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Marshall、“音楽を愛するチーム”が開発した「Milton A.N.C.」。オンイヤーなのに強力なANC

Milton A.N.C.

Marshallは、ワイヤレスヘッドフォン「Milton A.N.C.」の発売を記念して、渋谷のライブハウス「WWW X」にてイベントを開催。DJ Mars89が東京のさまざまな「騒音」をサンプリングした特別な楽曲をプレイし、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能の実力をアピールしたほか、Marshallブランドのこれからの取り組みについて、Marshall Group APAC マーケティング・ディレクター Rachel Wu氏が語った。

Milton A.N.C.

Milton A.N.C.は、“日常使いにおける携帯性を追求したデザイン”を採り入れたという、Marshallの最新ワイヤレスヘッドフォン。最大約80時間の長時間再生が可能(ANC動作時は約50時間)。直販価格は32,990円。

周囲の環境音をリアルタイムで分析し最適なキャンセリングを調整するANC技術を備え、音楽や映画に集中できる。また、トランスペアレンシー・モードも搭載し、ヘッドフォンを取り外すことなく、即座に外部音を取り入れることも可能。

周辺環境音や再生ボリュームに応じてオンタイムで自動的にトーンバランスを最適化するアダプティブ・ラウドネスも新たに対応。手動でイコライジング調整をすることなく楽曲本来の鮮明で豊かなサウンドを楽しめるとしている。

独自開発の空間オーディオ化アルゴリズム「サウンドステージ空間オーディオ」機能も特徴で、「あらゆるステレオ楽曲に奥行きと広がりを与え、まるで音楽の中心にいるかのような臨場感あふれるリスニング体験を提供」するとのこと。

ドライバーは32mm径。Bluetooth 6.0に準拠で、コーデックはSBC、AAC、LDACに加え、LEオーディオのLC3もサポートする。

音楽を愛するチームが開発した中間モデル

Milton A.N.C.について、Marshall Group 日本 マーケティング・マネージャー 小峰信治氏が壇上で解説。エントリーモデル「Major V」ユーザーの「ノイズキャンセリング機能が欲しい」という要望に応える製品として、フラッグシップの「Monitor III」とMajor Vの中間モデルという位置づけで開発がスタートしたという。

Marshall Group 日本 マーケティング・マネージャー 小峰信治氏

そこで、オンイヤータイプのMajor Vの快適な装着感にANCを加えることを中心としつつ、音質の大幅な改善も行ない、「音楽を愛するチームが製品開発とチューニングを手がけた心を動かすサウンド」を実現したという。

ANC搭載のヘッドフォンとして、「外出先で音楽を楽しむこと」も重視。バンド部はタフな設計で、耳が触れるイヤークッションは人間工学と音響工学に基づいた設計を採用し、メモリーフォームにより、遮音性にも寄与しているという。コンパクトな折りたたみ設計を採用しており、イヤーカップ部をバンド側に収納して持ち運べる。加えて、80時間の長時間再生も備えた。

コンパクトに折りたためる

プロダクトデザイン面では、無駄な要素をそぎ落として機能美を追求。レザー調のテクスチャや、真鍮パーツなどMarshallブランドの大切なデザイン要素はしっかりと盛り込みながら、装着性、快適性、携帯性を高めた。

音質面では、独自開発の空間オーディオ化アルゴリズムの「サウンドステージ空間オーディオ」機能に加え、BluetoothではLDACコーデックに対応し、ワイヤレスでハイレゾ相当の音楽再生に対応したことをアピールさらに、USB-Cの有線での音楽再生にも対応しており、ハイレゾロゴとハイレゾワイヤレスロゴの2つを取得していることも話した。

Marshallのこだわりとして、長い年月使ってもらうための工夫も施されている。イヤークッションはユーザーが交換できる仕様となっており、ケーブルやバッテリーも提供していくと話す。また、本体素材の42%は再生由来原料を使用しているとのこと。

エントリーモデルとは別格の音。オンイヤーでも強力なANC

短時間ながら実際にMilton A.N.C.の音とANC、トランスペアレンシー・モードを体験。結論から先に述べると、オンイヤータイプとは思えない遮音性と、音質へのこだわりをしっかりと感じられるヘッドフォンに仕上がっていた。

