【2009東京インターナショナルオーディオショウレポート 2】
-iPodトランスポートと合わせるWadiaデジタルアンプ
アキュフェーズやラックスマン、ELACなど新製品多数
日本インターナショナルオーディオ協議会(IASJ)が主催する、オーディオ機器の展示/試聴イベント「2009東京インターナショナルオーディオショウ」が10月2日から東京・有楽町の東京国際フォーラムで開幕した。期間は4日まで。入場は無料となっている。
■ アクシス
アクシスのブースでは、iPod用のデジタルトランスポート「170iTransport」が人気のWadiaから、新製品が参考展示された。「151PowerDAC mini」はイラストのみの出展だが、「170iTransport」との組み合わせを想定したDAC内蔵のデジタルアンプ。「170iTransport」と同サイズの小型筐体に、50W×2ch(4Ω)のデジタルアンプを内蔵し、スピーカーを駆動。iPodを使ったコンパクトかつ高品位なシステムが構築できるという。
入力は同軸デジタル×2系統、光デジタル×1系統、さらにUSB端子も備え、PCと接続してUSBオーディオとしても機能する。内蔵DACはサンプリング周波数32/44.1/48/88.2/96kHzに対応。カラーはブラックとシルバーで、価格は155,400円。早ければ年内にも発売するという。
170iTransport | 151PowerDAC mini |
さらに、同様の小型筐体を使ったDAC「121」も参考展示。USBと光デジタルを各1系統、さらに同軸デジタル×2系統の入力を備え、DACはサンプリング周波数32/44.1/48/88.2/96/192kHzにまで対応。バランス/アンバランスのアナログ出力も備え、オプションでヘッドフォン出力も追加可能。「170iTransport」と組み合わせ、高品位なヘッドフォン再生環境も構築できるという。
内蔵DACに高級パーツを使うため価格は25万円~30万円程度になる見込みで発売時期は未定。
同社のブースではほかにも、AyreのBlu-rayプレーヤー「DX-5」を参考展示。2010年1月頃の発売を予定しており、価格は120万円~130万円程度の見込み。ドライブなどの主要パーツは他社から供給を受けているが、電源やアナログ回路を独自のもので構成しており、高品位な映像/音声再生ができるという。
小型筐体採用のDAC「121」 | 121の背面。オプションでヘッドフォン出力も追加可能 | AyreのBlu-rayプレーヤー「DX-5」 |
■ デジタルドメイン
デジタルドメインのブースでは、衛星デジタルラジオ「Music Bird」をソースとした新製品を紹介。パラボラアンテナ「DMB-4503」(19,800円)、光デジタルとUSBでPCなどと接続できるチューナ「MDR2000USB」(98,000円)に加え、PCベースのデジタルオーディオレコーダ「HDC1DRR」(125,000円)も用意。「HDC1DRR」はオンキヨーのOEM製品で、オーディオレコーダソフト「DRR2000」(単品49,800円)が、あらかじめ付属する。
Music Birdのチューナで受信した音楽を、「HDC1DRR」の録音ソフトで、マルチビットPCM方式で非圧縮録音。NASなどに蓄積し、ネットワーク対応プレーヤーなどで再生する事を想定している。なお、録音ファイルにはウォーターマークなどでセキュリティ保護が施される。
WAV、AIFF、FLACの再生に対応したWindows用再生ソフト「Digital Media Desktop」も用意。Music Birdの録音ファイルに含まれるCD注文用データを使い、CDやSACDの購入もできるというソフトで、楽曲のジャケットをネット検索して半自動的にダウンロードする機能なども備えている。価格は1万円(CD購入クーポン1万円分付)。12月1日から30日使えるデモ版も公開予定。これらの製品やソフトは、12月のリリースを予定しているという。
デジタルドメインが発売するPCベースのデジタルオーディオレコーダ「HDC1DRR」(上)と、Music Birdのチューナ | Windows用再生ソフト「Digital Media Desktop」 |
ほかにも、Cabasseの新スピーカーシリーズを出展。トールボーイ型の「PHI floorstanding」(ペア21万円)、センターにも使える「PHI」(157,500円)、フロア型の「EGEA 3」(ペア472,500円)、ブックシェルフの「BORA」(ペア367,500円)などを用意する。
さらにブースではSIトランジスタDCアンプ「B-2a」、DCプリアンプ「C-3」、小型のマルチビットDAコンバータ「D-9p」、同じくマルチビットDAC「D-5p」といった、多くの新製品を参考展示。これらはいずれも試作機で、発売日や価格は未定となっている。
一番外側にあるスピーカーがフロア型の「EGEA 3」、その内側がブックシェルフの「BORA」 | 外側がトールボーイ型の「PHI floorstanding」、その内側がセンターにも使える「PHI」 |
■ ラックスマン
ラックスマンのブースでは、プリメインアンプのミドルレンジモデル「L-507u」が発表された。パワーブロックに独自の高音質帰還回路「ODNF」の最新バージョン3.0を搭載したAB級のプリメインアンプで、定格出力は110W×2ch(8Ω)、200W×2ch(4Ω)。11月の発売で、価格は399,000円。
ほかにも、木製ケースを採用し、真空管回路と半導体回路の出力切り換えが可能で、種類の異なるサウンドを楽しめるCDプレーヤー「D-38u」(10月発売/231,000円)などの新機種が体験できる。
プリメインアンプのミドルレンジモデル「L-507u」 | 往年の名機を彷彿とさせるデザインのCDプレーヤー「D-38u」 |
