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KEF、超弩級「Muon」を小さくしたようなBluetoothスピーカー「Muo」。音質レビュー付き

「Muo」オレンジ・ムーン

KEF Japanは24日、コンパクトかつ防水性能も備えたBluetoothスピーカー「Muo」を発表した。全国発売は10月7日だが、直販サイトのmyKEF会員向けには既に販売を開始している。価格は39,600円。カラーは7色で、シルバー・ダスク、アンバー・ヘイズ、オレンジ・ムーン、ブルー・オーラ、モス・グリーン、ココア・ブラウン、ミッドナイト・ブラックを用意する。

カラーは7色

KEFのアイコニックスピーカー「Muon」から着想を得て作られた小型スピーカーで、筐体はアルミ製。先見性のあるデザインと彫刻的なフォルムで知られるロス・ラブグローブ氏が手掛けている。

KEFのアイコニックスピーカー「Muon」とロス・ラブグローブ氏
滑らかなフォルムで、Muonを小さくしたような印象だ

Muoのために開発された専用ドライバーは58×117mmで、長いストロークと大きなコーン面積により低歪み・低消費電力で力強い低音を再生。KEFのハイエンドクラスのサブウーファー、KC62とKC92に搭載された「P-Flexテクノロジー」も投入し、歪みを抑え、クリアな低音を実現。

これに、新設計の19mmドームツイーターを追加。高音域の細部も自然で明瞭に再生できるという。

さらに、独自のDSPアルゴリズム「Music Integrity Engine」も搭載。小型スピーカーでも深い低音を引き出し、どの音量でも音の明瞭さとバランスを保つよう最適化されている。

DSPアルゴリズム「Music Integrity Engine」

IP67の防水防塵仕様で、雨や砂埃から保護。-20度~45度で動作可能。外形寸法は82×59×216mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は740g。BluetoothコーデックはaptX Adaptive、SBC、AACに対応する。

IP67の防水防塵仕様

バッテリー持続時間は最大24時間で、2時間でフル充電。15分の急速充電で3時間再生できる。ハンズフリー通話や、2台を連携させたステレオ再生も可能。Auracastにも対応し、複数スピーカーと連携できる。

充電はUSB-Cポートで行ない、パソコンとUSB接続しての再生も可能。

ストラップも備え、落下を防止しながら持ち歩ける
2台を連携させたステレオ再生も可能

音を聴いてみる

KEFのハイエンドスピーカーMuonは、人の背丈よりも高い巨大なアルミ製スピーカーで、実物を前にすると圧倒的な迫力があるのだが、小型の「Muo」もアルミ筐体で、そのイメージを小さくしたような形状。コンパクトだが質感が良く、「お主、ただのBluetoothスピーカーではないな」という本格感が漂う。

手にすると、アルミのヒンヤリとした手触りと同時に、剛性の高さがわかる。指叩いても「コツコツ」とまったく響かない。アルミの剛性の高さに加え、横から見ると、少しつぶれた卵のような不思議なフォルムをしており、この形状も剛性向上に寄与しているのかもしれない。

サウンドクオリティは、このサイズと価格からは想像できないほどハイクオリティで、本格的なものだ。

余計な響きが無く、非常にクリアで中高域の抜けがバツグン。それでいて、低域もしっかりと深く沈み、ズシンと迫力のある音を奏でてくれる。一般的なBluetoothスピーカーでは、中高域をボワッと膨らませて迫力を演出する製品も多いが、Muoはユニットをパワフルに動かしつつ、筐体の余分な振動を抑える事で、解像感も兼ね備えた、本格的な低音を楽しませてくれる。

このサウンドにはMusic Integrity Engineアルゴリズムも、寄与しているのだろう。ボリュームを上げていっても、中低域の明瞭度は維持され、クリアなまま、大音量が楽しめる。

縦置き、横置きどちらも対応し、両側面にラバー素材の縁取りがあり、縦置き時にはこれがインシュレーターとなり、設置した机などに振動を伝えない。横置き用に、突起状のインシュレーターも標準で備えている。

なお、横置き時はユニットが少し上を向く形状になっており、KEFらしいクリアなサウンドが、そのまま耳に入る。デザイン性も音も良い、ピュアオーディオライクなBluetoothスピーカーだ。