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タブレットに変身できるスマホ「PadFone 2」を体験

切り替えは約1秒。「新しいスーパーフォン」

スマートフォンと10.1型液晶搭載ステーションをドッキング

 ASUSTeK Computerは18日、1月12日より発売を開始した、タブレットに変身できるスマートフォン「PadFone 2」(79,800円)の、報道関係者向け体験会を開催した。

 「PadFone 2」は、4.7型液晶を備えたスマートフォン本体と、10.1型液晶搭載のドッキングステーション「PadFone 2 Station」をセットにした製品。外出時などにスマートフォン本体を使い、帰宅したら「PadFone 2 Station」の背面にスマートフォンをドッキング。スマートフォンからの映像を10.1型の液晶に表示し、タブレットとしても使えるのが特徴。

 ASUS JAPAN システムビジネスグループ テクニカルプロダクト エンジニア 阿部直人氏は、「1つのコンテンツを、2つのスタイルで楽しめる。社内ではスマートフォンと呼ばず、スーパーフォンと呼んでいる。デザインやパフォーマンス、カメラなど、全ての領域でスマートフォンを凌駕するモデル」と紹介した。



ドッキングで通信費やデータを集約

ASUS JAPAN システムビジネスグループ テクニカルプロダクト エンジニア 阿部直人氏

 スマートフォン本体はSIMフリー方式(W-CDMA)で、キャリアに縛られる事なく、ユーザーが好みのSIMカード(microSIM)を使用できる。スマートフォンとタブレットで3G通信する場合、一般的にはそれぞれの端末で回線契約や通信費用がかかるが、それらを1つにまとめる事ができ、「2つの問題を見事に解決でき、月々の費用を抑えられて経済的」(ASUS JAPAN システムビジネスグループ テクニカルプロダクト エンジニア 阿部直人氏)だという。

PadFone 2のスマートフォン本体部分
PadFone 2 Station
PadFone 2 Stationにスマートフォンを、このようにドッキングできる
ドッキングすると、タブレットに変身

 さらに阿部氏はドッキングする利点として、「スマートフォンとタブレットのそれぞれでデータを管理している場合、それらを統合するのが面倒。しかし、スーパーフォンであれば、スマートフォン本体に全て集約されているので、ドッキングすればすぐにデータを共有できる」とアピールしている。



高いスペックを実現

 スマートフォンとPadFone 2 Stationは、13ピンのドッキングポートで接続する。この端子を介して、スマートフォンの映像や音声がPadFone 2 Stationに伝送され、タブレットの画面に表示される。

 実際に着脱をしてみると、1秒程度の、ほぼ瞬時にスマートフォン/タブレットが切り替わり、ストレス無く、気軽にスマートフォン/タブレットを切り替えられる。タブレット背面は、スマートフォンをドッキングする部分に向けてなだらかなカーブを描くような形状になっており、スマートフォン側も上部が9mmなのに対し、下部は3.3mmと、下に行くにつれて薄くなり、タブレット側の形状とピッタリフィット。ドッキングした状態でスマートフォンが“出っ張っている“感覚は無く、デザインとして洗練された印象を受ける。

 なお、外形寸法と重量は、スマートフォン本体が68.9×9×137mm(幅×奥行き×高さ)、約135g。PadFone 2 Stationが263×10.4×180.8mm(同)で、約514g。どちらも手にすると軽く、ドッキングした状態でも約649gに抑えられており、片手でも楽にホールドできる。

 スマートフォン側には2,140mAhのバッテリを搭載。3G通信で最長約16時間の通話ができる。PadFone 2 Station側には5,000mAhのバッテリを内蔵。2つを接続すれば最大約36時間の通話、約800時間の待受が可能になる。インターネット使用では本体のみで最大約13時間、ドッキング時で約7時間。動画再生は本体のみで約9時間、ドッキング時で約7時間。

 なお、OSやCPUなどの機能は全てスマートフォン側に入っており、PadFone 2 Stationには10.1型液晶ディスプレイとバッテリくらいしか入っていない。そのため、スマートフォンを接続していないと、PadFone 2 Stationでは何もできず、画面にスマートフォンの接続を促すアイコンが表示されるのみとなる。

