オリコン、BD/DVD市場の2010年年間レポート発表

-BD市場は前年比214%。アニメが6割占める


過去3年間の市場規模推移※出典:オリコン

 オリコン・リサーチは21日、映像ソフト(Blu-ray/DVD)に関しての、2010年年間マーケットレポートを発表した。

 ソフト市場の総売上額は2,930億円で、前年比107.1%。アニメや映画で、DVDからBDへの市場移行が進み、DVDの市場規模が2,377億円(前年同期比95.9%)と'06年以来5年連続となる前年割れを起こす一方、BD市場は552億円で、対前年比214.8%と大幅に増加したという。




■大幅成長続くBD市場

 BDはヒット作品の売上水準、占有率も上昇しており、売上水準は、2009年度売上額順年間首位作品「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(EVANGELION:1.11)」が年度内売上5.9億円だったのに対し、2010年度首位の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.22 YOU CAN(NOT)ADVANCE.」が27.8億円の年度内売上を記録。これ以外にも、合計11作品が2009年首位の「ヱヴァ:序」を上回ったという。

 これに伴い、映像ソフト市場全体におけるBDの売上額占有率は、前年度9.4%(257億4,240万円)から18.9%(552億8,390万円)に上昇。月次ベースでは11月に31.7%と初めて3割を突破。同月には「涼宮ハルヒの憂鬱」のBD-BOXや、「トイ・ストーリー3」関連作品が好調だったという。



■ジャンル別では、アニメがBD市場で大きなシェア

 ジャンル別のシェアを見ると、アニメは、対前年同期比120.1%と大幅増で、売上額占有率も3割を突破。売上額ベースで、BD市場だけを見ると、アニメは62.7%のシェアを占めている。洋画のシェアは26.5%。アニメと洋画の2ジャンルで、全体の約90%を占める状態が続いている。

 平均単価が低い洋画は、市場全体における、売上額ベースでの占有率は17.2%に留まるが、売上数では「マイケル・ジャクソンTHIS IS IT」などのヒットにより、29.8%の占有率を記録。アニメの24.3%を上回っている。



■メーカー別シェアではSMEがトップ

 メーカー別売上額シェアでは、2009年度に続いてソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)がトップ。売上金額は257億4,420万円で、占有率は8.8%。エイベックス・グループ・ホールディングスが占有率は7.2%(210億2,160万円)でこれに続いている。SMEは2008年以来3年連続でシェアトップで、傘下レーベルがリリースした音楽作品が好調。また、SMEの映像ソフトの売上額の64.2%は、アニメを中心に展開しているアニプレックスの作品が占めている。

 3位には、2009年に13位だったソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)が躍進。占有率は4.6%(135億5,550万円)。同社が1月にリリースした「マイケル・ジャクソンTHIS IS IT」は、DVD 3タイトル合計で年度内42.6億円、BDも同17.8億円を売り上げている。

 販売チャンネル別の売上額シェアでは、ネットの通販サイトなどの「EC」が、2009年度の39.4%(1,389億1,400万円)からさらに伸び、47.4%と市場全体のほぼ半分を占め、2位の「メディアストア」(30.1%/881億3,330万円)との差を拡げている。なお、2009年度と比べると、EC以外の販売チャネル全てが数値を落とす結果となった。



(2011年 1月 21日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]