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世界最小4Kアクションカム「Mokacam」登場

 「世界最小」をうたう4K撮影対応のアクションカム「Mokacam」が、CES 2016の会場で展示されている。ベンチャー企業のCONC Techが開発し、クラウドファンディングのIndiegogoで資金調達を行なっているもので、すでに目標金額の5万ドルを超える47万5,676ドルを集めており、今後製品が出荷されることになっている。

世界最小の4Kアクションカム「Mokacam」

 Mokacamは、縦横45mm、奥行き35mmというほぼキューブ型の形状に、画角が152度、F値F2.8の超広角レンズを搭載。センサーはソニー製のIMX206で、1,635万画素1/2.3型CMOSセンサーを採用し、マイクも備えている。サイズとしては、GoPro Sessionより一回りほど大きいが、4K対応という意味では、ほかのGoPro製品より小さく、「世界最小」をアピールする。

 映像はH.264形式で、4Kでは15fps、2Kで15fps、1080pで60fps、720pで120fpsでの記録が可能。広角レンズと付属の防水ケースとの併用でGoProライクなアクションカメラとして利用できるし、面白いのはモーションセンサーを搭載し、画角内に動く物体が入ると自動的に記録を開始する「Motion Activated mode」も搭載していること。基本的には固定しておいて、動きがあるときだけ撮影するのでバッテリ消費を最小限にできる、としている。

 広角撮影に加えて、ノーマルアングルモード撮影を使うと、広角レンズ特有のゆがみを補正した映像が撮影できる。画角が狭くなるほか、4K撮影時の補正はできないようだが、ゆがみの少ない映像を撮影できるメリットはある。そのほか、タイムラプス撮影機能などもあり、なかなか高機能なものとなっている。

手のひらにすっぽり収まるコンパクトサイズ
本体側面。後述する液晶モニタの接続インターフェイスがある。これは「ハンドメイドのプロトタイプ」(担当者)のため全体的に作りが甘いが、製品版ではきちんと製造する、という
逆側の側面
本体上部にはシャッターボタン兼用の電源ボタン
本体底部には三脚穴がある
市販のスタビライザーに装着してのデモが行われていた。スタビライザーとの接続は自作のアダプタ

 無線LANを搭載し、スマホやタブレットからのリモートコントロールが可能なほか、本体側面に装着するバリアングルタイプの液晶モニタも提供。独自の接続インタフェース経由で接続し、構図を確認しながら撮影できる。ディスプレイ自体はタッチパネルもなく、最低限の構図確認レベルだが、操作ボタンも用意されているため、スマートフォンがなくても撮影できるメリットがある。2.4GHz帯を使った独自のリモコンも用意されている。

回転する液晶モニタを外付け可能。操作ボタンもあるので、単体で操作しやすくなる

 背面にはマグネットが付いており、金属にくっつけて固定する、という使い方ができる。製品版のマグネットはかなり強力になるようで、「車のドアに取り付ける」といった使い方も提案されていた。さらに、マグネットのしたに接続インタフェースが用意されており、外付けバッテリを装着することもできるようになっている。バッテリー側もマグネットで付けるため、手軽に装着できる上に、撮影中でも取り付けられる、という。

本体背面にはマグネット
金属製のさまざまな場所に取り付けられる

 アクセサリとして水深60mまで対応する防水ケースがあり、GoPro互換のマウントのため、そのほかのGoPro用アクセサリを利用可能。

 ブースに展示されていたのはまだ試作機の段階。当初の予定では2月の製品提供予定だったが、「3月になりそうだ」(担当者)とのこと。付属の防水ケースを含めた価格は169ドルの予定だが、Indiegogoは129ドルの出資で1台Mokacamが送られてくる。ほかに外付けバッテリーと液晶モニタとのセットの179ドルといった出資が残っている。担当者は完成には問題がない点を強調しているが、あくまでIndiegogoの出資ではあるので、実際にどうなるのかは分からない。また、無線LANなどを使用するため、日本での利用には技術基準適合証明(技適)の取得が必要になるが、Mokacamは取得していないので、日本での利用には制限があるのも注意点だ。

タブレットなどと接続してリモート撮影が可能
ブースで流されていた実際の撮影動画。特に細部の再現にはこだわっているようで、くっきりとした映像だった

 いずれにしても「世界最小」で多機能なアクションカムとしては面白い存在になりそうだ。

(小山安博)