ドッキングした状態の背面
上から見たところ
下から見たところ。背面が中央上部に向かって、なだらかにカーブしているのがわかる
背面のカーブに合わせたように、スマートフォンも下部に行くにつれて薄くなるデザインになっている
側面のボリュームボタン
上部のイヤフォン出力

 両者を接続する13ピンのドッキングポートには、マイクロUSBケーブルを接続する事もできる。スマートフォン側は、MHLもサポートしており、この端子にMHL対応ケーブルを接続。薄型テレビのHDMI入力などに接続する事で、PadFone 2 Stationだけでなく、別のテレビやディスプレイに映像と音を表示できる。ただし、PadFone 2 Station側の端子はMHLには対応しておらず、外部モニタなどとして単体で使う事はできない。

PadFone 2 Station側の13ピン
スマートフォン側の13ピン。ここにマイクロUSBを接続する事もできる

 ディスプレイのサイズと解像度は、スマートフォン本体が4.7型、Super IPS+液晶の1,280×720ドット。PadFone 2 Stationは10.1型の1,280×800ドット、IPS液晶を採用。いずれもタッチスクリーンタイプで、IPS液晶ならではの視野角の広さを持っているため、視認性は高い。

 スマートフォン本体のOSはAndroid 4.1.1。プロセッサはSnapdragon S4 Pro APQ8064(1.5GHzのクアッドコア)を搭載。メインメモリは2GB、ストレージメモリは64GB(WebストレージのASUS WebStorageサービスが50GB、24カ月無料体験できる)。通信機能としてPadFone 2本体は、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n)、W-CDMA(DC-HSDPA/900/2100MHz)に対応する。



AV関連の機能

 AV関連の機能としては、PadFone 2 Stationにスピーカーと、100万画素のインカメラを搭載。スマートフォン側にはスピーカーとデジタルマイク、イヤフォン端子と、120万画素のインカメラ、1,300万画素のアウトカメラを搭載する。

 ドッキング時、アウトカメラはスマートフォン側の1,300万画素のものを使用。「1,300万画素を超えるカメラを備えたタブレットは現在のところ存在しない」(阿部氏)事も、アピールポイントとしている。静止画は100枚連写も可能。

静止画撮影時の解像度設定メニュー
動画の画質設定メニュー

 なお、PadFone 2 Stationにスマートフォンをドッキングして撮影する場合、タブレットを横向きに持っていると、背面のスマートフォンは縦向きにドッキングされている。タブレットでアウトカメラを使って撮影する場合、カメラはスマートフォンのアウトカメラを使っているため、タブレットは横向きにホールドしているが、背面のスマートフォンでは縦位置で撮影する形になる。

 それを防ぐため、タブレット形態で横向きにホールドすると、縦位置画像の上下を切って撮影される。そのため、1,300万画素がフルで使えず、最高で550万画素の撮影となる。ただし、タブレットで横向きに持った場合でも、メニューから選択すれば、縦向きの1,300万画素写真を撮影する事もできる。動画撮影はMP4形式で、最高1080/30p、720/60pでの撮影もサポートする。

タブレットでカメラ機能を起動したところ。静止画撮影の解像度上限が1,30万0画素ではなく、550万画素になっている
中央下部のアイコンで縦向き撮影モードに変更すると、1,300万画素での撮影が可能になる

 FMラジオ受信にも対応し、受信用アプリ「FMラジオ」をプリインストール。タブレットとスマートフォンのどちらにも、クリアな音質を実現するという「ASUS SonicMasterテクノロジー」も採用。5つのサウンドモードから、ユーザーが任意のものに切り替えられるアプリ「AudioWizard」もプリインストールする。

 その他にもプリインストールアプリとして、写真や画像を管理できる「ASUSスタジオ」、アプリの起動をパスワードでロックできる「AppLocker」などもインストールされている。

5つのサウンドモードから選べる「AudioWizard」
スマートフォンの背面は、同社のUltraBook「ZENBOOK」のデザインも取り入れたヘアライン仕上げ

(山崎健太郎)