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「IGZO」登録商標無効判決で、シャープが最高裁への上告を断念

IGZOのロゴ

 シャープは、同社が持つ技術「IGZO」の登録商標が無効審決され、知的財産高等裁判所(知財高裁)への審決取消訴訟で申し立てが棄却された件で、最高裁判所への上告をしないことを11日に発表した。これにより、アルファベット表記の「IGZO」は、シャープの登録商標ではなくなる。

 シャープは'11年6月24日に、特許庁へ「IGZO」を商標登録出願。同11月18日に商標として登録されたが、'13年7月31日に、科学技術振興機構から無効審判請求があり、シャープは'14年3月13日に特許庁から「IGZOの登録商標は無効」との審決の謄本を受けた。これに対し、シャープは同4月10日に、知的財産高等裁判所において、科学技術振興機構を被告とした審決取消訴訟を提起していたが、既報の通り25日に知財高裁から棄却。シャープは「最高裁への上告等を含め対処する」としていた。

 しかし、同社は「知的財産高等裁判所の判断と当社主張との隔たりは大きいものの、上告しても当社の主張が認められることが難しい、と判断した」との理由で、判決を受け入れ上告しないことを決定したという。

 知財高裁の判決が確定したことで、スマートフォン/携帯電話/パソコン/液晶テレビなどの「IGZO」はシャープの登録商標ではなくなる。ただし、携帯用電子ゲーム機については、今回の訴訟の対象外。また、訴訟の対象はアルファベット4文字の「IGZO」であり、カタカナの「イグゾー」や「イグゾーパネル」、ロゴと組み合わせたIGZOについては、今回の結果に関係なく、引き続きシャープが保有する登録商標となっている。

(中林暁)