「年々減少してきたが家庭用プロジェクタだが、昨年から今年('12年度)にかけて大きく成長し、約270%の成長の見込み。その成長要因が“カジュアルシアター”。昨年度は2,000台のマーケットだったものが、26,000台程度になる」と大幅な市場拡大を見込む。

 カジュアルシアターの大きな伸びの要因は、同社のEH-TW400。1年間で13,000台の販売を目指していたが、2月の発売から8月までの累計ですでに12,000台を突破。'12年内で18,000台の販売を見込む。これにより、カジュアルシアター市場が拡大。特に新規のユーザーが増えているという。本格シアターについても3Dや高画質を軸とし、買い替え需要を中心に、シェア拡大を図る。

2012年度ホームプロジェクタ市場の見通し'12年度に市場が大幅に拡大EH-TW400がカジュアルシアター市場を創出

 カジュアル、本格シアターともに、エプソンのプロジェクタは「明るい3D」を訴求。EH-TW8100W/TW8100やTW6100W/TW6100とともに、11月30日に発売予定のEH-TW510をカジュアルシアター向けに積極展開し、本格シアター市場でシェア60%、カジュアルシアター市場では2013年度に'12年度比で1万台増の36,000台を目指す。

カジュアルシアターは新規購入者が多い明るい3Dを訴求本格シアター市場でシェア60%へ
エプソン販売 VP MD部 久保厚部長

 エプソン販売 VP MD部 久保厚部長は、販売戦略について説明。明るい3Dや設置自由度、豊富なラインナップなどを武器に、体感型イベントなどでプロジェクタの魅力を訴求していくという。

 体感型イベントとして、11月23日から29日まで、東京スカイツリータウンのイーストタワー5階「スペース634」で、各モデルを紹介。3Dの魅力などをアピールする。今回発表のEH-TW8100W/TW8100/TW6100W/TW6100とEH-TW510の5モデルの販売目標は、今後1年間で12,500台。


3Dなどを中心にプロモーション体験イベントを実施する年間12,500台の販売を見込む

(2012年 10月 3日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]