【CES】Samsungは「3D LED TV」を推進。31型3D有機ELも

-テレビ用アプリ「Samsung Apps」やカメラ新製品など


会期:1月7日~1月10日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
   Las Vegas Hilton
   The Venetian


 LVCC中心となるセントラルホールに大規模なブースを展開するSamsungは、「LED TV」と「3D」を全面的にアピールするブース構成となっている。薄型テレビでは、5シリーズで10機種以上の3D対応製品を発表している。


 ■ LED/3Dを大々的にアピール

3D LED TVをアピール19~65型までのLEDバックライト採用液晶テレビ「LED TV」ラインナップ

 LEDバックライト搭載の液晶テレビを「LED TV」とブランド化し、積極的に訴求している同社だが、今回8シリーズで、19型~65型までのLED TVラインナップを構築。このうち、LED 9000/8000/7000の3シリーズは46型から最大65型までを用意し、Blu-ray 3Dの表示に対応する。

 LED 9000/8000は、エッジライト型のLEDを採用しながら、LEDの部分駆動にも対応し、コントラストを高めている。独自の3Dプロセッサを内蔵し、2D-3Dへのリアルタイム変換に対応。Samsungの3Dテレビは、液晶/プラズマともにこの2D-3D変換機能を大きなアピールポイントとし、今春以降発売する3D対応モデルの全てに搭載する予定という。


9000シリーズ8000シリーズ7000シリーズ
「不思議の国のアリス」の予告編などで3D映画のデモXbox 360ゲームの2D-3Dリアルタイム変換デモも実施3Dデジタルカメラ画像の3D表示に対応

 プラズマは、8000/7000シリーズで3Dに対応。58型と63型の3D対応プラズマテレビを展示している。リアルブラックフィルタやMotion Judder Canceller(MJC)などの搭載により、黒の沈み込みや動画性能も高めたことで、2Dの表示性能も大幅に向上しているという。、また、これらの改善により3D表示時の画質も高めている。

 チタニウムを使った極薄のベゼルデザインも特徴で、従来モデルより大幅に薄型/軽量化を実現。液晶テレビと同様に2D-3Dのリアルタイム変換機能も備えている。

PLASMA HDTV8000シリーズ7000シリーズ
31型フルHDの3D有機ELも展示

 また、プロトタイプながら31型/1,920×1,080ドットの3D有機ELディスプレイも出展している。アクティブシャッター眼鏡で視聴可能となっている。厚みは非公開。また、小型の3D有機ELも展示している。


解像度はフルHDで左右の眼に60Hzずつを振り分けてアクティブシャッターメガネで視聴する薄さが大きな特徴だが、スペックは非公開小型の3D有機も出展している

 6日のプレスカンファレンスでは、DreamWorks Animationとの協力も発表し、同社の最新アニメーションをプロモーションに活用する。Samsungブースの3Dの紹介コーナーでは、映画やゲームコンテンツなどが体験できるほか、デジタルカメラで撮影した3D映像の表示なども紹介し、特にリアルタイム3D変換を強くアピールしている。

DirecTVの3D放送を3Dプラズマで視聴2D-3Dのリアルタイム変換をアピール。全3D対応テレビに搭載予定


■ テレビにアプリケーションを追加して機能拡張する「Samsung Apps」

Internet@TV

 テレビ関連の技術としては、ネットワーク関連機能も大幅に強化。Yahoo!と協力したウィジェットサービスのほか、独自のネットワーク機能「Internet@TV」の新機能として「Samsung Apps」というアプリケーションプラットフォームも用意した。

 Internet@TVは、The Associated Press、Netflix、Picasa、Pandora、Rovi、Twitter、USA TODAY、Vuduなどのサービスをテレビから利用可能にするもの。今回追加した、Samsung Appsの特徴は、単にネットワークサービスを提供するだけでなく、Samsungの携帯電話などとの連携機能を備えたアプリなどを製作/提供できること

 Samsung Appsでは液晶で6500シリーズ以上、プラズマで7000シリーズ以上のミドルクラスからハイエンド製品に搭載し、春には無料のアプリケーションを15本ほど提供。さらに夏ごろにはPremium Appsと呼ばれる有料アプリケーションの発売も計画しているという。

 デモでは、携帯電話3台を使ったトランプゲーム(ブラックジャック)を行なっており、各携帯電話にトランプゲームのAppsをインストールして、テレビと無線LANで接続する。テレビと各携帯電話を相互に通信し、プレーヤーは携帯電話で掛け金やカードを引くか否かを選択でき、その結果をテレビに表示して、3人でゲームが楽しめる。

 携帯電話をはじめ、ポータブルデバイスなどとの連携を想定し、サービス事業者などに向けてSamsung Apps用のSDKや開発ツールなども提供していくという。

Samsung Appsのページをテレビで表示し、アプリをダウンロードAppsのアプリを携帯電話にインストールして、テレビと連携したトランプゲームがプレイ可能に


 ■ 3D BDプレーヤーや新ビデオカメラなども発表

Blu-ray 3D対応の「BD-C6900」

 Blu-rayプレーヤーの新製品も発表。「BD-C6900」はBlu-ray 3D対応で、テレビと同時期に発売予定。回転するディスクが確認できるトランスペアレントデザインと奥行きの短い筺体デザインが特徴。価格は未定としている。

 ビデオカメラは、無線LAN機能を搭載し、DLNAをサポートする「HMX-S16」を発表。1/2.33型10メガピクセルの裏面照射型CMOSを搭載し、暗所撮影能力を向上し、光学15倍ズームレンズや手振れ補正機構を搭載。内蔵メモリは64GB。

 特徴は無線LAN/DLNAを使って、HDX-S16に記録した映像を、パソコンやDLNAクライアント機器からアクセス、再生可能な「AllShare」に対応したこと。無線LANとネットワークサービスを使ったライブストリーミングも可能という。HDMI出力も装備しており、通常のテレビ出力にも対応する。

 そのほか、裏面照射型1/4.1型3メガピクセルCMOSを搭載した「HMX-H205/204」などのフルHDビデオカメラも発表されている。


HDX-S16無線LANとネットワークサービスを使ったライブストリーミングにも対応HMX-H204
NX10

 またAPS-CサイズのCMOSセンサーを搭載したミラーレスレンズ交換式デジタルカメラ「NX10」のデモも実施しており、AFの合焦速度や小型で持ちやすい点、720pのMPEG-4 AVC/H.264動画撮影機能などをアピールしている。なお、マウントは独自の「NXマウント」となっており、NX10にあわせてパンケーキレンズや標準ズームレンズなどが発表されている。

 電子ブックリーダへの参入も発表。6型ディスプレイ搭載の「E6」や10型ディスプレイ搭載の「E101」の2製品を展示している。独自の手書き認識技術を搭載し、無線LANやBlutoothの通信機能も装備。約1週間バッテリ充電なしに利用できるという。2010年初頭に発売予定で、価格はE6が399ドル、E1010が699ドル。


電子ブックリーダ「E6」、「E101」2型有機ELを搭載した新MP3プレーヤー「Ice Touch」LED光源の小型プロジェクタは高輝度化した

(2010年 1月 9日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]