エレキット、2A3/300B両対応の真空管アンプキット

TU-8233

　イーケイジャパンは、真空管の2A3と300Bに対応し、それぞれに合った設定を自動で行なえる機能を搭載した真空管アンプキット「TU-8233」を、11月下旬より発売する。価格は83,790円。

　真空管の「2A3」と「300B」はオーディオファンの間で根強い人気があるという直熱三極管で、主に高級真空管アンプで使用されてきた。見かけの形状は良く似ているが、フィラメント電圧や動作点が違うため、スイッチの切り替えと調整が行なえる一部のアンプを除いて、従来の真空管アンプでは差し替えて使うことができなかった。

　電子工作キット「エレキット」の真空管アンプとして発売する「TU-8233」は、装着されている真空管が「2A3」と「300B」かを判別し、それぞれの真空管にあった自動設定が行なえることが特徴。手動での切り替えや調整の必要が無いため、簡単に聴き比べを楽しめるとしている。判別の状況は、ボリュームツマミ周りのライティングの色で確認でき、2A3の場合はグリーンに、300Bの場合はブルーにそれぞれ点灯する。

　標準付属の出力管は2A3で、300Bは別売。使用する真空管は2A3×2本と6SN7GT×2本で、300Bの使用にも対応する。全球直流点灯方式を採用し、B電源には電源ハム抑制性能で実績があるというFETリップルフィルターを搭載。Rコア電源トランスも搭載し、ハムノイズを低く抑えるとしている。また、カップリングコンデンサなどの部品交換を楽しめるよう、基板上のスペースも確保した。

　定格出力は2A3使用時が4W×2ch、300B使用時が6.5W×2ch(共に8Ω)で、定格入力は2A3が370mV、300Bが430mV。周波数特性は13Hz～65kHz(-3dB)。適合スピーカーは4～16Ω。入力端子は金メッキのRCAが1系統。4～6.3Ωと8～16Ωのスピーカー出力端子2系統と、バナナプラグ対応の金メッキネジ式ターミナル1系統備える。

　電源は3Pインレットのプラグを採用。電源トランスの一次側は100V/115V/200V/230Vの各電圧帯に対応しており、組立時のはんだ付けで変更可能。海外での使用や、国内の200V電源の利用を想定した仕様となっている。外形寸法は370×270×190mm(幅×奥行き×高さ)、電源ケーブルを含まない重量は約11kg。

背面	内部構造	真空管2A3/300Bの判別状況をグリーン/ブルー点灯で確認可能