NECエレ、フルHD/30fpsのAVC再生可能な携帯機器向けLSI

-「EMMA Mobile/EV」。従来比で消費電力30%削減


「EMMA Mobile/EV」

7月サンプル出荷開始

サンプル価格:5,000円


 NECエレクトロニクスは、ポータブルマルチメディアプレーヤーなどのモバイルAV機器向けシステムLSIで、フルHDでの動画再生に対応した「EMMA Mobile/EV」(エマモバイル/イーブイ)を7月よりサンプル出荷を開始する。

 サンプル価格は5,000円で、2010年12月から量産を開始し、2011年には月産100万個の生産を計画しているという。パッケージは393ピンで0.65mmピッチのプラスティックFBGA。サイズは16mm角。

 マルチメディアデータ再生用の機能を1チップ化したモバイルAV機器向けのLSI。英ARMの高性能CPUコア「Cortex-A9」やHDコンテンツをデコード可能なAVエンジンなどを搭載。内蔵するCortex-A9が1個の「EMMA Mobile/EV1」と2個の「EMMA Mobile/EV2」から構成される。特徴として、1,920×1,080ドット/30fpsでの動画再生に対応。コーデックはMPEG-4 AVC/H.264、MPEG-4、MPEG-2、VC-1をサポートする。音声はMP3、AAC、WMA、AC-3(ドルビーデジタル 5.1ch)に対応する。

 またマルチメディアデータ再生時、省電力化を図ったことも特徴。ブロック毎に最適なクロックを供給する自動クロック制御や、ブロック毎に電源オン/オフを制御する技術などにより、同社従来LSI(EMMA Mobile 1)と比べ、消費電力を約30%削減。電池寿命の長時間化に貢献するとしている。

 さらに、EMMA Mobile/EV2には、英イマジネーションテクノロジーの3Dグラフィックスコア「POWERVR SGX530」を内蔵し、3D視覚効果を多用した直感的なユーザーインターフェイスを表示することができる。

 メインメモリインターフェイスとして、MobileDDRに加えDDR2もサポート。携帯機器以外での使用も可能で、部品コストを抑えることができるとしている。


(2010年 2月 8日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]