さらに、同社が輸入販売しているコンセンサスオーディオの第3弾製品として、新スピーカー「Bogen」が参考展示された。2ウェイのフロア型で、1インチのセラミックツイータと5.5インチのセラミックウーファ×2を採用。上位モデルのLightning SEをスリム化したような下位モデルで、「より多くの人にコンセンサスオーディオの音を楽しんでいただくための機種」と位置付けられている。価格は未定だが、ペアで150万円程度になる見込み。開発段階からラックスマンとコンセンサスオーディオがコミュニケーションをとりあい、音質を高めていったという。
一番右にあるのが新スピーカー「Bogen」 | Bogenの背面。背面に向かって細くなる流線型のエンクロージャを採用している |
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-往年の木箱ケース採用「D-38u」。23万1,000円
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090904_312987.html
■ ロッキーインターナショナル
ロッキーインターナショナルのブースでは、10月中旬発売が予定されているFOCALの新スピーカー「SCALA UTOPIA」が展示。3ウェイのフロア型で、ピュアベリリウムを使ったツイータや、強力な磁気回路を使ったミッドレンジ/ウーファが特徴。価格は1台1,785,000円。
同じくピュアベリリウムツイータなどを使ったブックシェルフ「DIABLO UTOPIA」も10月中旬に1台892,500円で発売(スタンド付)。低価格なモデルでは3ウェイフロア型の「Chorus 826W」(1台189,000円)を展示。FOCALの30周年記念モデルで、全世界で900セット限定、日本での販売台数は70セットとなっている。
左がブックシェルフ「DIABLO UTOPIA」、中央が「SCALA UTOPIA」 | FOCALの30周年記念モデル「Chorus 826W」 |
audio proの「Black V.3」シリーズ。写真は「Black Diamond V.3」 |
ほかにも、ブックシェルフの「Black Pearl V.3」(ペア89,250円)、センター用の「Black Vector V.3」(71,400円)などを用意。さらに低価格なトールボーイ「Black Star」(ペア141,750円)、ブックシェルフ「Black Ruby」(ペア50,400円)、センター「Black Ruby C」(35,700円)などもラインナップする。
ブースではさらにFOCALの新製品として、価格や発売時期未定だが、半球型エンクロージャが特徴的な2.1chシステム「DOME」や、iPodスピーカー「XS」、audio proのラジオ&アクティブスピーカー「RADIO ONE」なども参考展示している。
DOME | iPodスピーカー「XS」 | ラジオ&アクティブスピーカー「RADIO ONE」 |
■ そのほか
アキュフェーズは、11月上旬発売予定の純A級ステレオプリメインアンプ「E-560」を披露。E-550をフルモデルチェンジしたもので、独自のAAVA方式のボリューム・コントロールやパワーMOS FETなどを投入。大型トロイダル・トランスを使った強力な電源部を用いることで、1Ωの超低インピーダンス負荷で150W/chの出力を達成したという。ほかにも、新製品の純A級ステレオパワーアンプ「A-35」(399,000円)や「A-65」(1,050,000円)といった新製品を展示している。
純A級ステレオプリメインアンプ「E-560」 | 新製品の純A級ステレオパワーアンプ「A-35」と「A-65」 |
マランツブースでは、注目度の高いミドルクラスの新製品、SACD/CDプレーヤーの「SA-15S2」(157,500円)や、「SA-13S2」(262,500円)、プリメインの「PM-15S2」(157,500円)、「PM-13S2」(262,500円)といった、S2シリーズを一気に展示。B&Wのスピーカー「800D」を使った試聴デモで音質を確かめることもできる。また、B&WのスピーカーではスタイリッシュなXTシリーズから、XT8(1本25万円)も展示されている。
SACD/CDプレーヤーの「SA-15S2」、「SA-13S2」 | プリメインの「PM-15S2」、「PM-13S2」 |
S2シリーズの再生デモも行なわれている | 新スピーカーXTシリーズの「XT8」 |
ユキムブースでは、独ELAC製のトールボーイスピーカー「FS247 SE(SAPPHIRE EDITION)」がお目見え。11月中旬発売で、価格はペアで399,000円。ヒットモデル「FS247」の音質や外観デザインを磨き上げたというアップグレードモデルで、アルミ/パルプのハイブリッド「AS-XR」ウーファ(150mm径×2)と、リボン型の「JET III」ツイータで構成。クリスタルライン加工のAS-XRコーンウーファと、エンクロージャ表面がラメのように光る美しい塗装が目印だ。
FS247 SE | クリスタルライン加工のAS-XRコーンウーファ | エンクロージャはラメのように角度や光線の具合でキラキラと光る |
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-“SAPPHIRE EDITION”。オーディオショウ出展
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20091001_318703.html
ユキムブースでは、スタイリッシュなデザインと音質の良さでCDレシーバ「note premier」が人気の、“Aura”ブランドの製品も展示。新製品のCDプレーヤー「Aura neo」と、プリメインアンプ「Aura groove」も展示されている。価格はともに210,000円。
左がCDプレーヤー「Aura neo」、右がプリメインアンプ「Aura groove」 | CDプレーヤーはnoteと同じく、グラスリッド付のトップローディング |
(2009年 10月 2日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]