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Ferrum Audio、DAC内蔵ヘッドフォンアンプ兼プリアンプ最上位「WANDLA HP」
2025年10月3日 10:00
エミライは、Ferrum AudioのDAC搭載ヘッドフォンアンプ兼プリアンプの最上位モデル「WANDLA HP」を10月10日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は 594,000円前後。
高い評価を獲得したフラッグシップDAC「WANDLA」に、4.4mm出力を備えた高品質なヘッドフォンアンプを統合した新モデル。DAC内蔵ヘッドフォンアンプの「ERCO Gen2」と、最上位の組み合わせである「WANDLA」+「OOR」の間に位置し、「ヘッドフォン愛好家にとって理想的なワンボックスソリューションを提供する」という。
WANDLA専用に最適化された完全バランス設計のヘッドフォンアンプ回路を搭載。50Ωで最大3.5W(4.4mmバランス出力)という強力な出力を実現し、あらゆるヘッドフォンを余裕を持ってドライブするという。4.4mm Pentaconnバランス出力はフロントパネルに搭載する。
信号経路全体が前段作動構成で、超低歪率を実現。THDは0.00016%(バランス)、0.00022%(アンバランス)となる。ダイナミックレンジは122dB。
DACチップは、ESSのハイエンドモデル「ES9038PRO」を搭載し、PCM 768kHz/32bit、DSD256の再生に対応。DACチップ近傍に配置したAbracon製の超低ノイズ100MHz水晶クロックにより、ジッターの影響を排除したクロック供給を実現。
電流バッファーを設けた新開発のI/V変換回路により、低歪みなD/Aを実現している。
WANDLAシリーズでは、これまで分散して実装していた5つのチップを1チップに集約し、最短のシグナルパスを実現する自社設計の「SERCE」モジュールを新開発。
チップには高速処理が可能なARM「STM32H7」を使用し、独自開発のフィルター、USBレシーバーやMQAデコーダーなど複数の機能を1カ所にまとめ、信号伝達を合理化している。
WANDLAシリーズは、HQ Playerで知られるSignalystのJussi Laako氏とのコラボレーションにより、Signalyst独自のデジタルフィルターを搭載。フィルターはSERCEモジュールに実装され、独自開発のデジタルフィルターを任意に選択できる。
大きな電流出力をもつES9038PROでは、大電流を受け止めるI/V変換回路の開発が難しく、I/V変換部分がボトルネックとなる課題があった。
WANDLA HPでは、ES9038PROをチャンネルあたり4基で使用した際に発生する大電流を受け止め、DACチップの性能を余すことなく後段へ受け渡しすためにI/V変換回路を新設計。
リスニングテストの末、高速・高スルーレートを実現するTI製バッファーアンプ「BUF634A」を使用し、最もシンプルな回路構成を採用している。
さらに、アナログ・アンチエイリアシング・フィルターにより、シグマ・デルタ変調の残留成分効果的に除去。これまで採用されてきたI/V段の設計に起因する、バイアスのないサウンドを実現したとする。
デジタル入力は、USB-C、光デジタル、同軸デジタル、AES/EBUに加え、HDMI ARC、I2S入力も装備。テレビの音声を高音質化したり、I2S出力搭載のトランスポートと組み合わせてシステムの拡張ができる。
アナログ入力はRCAを1系統搭載。出力は、XLRバランス、RCAアンバランスを各1系統備え、プリアンプとしても利用可能。電源入力端子は2.5mm DCインレット(DC22~30V)で、DCパワーサプライ「HYPSOS」と組み合わせ、高音質化できる。
新開発のOSを採用。フロントパネルには、明度調整機能付きのタッチパネルを搭載。リモコンからの操作もできる。フロントパネルには、1台1台フィニッシュの異なるコルテン鋼プレートを配している。
外形寸法は217×206×50mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1.9kg。