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CHORD、フラッグシップDAC「DAVE」を12月発売。150万円

新FPGA搭載で164,000タップ。11.2MHz DSD対応

 タイムロードは、CHORDのフラッグシップDAコンバータ「DAVE」を12月より発売する。価格は150万円。10月1日より受注を開始する。新FPGAやフィルターの搭載により、音質の向上を図り、究極のDACを目指したという。

DAVE

 初代フラッグシップDAC「DAC64」から20年以上の歳月が経過。2014年にCHORDが初めて発売したモバイルオーディオ向けの「Hugo」は、DAC64の5年間の販売記録を数カ月で超えたという。そうしたモバイル分野の隆盛を受けながらも、「心地よく自然な音」という理念にもとづき究極を目指したのがDAVEとなる。

 USBや光デジタル、BNC同軸などの入力を備え、USBでは11.2MHz DSDや768kHzまでのPCMに対応する。

 新たにFPGA「Spartran-6 Version LX75(XC6SLX75)」を搭載し、その処理能力の向上により、さらなる音質の向上を追求している。モバイル向けのHugoで導入したアルゴリズムでは、タップ数とオーバーサンプリングの向上により、トランジェント・タイミングやノイズシェイパー性能を、設計者のローバート・ワッツの理想に近づけたという。ただし、モバイル向けでサイズ制約があったため、HugoのFPGAは「Spartran-6 XC6SLX9」を搭載していたが、DAVEではその10倍の回路規模を持つLX75を搭載した。

 FPGAに実装される「WITA(Watts Transient Aligned)」フィルターデザインは、164,000タップに向上。166個のDSPコアが並列駆動することで、サンプリングレート周波数の256倍のFIRフィルタが機能するという。なお、Hugoは26,000タップ。新設計の17次ノイズシェイパーなど、FPGAの処理能力を活かした設計により、DA変換精度を大幅に向上したという。

 アナログ出力段も、20エレメントの新型パルスアレイDACに更新(Hugoは8エレメント)。高域までのリニアリティを実現する独自の2次アナログノイズシェイパーを搭載する。

 本体はアルミ削り出しで、視認性とデザインを融合した液晶ディスプレイと新たな操作系を採用。電源はCHORD伝統のSMPSを搭載している。

スタンドは別売

 入力端子はUSB×1と光デジタル×2、AES/EBU×1、BNC×4。USBのみ11.2MHzまでのDSDと、768kHz/32bitまでのPCMに対応。光デジタルとAES/EBUは192kHz/24bitまで、BNCは384kHz/24bitまでをサポートする。

 出力はデジタルがBNC×2で、PCM 768kHz出力に対応(CHORD製品との機器間接続用)。アナログ出力はXLRバランスと、アンバランス、ヘッドフォン(ステレオ標準)を各1系統備えている。消費電力は20W。

DAVE背面

 DAVEは、「Digital to Analogue Veritas in Extremis」の略で、ラテン語で「真理」を意味する「Veritas」、「極限状態で」を意味する「in Extremis」を、CHORD のアイデンティティの一つである「Digital to Analogue」に掛けている。

(臼田勤哉)