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ソニー、4Kテレビ向け画質の「CREAS 5」搭載BDレコーダ

スマホ転送や録画番組検索も強化。リモコンは小型に

トリプルチューナ/2TB HDDの「BDZ-ET2100」

 ソニーは、Blu-ray Discレコーダの新モデル5製品を11月16日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は2TB HDD/トリプルチューナ搭載の「BDZ-ET2100」が11万円前後。そのほかの3モデルは55,000円~9万円前後。

 主な特徴は、上位モデル「BDZ-ET2100」と「BDZ-ET1100」に、高画質回路の最新バージョン「CREAS 5」を搭載し、4K対応テレビ向けの高画質化などが行なえる点。また、スマートフォン連携も強化しており、新たにDRモードで録画した番組もXperia Z1へフルHDでのストリーミング/おでかけ転送が可能になった(E510はおでかけ転送非対応)。そのほか、リモコンのボタンレイアウトやメニュー画面などの見直しで、使い勝手の向上も図っている。

型番HDDチューナ数CREAS 5店頭予想価格
BDZ-ET21002TB311万円前後
BDZ-ET11001TB9万円前後
BDZ-EW11002-75,000円前後
BDZ-EW510500GB65,000円前後
BDZ-E510155,000円前後
BDZ-ET2100
BDZ-ET1100
BDZ-EW1100
BDZ-EW510
BDZ-E510

ET2100/ET1100は「CREAS 5」で4Kテレビ向けモードも

CREAS 5により16bit相当の階調表現を可能にした(画像はイメージ)

 '12年9月に発売されたBDZ-ET2000/ET1000/EW2000/EW1000/E500の後継モデル。なお、最上位モデルである「BDZ-EX3000」は継続販売される。

 トリプルチューナ搭載の上位2機種「BDZ-ET2100」(2TB)と「BDZ-ET1100」(1TB)は、高画質回路として最新の「CREAS 5」を搭載。階調表現は従来バージョンCREAS 4の14bit相当から、現在の最上位モデルBDZ-EX3000に搭載されている「CREAS Pro」と同じ16bit相当に進化した。

 EPGのジャンル情報に応じて画質を自動調整する機能も強化。従来モデルでも映画、アニメのジャンル情報を元に自動調整を行なっているが、これらの自動調整の精度を向上させたほか、新たにスポーツ/ドラマ/音楽のジャンルにも対応した。スポーツは動きの速いシーンで発生するノイズを除去。ドラマは、人物の顔がアップになるシーンでもよりきれいに出せるようにするという。また、音楽は、ライブなど背景が暗いシーンでも、質感や臨場感を上げるような処理を行なう。

 現在の最上位モデルBDZ-EX3000は“4K対応テレビに最適なブルーレイ”として打ち出しているが、このラインナップに新モデルのET2100やET1100も加えていく。

「4Kテレビ」モードを採用

 さらに、「4Kテレビ」モードも新たに搭載。「かんたん設定」のモニター別プリセットとして「4Kテレビ」の項目を採用したほか、カスタム設定として「BDシネマ 4K」のモードを追加した。4K対応テレビに接続した際に、CREAS 5で4K向けにチューニングしてフルHD映像を表示するモードを搭載した。「おすすめ設定」では「BDシネマ(4Kテレビ)」と「BDシネマ(4Kプロジェクタ―)」のモードも設定できる。なお、EX3000のCREAS Proとは異なり、4Kアップコンバート機能は搭載しない。

 現在の放送波やBDソフトの絵作りはフルHDテレビ向けに寄ったものになっていることから、高精細な4Kテレビに表示すると輪郭部分などがやや膨張して感じられることがある。このため、CREAS 5の4Kテレビ向け処理では、過度な輪郭強調を抑え、より自然な形で表現。また、精細感を高めて、フルHDながらオリジナルに近い形で4Kテレビに出力するという。

 なお、既存モデルのEX3000に搭載されていてET2100/ET1100に無いものは、4Kテレビ向けのカスタム設定「シネマFL 4K」や、本体の「アルミ天板」、「偏心インシュレーター」、2つのHDMI出力端子による「HDMI AV独立ピュア出力」機能、「新映画画質モード」(ハイレゾ/ノーマル)。このため、EX3000は引き続き「4K対応BRAVIAにベストマッチする最上位モデル」として販売される。

 EX3000の開発で培った高音質化機能もET2100/ET1100に搭載。テレビの内蔵スピーカーでバーチャル7.1chサラウンドを再現する「S-Force フロントサラウンド」や、圧縮音声で失われた音を再現して奥行き感や立体感を表現する「ハーモニクスイコライザー」、アンダースピーカー搭載テレビ向けの「テレビ音声位置補正」の3つを備えている。

DRモード番組もフルHDでXperia Z1に「おでかけ転送」

スマートフォンのXperia Z1

 スマートフォンとの連携機能では、ET2100/ET1100/EW510の3モデルがXperiaスマートフォン/タブレットへの「ワイヤレスおでかけ転送」に対応。転送には、BDレコーダコントロール用のアプリ「RECOPLA」を利用する。全モデルにEthernetを装備するほか、ET2100とET1100は本体に無線LANも内蔵する。「ソニールームリンク」(DLNA/DTCP-IPサーバー)にも対応。内蔵HDDだけでなく、USB HDD内の番組も、別室のテレビやスマートフォン/タブレットなどの対応機器に配信できる。