試聴のフロアは、前述の通りDJ Mars89が東京のさまざまな「騒音」をサンプリングした特別な楽曲を流している環境で、少し声を張らないと声が上手く聴き取れないような状態。トランスペアレンシー・モードでは、この外部の音が全部耳に届くのだが、ヘッドフォンを付けた時と外したときのこの音の聞こえ方にあまり違和感がない。ヘッドフォン自体を貫通して聞こえている部分もあるが、外音を取り込んでの再生も忠実に行なわれているような印象だった。

ANCをオンにしてみると、あの響き渡っていた音がしっかりと抑えられ、再生された音楽をしっかりと楽しめる環境になる。側圧もそこまで感じるほど強くないのだが、メモリーフォームのイヤークッションが耳にしっかりとフィットして安定してくれるので、装着感も快適だ。

「ばいばい、テディベア(Acoustic Live)/HACHI」を再生してみると、ボーカルの声が奥の空間に広がっていく様子がしっかりと表現されていて、ピアノの1音1音もクリアで、Majorシリーズの音とは別格に感じられる。

この環境下でここまでしっかりとアコースティックライブ音源が聴こえるので、周囲の音の状況に合わせて聞こえにくい周波数帯を調整するアダプティブラウドネス機能もなかなか強力に作用しているのではと思う。

「bad guy/ビリー・アイリッシュ」の力強い低域もしっかりと再生され、低域の奥から浮き上がるようにボーカルの声が届く様子までしっかり再現されていて、ちゃんとじっくりと音楽を楽しみたいヘッドフォンとして仕上がっている印象だ。

タイに最新設備の「Marshall LIVEHOUSE」。日本でも9月から新たな取り組みが

Marshall Group APAC マーケティング・ディレクター Rachel Wu氏

イベントでは、Marshall Group APAC マーケティング・ディレクター Rachel Wu氏も登壇。Marshallブランドの60年の歴史を解説。

Zound IndustriesがMarshall Amplificationを買収する形でMarshall Groupという形になった今でも変わらず、ミュージシャンや音楽ファンに最もよく使われ、愛されるブランドになることを目指し続けているという。

Marshallの歴史については別記事で紹介しているので、そちらを参照のこと。

とくに大事にしている要素として「ミュージシャンやファン、そのコミュニティの価値観や声」を挙げ、「よく『MarshallはLOUDだよね』と言われるのですが、それはアンプが音を増強して大きな音が出るという意味合いだけではなくて、ミュージシャン、ファン、コミュニティは常に発信し続けるが大事だとしているMarshallの価値観が浸透しているのだと思う」「常にみんなが持っている音声を大きくアンプリファイにして、沈黙を辞めようという価値観を大事にしたい」と話した。

それを示す取り組みとして、Marshallでは世界各国にミュージシャンやバンドが利用できる「Marshall LIVEHOUSE」の設置を開始。

まずはタイ バンコクのチャイナタウンに1カ所目を開設したという。床面積500平米の規模で、ステージに加え、コミュニティを生み出すバーやコミュニティーセンターを設けているほか、ミュージシャンやバンドが自由に使えるリハーサルルームを2部屋用意。最新の製品を揃えており、ビギナーもプロも練習や録音に活用できるという。

タイに1カ所目を設置した理由は、アジアの国では、ミュージシャンや音楽バンドが最高の設備が整ったリハーサルルームになかなかたどり付けないという課題があったためだとし、そういった場所に設置することで、ミュージシャン達のコミュニティの中心となり、音楽支援のハブとして機能する場所にしていきたいと話した。

日本での活動も予定しており、今年9月に最初のブランドプラットフォームを立ち上げるという。すでに横浜 赤レンガ倉庫で行なわれた「GREENROOM FESTIVAL '26」のステージでスポンサーをしており、長岡亮介、GEZAN、おとぼけビ〜バ〜など、特徴的なパフォーマンスを行なうミュージシャンらを中心に、Marshallのキュレーションで出演を依頼したとのこと。

「世界で一貫性を持って活躍することも大事にしているが、文化ごとに違う対応をしていくことも重要だと考えている。日本のミュージシャンやライブハウス、コミュニティともしっかり関わっていきたい。一緒に新しい歴史を作っていければと思う」と述べた。