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音で攻める4K TV。ハイレゾ+4Kの最高音質VIERA「DX850」

スリムで高音質なパナソニック4K VIERA中核機

 パナソニックは、ハイレゾ対応のサイドスピーカーを搭載した4K VIERAの中核シリーズ「VIERA DX850」を5月20日より発売する。60型の「TH-60DX850」、55型「TH-55DX850」、49型の「TH-49DX850」の3モデルを用意し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は60型が46万円前後、55型が40万円前後、49型が35万円前後。

TH-60DX850

 '15年発売のCX800シリーズの後継機で、LEDに新蛍光体を採用するなどで画質の向上を図ったほか、Ultra HD Blu-rayなどのHDR対応を強化。さらに、ハイレゾ対応のサイドスピーカーを搭載し、音質を大幅に強化した点が特徴となる。

 高付加価値な4Kテレビ購入者は、画質と音質を最重視するが、同時に設置場所の省スペースにもこだわりをもつ。そうしたニーズに応えるため、スリムな横幅を維持しながら、サイドスピーカー化や高出力化によりに音質を向上。購入者調査で、最も満足度が低かった「音質」を向上し、他社との差別化とともにVIERA購入者の満足度の向上を図るという。

TH-55DX850
TH-49DX850

 上位シリーズのDX950とともに、日本生産の「JAPAN PREMIUM」モデルとなり、DX850を4K VIERAの中核シリーズして展開する。

4K+IPSで高画質化。HDRも

 液晶は、60/55/49型ともに4K/3,840×2,160ドットの倍速対応IPSパネル。高輝度/広色域パネルの採用に加え、LEDバックライトに新赤色蛍光体を採用し、赤の純度を向上。深みのある赤色表現を可能とし、中間調の表現も改善した。また、独自の「ヘキサクロマドライブ」もチューニングし、より原画に忠実な色再現を可能としたという。

DX850シリーズ

 パネルの表面処理は、画面の映り込みを低減する「AGLR」(アンチグレアローリフレクション)で、明るい環境下でもメリハリある映像を実現するという。上位機のDX950シリーズはVA+光沢パネルだが、DX850は、IPS+アンチグレアパネルを採用。これは、パネル特性に合わせてメリハリある映像を実現するためとしている。

ローカルディミングにも対応

 バックライトのエリア駆動(ローカルディミング)を搭載し、コントラストを向上。HDR信号入力に対応し、Ultra HD Blu-rayのHDR映像を楽しめるほか、NetflixやAmazonビデオ、ひかりTVのHDR信号コンテンツにも対応。なお、上位機のDX950シリーズとは異なり、UHD Alianceによる「Ultra HD プレミアム認証」は取得していない。3Dは非対応。

DX850シリーズ

音質にこだわりサイドスピーカー化。ハイレゾ対応

 DX850シリーズの最大の強化点が音質。左右にスピーカーを配置したサイドスピーカー型とし、総合出力100Wのダイナミックサウンドシステムを搭載。40kHz以上のハイレゾ再生にも対応するなど、高音質をアピールしている。

ダイナミックサウンドシステム

 ツィータとミッドレンジ、ウーファからなる3ウェイ構成で、出力はツイータが12.5W×2ch、ミッドレンジが12.5W×2ch、ウーファが25W×2chの総合100W。

 左右のスピーカー部は、中心にツィータを配し、それを挟みこむような形で2基のミッドレンジを配置した、仮想同軸配置により画面中央からの音像表現を実現。ウーファボックスは従来比7倍の4,000ccに大容量化し、前面にユニットを配置することで、クリアな重低音を実現する。低音は音導管を通じて画面前面に出力。また、4基のパッシブラジエータを左右に前後対向配置した「クアッド・パッシブラジエーター」により、歪を抑えた重低音を実現できるという。

搭載ユニット群
ツィータを2基のミッドレンジで挟み込む
DX850のスピーカー構成

 また、サイドスピーカー搭載ながら、省スペース化にも配慮。2008年の50型テレビ(PZ800シリーズ)に7cmプラスするだけで、55型が設置できるため、テレビの買い換え時に、4K化と高音質化、インチアップが図れる点を訴求していく。プラズマからの買い替えも促進していく方針。

4K、音質、省スペースを訴求し、買い替えを促す

 スピーカー部はハイレゾに対応。さらに、Technicsの技術を搭載した「ハイレゾリマスター」により、入力信号を96kHz/32bitにアップコンバートして再生。BDや録画番組、放送番組などもハイレゾ相当にアップコンバートし、高音質に楽しめるという。

ハイレゾリマスターを搭載

 DX850シリーズでは、Technicsのフルデジタルアンプ「JENOEngine」を搭載。デジタル信号のゆらぎ(ジッター)を削減し、PWM変換誤差を最適化することで、ノイズのないキレのあるクリアな音を実現するという。

 音質をアピールするため、パナソニックが制作協力した宇多田ヒカルのニューシングル「真夏の通り雨」をハイレゾ収録したUltra HD Blu-rayディスクも購入者にプレゼントする。詳細は同社キャンペーンページで案内する。

 Ethernetと無線LANを搭載。Firefox OSを搭載し、シンプルな操作でNetflixやYouTubeひかりTV 4K、Amazonビデオ、dTVなどの映像配信サービスに対応する。

 リモコンにはNetflixボタンを装備。'15年モデルは、通常のリモコンのほか、タッチ/音声操作対応のリモコンが付属していたが、'16年モデルではリモコンを1つに統合。Bluetoothと赤外線を搭載し、10キーによる一般的なチャンネル切り替えなどの基本操作や、音声操作を1つのリモコンで行なえる。

リモコン

 番組表の音声操作が可能で、例えば「日曜日17時」と話せば、該当欄にカーソルが素早く移動。また、放送、録画番組だけでなく、YouTubeとアクトビラの音声検索も行なえる。

 チューナは、地上/BS/110度CSデジタル×3で、別売のUSB HDDを接続することで、番組を見ながら2番組の同時録画が可能。録画番組はDIGAにネットワーク経由でダビング/ムーブできるほか、お部屋ジャンプリンク(DLNA/DTCP-IP)対応しており、別室の他の対応テレビなどから再生できる。

 VIERAで受信中の番組や、録画した番組を、外出先からも視聴可能にする「外からどこでもスマホ視聴」にも対応。アプリ「Media Access」を使って、外出先のスマートフォンなどからの番組視聴が楽しめる。

 接続端子はHDMI入力×4、D4×1、光デジタル音声出力×1、ヘッドフォン/イヤフォン出力×1、SDメモリーカードスロット、USB×3など。消費電力は60型が283W、55型が241W、49型186W。年間消費電力量は60型が188kWh/年、55型が169kWh/年、49型が136kWh/年。スタンドを含む外形寸法/重量は、60型が144.7×29.5×84.1cm(幅×奥行き×高さ)/約31.5kg、55型が133.8×29.5×78cm(同)/約28.5kg、49型が120×26×70.2cm(同)/約24.5kg。

(臼田勤哉)