 新たにDRモードで録画した番組を、ソニーモバイル製の最新モデル「Xperia Z1」にフルHDでストリーミング伝送/おでかけ転送(E510を除く)可能になった。従来の同社レコーダでは、ストリーミング再生が1,280×720ドット、おでかけ転送が640×480または320×240ドットだったが、レコーダ新モデルとXperia Z1との組み合わせでは、DRモードを含む全録画モードでHDDに記録した番組をZ1に最高1,920×1,080ドットで転送できるようになった。なお、Xperia Z/A/ULや、Xperia Tablet Zとの組み合わせでは、DRモード以外で録画した番組のみフルHD転送が可能となる。

 XperiaにフルHDで転送する場合は、Xperiaのムービーアプリ設定画面で「フルHD」または「従来画質」を切り替えられる。フルHDで1時間の番組をおでかけ転送した場合の転送時間は、DRモード番組で約48分、AVC長時間のERモードでは約4分となる。

録画モード1時間番組の
転送時間
DR48分
XR32分
XSR22分
SR16分
LSR8分
LR6分
ER4分

録画番組の検索性を向上。「もくじでジャンプ」の複数まとめ再生も

 ユーザーの好みを学習しながら自動録画する「おまかせ・まる録」も搭載。同じ番組を重複して録画しないようにする「二度録り回避」や「あいまいワード検索」、フォルダ分類する「おまかせフォルダ作成」も利用できる。「二度録り回避」は、新たにON/OFFの選択が可能となった。これにより、ドラマなどで通常の放送と再放送を両方録画することも可能になった。

 再生時の新機能として、録画履歴や最新録画情報から「人名」や「番組名」を選んで再生できる「かんたん検索」に対応。文字入力することなく、リスト表示された項目から選んで目的の番組を視聴できる。番組名だけでなく、番組内のコーナーやCMも探せる。内蔵HDD、USB HDDを区別することなくシームレスに検索可能。

タイトル/コーナー検索画面(よく録る人名)
検索結果(タイトル)
番組内のコーナーやCMも検索結果で確認可能

 また、録画した番組中の任意のコーナーを即座に頭出しできる「もくじでジャンプ」も進化。もくじを複数選択して一度にまとめて視聴できるようになり、例えば音楽番組で好きなアーティストの部分だけを連続再生で楽しむといったことも可能となる。

 付属する「らくらくリモコン」は、持ちやすさとボタンの押しやすさを重視して、従来のリモコンからの小型化とボタン数の削減を行なった。リモコンのサイズは'12年秋モデルの220×50mm(縦×横)から、165×42.5mm(同)になり、10キーなどのボタンをスライド式カバーの内部に収納する方式へ変更。ボタン数は従来の62個から36個(カバー内部のボタンを除く)になった。10キーによるテレビ操作は従来と同様に行なえる。

もくじでジャンプのコーナー選択画面で複数を選択
歌番組で、好きなアーティストの映像だけまとめて連続再生することなどが可能
付属のらくらくリモコン
リモコン下部のカバーを開くと10キーなどを利用できる
らくらくスタートメニュー画面

 従来機にも搭載されている「らくらくスタートメニュー」は、アイコンのカラーをイラスト化しており、「取扱説明書を見なくても、買ってすぐに迷わず使える」としている。

 別途チューナを利用した「スカパー! プレミアムサービスLink」録画や、CATV LAN録画に対応。Webアプリの「CHAN-TORU」を使ってスマートフォンからのリモート録画予約も可能。PlayStation 3用の地デジチューナ「torne」とLAN経由で連携する「レコ×トルネ」にも対応する。インターネット動画サービスは、アクトビラやTSUTAYA TV、T's TVなどに対応する。

 BD部は、全機種BDXLディスクへの記録やBlu-ray 3D再生に対応。HDDからBDへのムーブバックも行なえる。HDMI出力を1系統備えるほか、コンポジット映像入力×1、アナログ音声入力×1を装備。E510を除く4モデルは光デジタル音声出力も1系統備える。USBは前面と背面に各1系統搭載。USB端子に接続したデジタルカメラやビデオカメラからの取り込み/編集/書き出しにも対応する。

 消費電力は、ET2100が31W(瞬間起動ONの待機時約22W)、ET1100が30W(同約21W)、EW1100が25W(同約17W)、EW510が25W(同約16W)、E510が23W(同約15W)。スタンバイモード「低消費待機」時はいずれも0.04Wとなる。年間消費電力量は、ET2100/ET1100が約25.6kWh/年、EW1100が約22kWh/年、EW510が約21.3kWh/年、E510が20.5kWh/年。

 外形寸法は、ET2100/ET1100が430×294×46.5mm(幅×奥行き×高さ)、EW1100/EW510/E510が430×244×46.5mm(同)。重量は、ET2100が約3.5㎏、ET1100が約3.3kg、EW1100/EW510/E510が約2.7kg。

BDZ-ET1100の背面
ET1100(左)とEW1100(右)は奥行きが約5cm異なる

書換え型の3層BD-REも発売

BD-RE 5枚入りの「5BNE3VBPS2」(左)と1枚入り「BNE3VBPJ2」(右)

 録画用BDXLメディアの新製品として、3層/100GB記録の書換え型BD-RE 2モデルを11月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は1枚入り「BNE3VBPJ2」が1,700円前後、5枚入りの「5BNE3VBPS2」が6,000円前後。いずれも記録速度は2倍速。なお、新製品の発売に伴い、従来モデルの追記型BD-R XL「BNR3VAPJ4」は生産完了となる。

(中林暁)