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“高音質CD決定版“「UHQCD」。製法を根本から変更しメモリーテック開発

 メモリーテックは17日、高音質CD「UHQCD」(Ultimate High Quality CD)を発表した。CDの製造方法を根本から変更して音質の向上を図ったというCDで、CD規格に準拠し、既存のCDプレーヤーで再生可能としながらも音質を向上したとする。

 第1弾として、ポニーキャニオンが6月17日に発売する音楽CD「プラチナムベスト」シリーズに採用される。同シリーズは、チェッカーズ、松山千春、平松愛理などの名曲を収録したベスト盤となる。

 同社では、高音質CDとして「HQCD」を2009年に提案し、現在も展開している。HQCDの場合、基板に透明度や流動性の高い液晶パネル用ポリカーボネートを、反射膜のアルミニウムは、反射率の高い独自の合金に変更するなど、原材料を高品位なものにアップデートすることで音質を向上していた。

 新開発のUHQCDは、原材料ではなく製造方法に着目。通常の音楽CDでは、インジェクション成形という方法で、ポリカーボネートにデータのピット(ミゾ)を記録している。スタンパとよばれる金型を使用し、高熱で溶かしたポリカーボネートを流しこむことで、スタンパ上のピット模様を転写していく。しかし、ポリカーボネートは粘り気があり、スタンパのピットの隅々まで入りきらず、スタンパ原盤のピットを完全に転写することはできなかったという。

 そこでUHQCDでは、ポリカーボネートではなく、フォトポリマーを使用して、スタンパのピットを転写する。フォトポリマーは通常状態では液体だが、特定の波長の光を当てると固まる特性がある。この特性を利用することで、液体状態でスタンパの微細なミゾに浸透し、その凹凸を高精度に再現。高いレベルで原盤を転写/再現可能になったという。

 メモリーテックでは、UHQCDの量産化に成功。コスト的にも従来のHQCDとさほど変わらず実現可能とのことで、「高音質CDの決定版」として提案していく。

UHQCDの断面図、ピット形状と転写率比較

 UHQCD採用第1弾人して、ポニーキャニオンが10数タイトルを6月17日より順次発売。チェッカーズや松山千春、平松愛理、南こうせつ、Le Couple、研ナオコ、L-R、崎谷健次郎、斉藤哲夫などのラインナップで、価格は2,000~3,000円となっている。

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Le Couple&藤田恵美


(臼田勤哉)