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パナソニック、Fire TV/スマホで使うネットワークレコーダ。録画機能はディーガ並み

ネットワークHDDレコーダー「miyotto」(型名:UN-ST20A)

パナソニックは、Fire TV Stickやスマホ・タブレット、スマートプロジェクターなどで、放送・録画番組を楽しむネットワークHDDレコーダー「miyotto」(型名:UN-ST20A)を11月21日より発売する。価格はオープンで、市場想定価格は5.5万円前後。カラーはダークグレー(H)。

テレビとHDMI接続して録画番組・ブルーレイ再生する“従来型のレコーダー”とは異なり、ネットワークと専用アプリを使って、様々な場所・デバイスで番組を視聴するレコーダー。内蔵HDDは2TB、光ディスクドライブは持たない。

ネットワークを使ったレコーダーには、有名なものでバッファローの「nasne」(36,800円)があるが、パナソニックのmiyottoは「地上/BS×3チューナー」「Fire OS/Google TV/Android TV対応」「無線LAN内蔵」「ディーガ並みの録画機能」などの特徴を持つ。

パナソニック エンターテインメント&コミュニケーションの落合氏は、レコーダーを取り巻く環境・トレンドについて「配信コンテンツ市場の拡大を受け、テレビ放送を録画する従来型のレコーダー市場は縮小傾向にある。テレビ以外の、視聴デバイスも多様化している。ただ、ネット動画隆盛の現在でも、テレビコンテンツに対するニーズは堅調だ。配信サービス全体で見ても、実は視聴時間の半分以上がテレビコンテンツで占められている」と分析。

「TVerの利用者も年々伸長しているが『CMスキップができない』『配信期間が短い』などの不満も聞く。そして実は“テレビ離れ”と言われるZ世代にも、リアルタイム視聴や番組録画の潜在需要があるという調査結果も出ている。我々はこのmiyottoを通じて、地上波のコンテンツを、いつでも、どこでも、そして様々なデバイスで楽しむという新しい視聴スタイルを提案してゆく」と、導入の背景を説明した。

なお、miyotto発売後も、これまでと変わらず通常型のレコーダー(DIGA)も提供を続けるという。

パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社 コミュニケーションネットワーク事業部 国内マーケティング部 落合洋介氏

miyottoの接続は、ACアダプタ電源とテレビアンテナ線、そしてネットワークの3つ。通常レコーダーのようにHDMI出力が無いため、設置設定、番組再生・録画予約などはワイヤレス接続したデバイスから行なう。

地上、BS/CS110度デジタルチューナーを3基搭載し、最大3番組の同時録画が可能。現在放送中もしくは録画済み番組の同時視聴は、最大2台まで。宅外配信は1台まで。

miyottoの背面

miyottoを操作するための専用アプリを用意。スマートテレビやスマートプロジェクタ、Fire TV Stickなどのストリーミングデバイスで使うための「テレビ用miyotto」アプリと、スマートフォンやタブレットで使うための「スマホ用miyotto」アプリを無料で提供する。

テレビ用miyottoアプリは、ネット動画ライクなGUIと高速動作がポイント。テレビ用アプリは画質変換処理を省くことで、読み込み時間を従来(どこでもディーガ)から最大約40%の時間短縮を実現している。

テレビ用miyottoアプリを開くと……
ネット動画ライクなGUIが表示される
左側に見えるのが「メニュー」。録画一覧を選ぶと……
miyottoに録画済みの番組が表示された。この状態で、番組を選ぶと……
番組が表示された。シーン一覧は「ディモーラ プレミアム会員」に登録すると利用できる
再生速度の変更が可能
画質変更も可能

スマホ用miyottoアプリは、どこでもディーガアプリをベースに、一部機能を改善・変更することで、miyotto用に最適化している。

テレビ用アプリは「Fire OS」(7以降)、「Android(Google) TV」(9.0以降)、スマホ用は「iOS」(16.6以降)、「Android」(10.0以降)をサポートする。有料アプリ「DiXiM Play」をパソコンにインストールすれば、Mac/Windowsでも利用できる。

HDD容量は2TB。DRモードで約244時間(地デジ)、15倍録モードで約1,920時間の番組を録画できる。外付けUSB HDDへの録画も可能。接続はUSB 3.0/2.0で、対応するHDD容量は160GB以上・8TB以下。登録可能台数は8台まで。USBハブの利用はできない。

録画機能は「番組表予約」「日時指定予約」「毎週予約」といった基本録画のほか、特定のワードをあらかじめ設定して自動で録画させる「キーワード自動録画」、ジャンル(ドラマ/アニメ)と時間帯(朝/午後/ゴールデンタイム/深夜)を組み合わせて約90日間分自動で録り置く「1クール自動録画」を備える。

番組表

ディーガを同一ネットワークにつないで、miyottoからディーガで「お引越しダビング」すれば、録画番組をディーガでブルーレイに保存することができる。

外形寸法は55×214.5×147mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約1.2㎏。

使いやすく、直感的な操作。切り替えもサクサク

プレス向けに開催された内覧会には、便利グッズやガジェットを発信しているYouTuber・さがらごうち氏が登壇。一足先に、miyottoを自宅で使った感想を述べた。

場所を取る、そしてテレビ線の場所の兼ね合いから「実は自宅にテレビを置いていない」と話すさがらごうち氏。ただ、スポーツ中継や特番など見たい番組は多いそうで、これまでは見逃し配信が楽しめるアプリで視聴していたそうだが、期間が1週間という短さがネックに感じていたとか。

「レコーダーで番組を録画することで、時間の制約が無くなります。それから番組表から面白い番組を発見する愉しさもあります。そして何より一番伝えたかったのは、アプリの操作が快適なところです。番組表だったり、チャンネルの切り替えだったり。最初のイメージは、ロードに時間がかかる印象でしたが、非常にサクサク動いてくれて感動しました」

「miyotto本体もコンパクトでスリム。置き場所に困らないし、インテリアにも溶け込んでスムーズに使うことができます。私は自宅に2台のプロジェクターを設置しているのですが、miyottoがあればそれぞれをアンテナ線で直接繋ぐ必要がないですし、余っているモニターでもテレビが楽しめる」

「モバイルプロジェクターとか、スペースを取らずに大画面を楽しむって、最近流行っている視聴スタイルの1つだと思っているので、そうしたユーザーの方にもすごくお勧めしやすい商品だと思いました」と、製品の魅力を話した。

Fire TV Stickを背面に挿したPCモニターで、miyottoアプリを表示しているところ