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NHKラジオのネット配信、近畿など地方番組も追加へ

スマホやPCで聴ける「らじる★らじる」

らじる★らじる
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 NHKラジオがPCやスマートフォンで聴取できる、日本放送協会(NHK)のラジオのIPサイマル配信サービス「らじる★らじる」において、現在は全国向け放送番組を基本に配信が行なわれているが、新たに、NHKラジオ第一放送の近畿広域、中京広域、宮城県域放送、NHK FMの大阪府域、愛知県域、宮城県域放送の番組が追加される見通しとなった。

 新番組の配信は、2013年4月以降で、2013年度末まで実施される予定。地域制限は無く、全国で聴取可能。ただし、海外からは聴取できない。

 「らじる★らじる」は、山間部など、電波の入りづらい地域、夜間の外国電波混信、マンションなど鉄筋コンクリート住宅の全国的普及など、ラジオ放送が聴取しにくい状況の改善を目的として試験的に実施されているサービス。2013年度末まで試行され、改善効果を検証する予定になっている。

 2011年9月からスタートし、NHKラジオ第1(以下R1)、第2(同R2)と、NHK FM(同FM)の3つの放送の番組をインターネットで同時配信している。電波で送信されているこれらのラジオでは、全国向けの共通番組以外に、各地域向けに、それぞれ個別の番組も配信されているが、ネットでの配信は、3局とも全国向けの共通番組を配信。共通番組を放送していない時は、ラジオ第1は関東広域放送、FMは東京都域放送を配信している。

 しかし、利用者から、個別地域で放送されている番組をネット配信にも加えて欲しいという要望が寄せられていたという。

 NHKでは、ラジオの難聴取の補完的な措置としての効果を検証する上で、こうしたニーズに応えて聴取者を増加させる事で、幅広いデータの収集が期待できること、また、地域放送番組の提供のあり方(実施体制など)の検証も必要な課題であると判断。昨年の12月に、総務省へネット配信する番組の追加について、認可申請書を送付していた。これに対して総務省の電波監理審議会は16日、この申請を認可した。

 なお、NHKは追加する地域放送として、近畿広域放送(FMは大阪府域)、中京広域放送(FFMは愛知県域)、そして宮城県域放送を選定した理由について、「当該放送対象地域の人口、地域放送番組比率といった点を勘案した」と説明している。

 配信の方式や、伝送速度(1チャンネルあたり48kbps)は、現行サービスと同じ。R1はモノラル、FMはステレオで提供される。なお、遅延や権利上の理由などで、配信できない番組もあるという。NHKでは、配信に番組を追加する経費として、設備整備費用9,000万円、運用経費4,000万円の合計1.3億円を見込んでいる。

(山崎健太郎)