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デスクトップオーディオから2mのMUONまで、青山「KEF Music Gallery Tokyo」行ってみた

「KEF Music Gallery Tokyo」

12月9日、東京・青山にKEFのスピーカーなどが体験できる「KEF Music Gallery Tokyo」がオープン。巨大なUni-Qドライバーを前面に配置し、建物全体が巨大スピーカーのように見えるインパクトのあるデザインが特徴だが、内部もユニーク。イヤフォンからデスクトップオーディオ、ハイエンドなオーディオまでを気軽に体験できる場所になっている。

そのメディア向け体験会が開催されたので、さっそく行ってみた。

入りやすい入り口には、ポータブルオーディオやデスクトップオーディオ

有楽町から移転してきたKEF Music Gallery Tokyoは、KEFの様々な製品を体験できるショールームであると同時に、直販店として製品の販売も行なっている。住所は東京都港区南青山5丁目5番6号で、東京メトロ表参道駅A5出口徒歩3分。営業時間は11時~19時。

大通りから少し奥に入った場所にあるが、前述の通り、建物自体がスピーカーのようなデザインであるため、見つけやすい。巨大なUni-Qドライバーは絵ではなく、立体的なオブジェとして作れており、存在感がある。日暮れには、ユニットの周囲がライトアップもされる。

巨大なUni-Qドライバーがインパクト大
このようにライトアップもされる

1階は「The Gallery」。明るくて開放的で、非常に入りやすい印象。入ってすぐのところにはイヤフォンやヘッドフォン「Mu7」などが置かれており、その奥には「LSX II」とノートパソコンを組み合わせたデスクトップオーディオを体験できる設置も。手に届きやすい価格の製品が多いだけでなく、量販店などでは静かな環境で試聴しにくい製品を聴けるのもポイントだ。

1階は「The Gallery」。明るくて開放的だ
「LSX II」とノートパソコンを組み合わせたデスクトップオーディオを体験できる

奥の階段を登ると、緑を基調としたデザインの「The Wireless High-Fidelity Lounge」が展開。ここでは、ワイヤレスのフロア型スピーカー「LS60 Wireless」とサブウーファー、テレビを組み合わせた2.1chシステムで、映画などを体験できる。ホームシアターと聞くと、多数のスピーカーを部屋に並べる印象があるが、2.1chの気軽なシステムでも、本格的なサウンドが楽しめて驚く。

緑を基調としたデザインの「The Wireless High-Fidelity Lounge」

背後にはワイヤレススピーカー「LS50 Wireless II」が本棚に設置されており、音楽配信サービスのサウンドを、スピーカーだけで再生。こちらも、巨大なシステムでなくても、高音質なオーディオが楽しめる体験ができる。

ワイヤレススピーカー「LS50 Wireless II」を本棚に設置

天井にはカスタムインストール用の埋め込みスピーカーが計6個配置。スピーカーを設置しなくても、家の中を音楽で満たせる提案をしていると共に、スタンダードからハイエンドまで3種類のシリーズを比較試聴できるようになっており、普段なかなか聴き比べができない、カスタムインストール用スピーカーのグレードによる音の違いも体験できる。

カスタムインストール用スピーカーのグレードによる音の違いも体験できる

最上階には「The Extreme Theatre」があり、こちらではハイエンドスピーカーの「Blade One Meta」を用意。アキュフェーズのセパレートアンプでピュアオーディオが楽しめるほか、ホームシアターとしてインウォールスピーカーやヤマハのAVアンプ、ヘーゲルのパワーアンプなども用意し、7.2.4環境が構築。スクリーンとプロジェクターを用いた、ハイエンドな映画体験ができる。

The Extreme Theatre。青いスピーカーが「Blade One Meta」だ
スクリーンとプロジェクターでハイエンドなホームシアターが楽しめる

半地下には超弩級の2ch再生が体験できる「The Ultimate Experience Room」がある。フラッグシップスピーカーである高さ2mの「MUON」が配置されており、アナログレコードも含めた超ハイクオリティなピュアオーディオが体験できる。

The Ultimate Experience Room

これらの個室は予約をしての試聴が基本となるが、静かな空間でじっくりと音楽や映画を体験できる作りになっており、製品の実力をチェックするには最適な場所と言えるだろう。

また、随所に書籍や車の模型などが配置され、ショールームではなく“生活空間”に近い雰囲気になっているため、「自分の家にこのスピーカーを配置したら、こんな風に見えるのかな?」というイメージもしやすい。

過去の名機やコラボレーションモデルも随所に展示されており、KEFの歴史を振り返ることもできる

さらに「オーディオ機器がインテリアから浮かないようにする」ために、壁に配置された吸音材のカラーが各部屋それぞれで統一していたり、サブウーファーを使わない時は壁の小さな穴に収納できるなどのアイデアも随所に散りばめている。オーディオ機器を設置しつつ、おしゃれな部屋を作りたい人や、新築時にオーディオ機器を上手く融合させた部屋を作りたいといった人にも、参考になりそうだ。

使わない時は、サブウーファーを壁面に格納できる
壁は吸音材で出来ており、棚は取り外したり、位置の調整も可能
フラッグシップスピーカーの「MUON」は高さ2mもあるが、筐体はアルミニウム製で、周囲の景色を映り込むような形状になっているため、空間に溶け込み、実物を前にするとあまり圧迫感は感じない

KEF Music Gallery Tokyoは国際的な建築設計事務所クライン ダイサム アーキテクツ(KDa)が設計を担当した。

クライン ダイサム アーキテクツのMARK DYTHAM代表は、巨大なUni-Qドライバーのオブジェについて、「この街ではインパクトのあるアイコニックなデザインが必要だと考えた」と説明。内部については「とにかく明るく、入りやすい空間にする事にこだわった。そして他の階に進むと、より深く楽しめるような作りになっている」という
KEF JAPANの福島真澄コマーシャルディレクターは、KEF Music Gallery Tokyoの目的を、KEFがこだわるハイ・フィデリティサウンド=原音再生を、「体験、発見し、衝撃を受け、感動していただける場所にしたい。多くの人に、音というのもはもっとリッチになり、それによって人生が楽しくなるという気付きを得る場所にしていきたい」と語った。

2階に用意された「The Studio」という空間では、イベントやエキシビジョン、ブランド・イマージョン・セッションなどを開催予定。クリエイターがポッドキャストを録音したり、ライブストリーミングを行なうスペースとしても活用される見込みだ。

The Studio
山崎健太郎