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オンキヨー、Dolby Atmos入門セットやターンテーブルを発表
最上位AVプリアンプや伝統の3ウェイスピーカーも
(2014/9/8 18:16)
ドイツ・ベルリンで9月10日(現地時間)まで開催されている「IFA 2014」から、Dolby Atmos対応製品やピュアオーディオなどの新製品が多数展示されていいたオンキヨーのブースをレポートする。
オンキヨーはGibson Brandsグループのブースにおいて、ギターのGibsonや、ティアックらと共同で出展。なお、ティアックは、DSDネイティブ再生に対応したポータブルオーディオプレーヤーを開発中であることを、今回のIFA 2014にて明らかにしている。ティアック新製品の内容は別記事でレポートする。
初のDolby Atmos Home体験コーナー。AVプリ最上位や、アンプ&スピーカーの低価格セットも
オンキヨーは、ドルビーの新しい立体音響技術「Dolby Atmos」対応製品の展示を充実させているのが今年の特徴。コンシューマ向けで初というDolby Atmos対応ホームシアター製品の試聴コーナーも設けている。
新製品として、欧州において秋に発売予定の11.2ch AVプリアンプ「PR-SC5530」を出展。Dolby Atmosの7.2.4ch(天井またはドルビーイネーブルドスピーカー4ch)に対応する、AVセパレートアンプの最上位機種。
TI/バーブラウンの32bit対応DACや、32bit DSP 2基を装備。無線LAN経由でのハイレゾ楽曲のネットワーク再生なども行なえる。HDMI 2.0対応で4K/60p映像のパススルーも可能なほか、HDCP 2.2もサポートする。価格は2,699ユーロ。日本での発売は未定。
また、手持ちのフロントスピーカーなどの上にのせることで、天井へスピーカーを設置することなくDolby Atmosを利用できる初の“ドルビーイネーブルドスピーカー”である「SKH-410」も欧州で秋より発売。ユニットが斜め上方に向けられており、天井に音を反射させることで、Dolby Atmosの特徴である上からの音声が聴こえるようにするもの。
IFAではPR-SC5530やSKH-410を使って、来場者がDolby Atmos Home(家庭向けのDolby Atmos)を体験できる試聴コーナーを設置。5.1.4ch構成で、天井への埋め込み型スピーカーを使った場合と、ドルビーイネーブルドスピーカーの場合の比較試聴を実施しており、多くの来場者が順番待ちをする姿も見られた。
そのほか、日本でも秋の発売が予定されている一体型AVアンプの最上位「TX-NR3030」や、「TX-NR1030」など、Dolby Atmos対応AVアンプを出展している。
さらに、より身近にDolby Atmosを利用可能にするAVアンプ/スピーカーのセットも用意している。欧米では、(小型ではない)AVアンプと5.1chなどのスピーカーをセットにしてリーズナブルな価格で購入できるパッケージも一般的だが、そのDolby Atmos対応バージョンとなるモデルを展示している。5.1.2chスピーカーとAVアンプ「HT-R693」をセットとなっており、今秋に発売。価格は999ユーロ。
フロントはドルビーイネーブルドスピーカーだが、前述のSKH-410ではなく、通常のスピーカーの上に斜め上向きのユニットも備えた縦長の一体型を採用。このスピーカーの背面入力はフロントch用とハイトch(天井で反射させる)用の2系統(4端子)を備えている。
セットモデルとしては、THX認証を取得した7.1chスピーカーとAVアンプがセットのモデルも用意。こちらはドルビーイネーブルドスピーカーは付属していないが、AVアンプは対応しているため、追加で前述のSKH-410を購入すれば、Dolby Atmosを家で利用できる。秋の発売だが、価格は未定。
テレビを上にのせるボード型のスピーカーでは、70型まで(最大60kg)の大画面テレビに対応したモデルも用意。2.1chアンプとフルレンジスピーカー4基、サブウーファ1基を備えている。価格は未定。
アナログターンテーブル入門機や、3ウェイスピーカー「D-77NE」など
オーディオ製品では、アナログターンテーブルの「CP-1050」や、伝統的3ウェイスピーカーシリーズの新モデル「D-77NE」などを出展するコーナーを用意。欧州での発売を検討中で、現地でもオーディオファンたちの熱い視線が注がれている。
「CP-1050」は、ダイレクトドライブのターンテーブルで、低トルクモーターによるスムーズな再生などが特徴。スタティックバランス型のトーンアームを採用し、ヘッドシェルはユニバーサル型。キャビネットは木製。出力はアナログRCAで、最近の世界的なレコード人気に合わせ、低価格なモデルとしての発売が見込まれる。
また、伝統的な3ウェイスピーカーとして日本でも根強い人気を誇るD-77シリーズにも新モデルの発売を欧州で検討中。「D-77NE」というモデルで、現行のD-77MRXのマイナーチェンジ版であり、コルゲーションリブで分割振動を抑制する30cmノンプレスコーンウーファなどの特徴を継承。D-77MRXのカラーは木目の茶色だが、D-77NEはブラックに変更しているのが大きな違い。
D-77NEも発売時期や価格は未定だが、ペアで10万円前後のシリーズとしてなじみ深いことから、同等の価格帯での発売が見込まれる。「MADE IN JAPAN」にこだわっているのも特徴。
そのほか、プリメインアンプのエントリーモデル「A-9010」も用意。光/同軸デジタルやアナログの入力を備え、テレビなどとの組み合わせも想定している。フォノイコライザも内蔵する。スピーカー端子のA/B出力や、サブウーファプリアウトも装備。USBは搭載しない。欧州では2015年1月に発売し、価格は未定。
一方、カジュアルなコンパクトオーディオシステムでは、豊富なカラーも特徴のCDコンポ「CS-565」などを展示。従来との大きな違いは、スピーカー前面グリルのデザイン変更で、ツイータ/ウーファユニットがある部分を少し盛り上げ、2ウェイスピーカーの形状を強調したような仕上げとなっている。欧州デジタルラジオのDABに対応したモデルも用意する。
e-onkyoは米英独にも展開。ハイレゾアプリのHF PlayerはAndroid版が登場
ハイレゾ音楽配信のe-onkyo musicを、いよいよ海外でも展開することを予告。具体的にはアメリカ、イギリス、ドイツでの開始を予定している。これまで、同社の方針として海外展開を推進していくことを明らかにしていたが、これが具体的にスタートする形となる。正式な開始時期は未定だが、米英独で同じタイミングとなる見込み。
取扱いレーベルや楽曲ラインナップなども未定だが、IFAのブースではオンキヨーのポータブルアンプやヘッドフォンなどの製品でハイレゾ音源を試聴できるコーナーを設け、e-onkyo musicのスタートも案内。正式な発表も改めて行なわれる。
ハイレゾ対応スマートフォンアプリ「HF Player」にも新しい展開があり、既存のiOS版に加え、Android版アプリを提供することを案内。Android 4.1以降に対応し、DSD 5.6MHzやPCM/FLACの192kHz/24bitを含むハイレゾファイルをAndroidスマートフォンなどで再生可能で、アップサンプリングなどの機能も備える。さらに、USBからAOA 2.0(Android Open Accessory Protocol 2.0)対応デバイスへの96kHz/24bitデジタル出力も可能。
アプリのリリース時期は未定だが、価格は無料で、iOS版とは異なりハイレゾファイルの再生も無料で行なえる。ただし、USBからのハイレゾ出力機能は有料で対応する予定だという。