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Beyond Smart TVを目指すパナソニック。4Kウェアラブルカメラ

Life+ Screenでテレビ体験を革新。4KはBtoB展開

パナソニックの北米代表であるジョセフ・テイラー常務役員

 パナソニックは、米ラスベガスで開催中の2014 International CESにおいて、個人向けテレビの新機能として、「Life+ Screen」を発表。同機能を搭載した液晶テレビAX800シリーズなど11機種を、今年春から米国市場で発売する。AX800シリーズは4K対応で、65型「TC-65AX800U」と58型「TC-58AX800U」をラインナップする。

 Life+ Screenは、好みに応じて多様なコンテンツをシームレスにつなげて表示し、次世代家庭用ディスプレイにおけるグラフィックユーザーインターフェースと位置づける「my Stream」や、自動起動して情報を表示する「Info Bar」などで構成。パーソナライズ機能を進化させたのが特徴だ。

Life+ Screen機能を搭載したAX800シリーズ
Life+ Screenは、「Beyond Smart TV」を掲げる

 Life+ Screenは、「Beyond Smart TV」を掲げ、従来のスマートテレビでは実現できなかった数多くの機能を搭載。「人々の暮らしのいまと、将来を見つめ、テレビのあるべき姿を再考した」としており、顧客体験を広げ、新たなライフスタイルを提案する機能としている。

 電源をオンにすると、個々のユーザーの好みに応じたコンテンツを表示。リモコンの「My Button」を押し、視聴中の番組が好みであることをLife+ Screenに知らせることできる。また、その情報をもとに、お勧めコンテンツを表示。人気や視聴実績だけに留まらず、独自の「お薦めアルゴリズム」によって、より適切なコンテンツを表示できるようにした。

 また、my streamでは、個人ごとのチャンネルを用意。ケーブルテレビや地上テレビ放送、VODサービスといった多様なコンテンツをシームレスにつなげることで、お気に入りコンテンツを、ひとつの画面に表示することができる。利用者は、コンテンツ元を気にせず、録画コンテンツやホームビデオ、家族写真、ウェブサイト、オンラインビデオなどを、my streamのインターフェースを通じて視聴することが可能になる。

 さらに、音声認識および音声ナビゲーションを搭載。リモコンやスマートフォンに向かって、「my stream」というだけで、個人ごとのmy stream画面が表示される。検索したいコンテンツもテレビに向かってしゃべるだけで、簡単に検索が可能だ。

my streamはコンテンツ元を問わずにシームレスに表示

 また、誰かが近づくと、時間や日付、天気などの情報を表示する「Infor Bar」が起動する。さらに、内蔵カメラによって近寄った人物を特定し、その個人向けのビデオメッセージなどの各種情報や、お薦めコンテンツを表示することもできる。

 「便利な日常の情報ディスプレイとして進化させた」としている。

 加えて、クラウドサービスである「my home Cloud」により、スマートフォンやPCと、情報やコンテンツをシームレスに共有できる。職場で見たお気に入りのオンラインビデオを、帰宅後にリビングルームにあるmy stream画面に表示するといった使い方が可能になる。

 Life+ Screenは11機種に搭載し、今年春から米国米市場で導入する計画だ。

 また、パナソニックでは、4Kウェアラブルカメラを開発していることを明らかにした。2014年度上期に発売予定の4Kウェアラブルカメラは、スポーツや日常生活において、身につけてハンズフリーで撮影でき、よりリアルな追体験が可能になるという。

開発中の4Kウェアラブルカメラを公開した
パナソニックは4K技術をあらゆる業種に展開する

 一方、ビジネス分野向けの4Kソリューションを発表した。

 20型4Kタブレットのハイスペック版であるパフォーマンスモデルを追加。インテル社の Core i7 vProを搭載し、三次元CADデータなどを快適に扱えるという。

 また、4Kセキュリティとして、4Kディスプレイを活用したフルHDセキュリティカメラによる監視業務を提案。多画面表示状態で個別の画面をより精細に見ることが可能になる。

 そのほか、4K対応の高精細プロジェクタや、開発中の4K業務用カメラレコーダも発表し、同社ブースで展示する予定を明らかにした。

 4Kの最大の特徴とする「高精細による情報量の多さ」と「映像のリアリティ」を活かすことで、様々な顧客に対して新たな価値を提供するという基本コンセプトに基づき、業種、業界に対応する4Kソリューションを提案するという。

 パナソニックの北米代表であるジョセフ・テイラー常務役員は、「コンシューマで培った技術をもとに、これまでにない最高の技術を、多くの企業に提供することができる。我々は4Kにおけるリーダーである」などとした。また、パナソニックは、7型液晶搭載の世界最軽量、頑丈タブレットコンピュータ「TOUGHPAD FZ-M1」を、3月上旬から法人向けに発売する。

 Core i5プロセッサを搭載しながらも、独自の放熱設計により世界初のファンレスを実現。運輸・物流、小売、電気・ガス、製造業などの分野に展開する計画だ。OSには、Windows 8.1 Proを搭載しており、Windows 7 ダウングレード済みモデルも用意した。

20型4Kタブレットはハイパフォーマンスモデルを新たに用意
発表した7型タブレット。ITプロダクツ事業部の原田秀明事業部長(左)が手に持つ
7型Windowsタブレット「TOUGHPAD FZ-M1」

 なお、会見では触れなかったが、同社がMozillaと、次世代スマートテレビ向けオープンプラットフォームの開発および推進に合意したとのリリースを、記者会見の会場で配布した。

 HTML5をはじめとするウェブ標準技術をベースにしたオープンプラットフォームとして、新たな「Firefox OS」の開発推進において、包括的なパートナーシップを締結するというもので、現在のスマートテレビをよりオープン化し、個々のユーザーが、それぞれの利用シーンに合わせてインターネットや放送、家庭内外の様々な機器から映像コンテンツや情報、サービスを簡単に引き出し、楽しみ、利用することを可能にするという。

 パナソニックは、同プラットフォームを採用した次世代スマートテレビを商品化する予定であるほか、日本国内におけるFirefox OSの次世代スマートテレビへの活用促進や、ウェブアプリケーションのエコシステムの活性化に取り組むという。

車載用のヘッドアップディスプレイにも触れた
日本では発売しているLUMIX GX7も紹介
ナノケアドライヤーもお披露目した

(大河原 克行)