NECエレ、「振動力発電」で電池不要のリモコンを試作

-ボタンを押す際の振動で発電。音力発電と共同開発


「電池レスリモコン」の試作機

11月17日発表


 NECエレクトロニクス株式会社と株式会社音力発電は17日、「振動力発電」技術などにより電池が不要な家電用リモコンを試作したと発表した。

 振動力発電は、人が歩く際に生じる振動や自動車、自転車、レジャースポーツなどの動きで生じる振動のエネルギーを利用して発電するという音力発電の技術。試作された「電池レスリモコン」では、乾電池無しでテレビの電源ON/OFFや音量調節、チャンネルや入力の切り替えが可能。リモコンのボタンを指で押すときに発生する振動力での発電と、独自開発の電源制御技術の組み合わせで実現している。

 両社は、振動力発電を使って家電機器の利便性を向上させるための共同研究開発を2006年12月より行なってきた。今回の「電池レスリモコン」には、音力発電が開発した振動力発電デバイスと、NECエレクトロニクスのRFリモコン対応マイコン、微小な電力でリモコンの電子回路を駆動する電源制御技術が採用されている。

 今後は、2011年までに電池レスリモコンの実用的な提案をセットメーカーに対して行なえるよう、共同開発に積極的に取り組むという。なお、今回の試作機は11月18日からパシフィコ横浜で開催される「Embedded Technology 2009」に展示される。



(2009年 11月 17日)

[AV Watch編集部 中林暁]