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DJI、ドローンの衝突回避システムを開発者向けに発売

超音波センサーとカメラで20m以内の接近を制御

 DJIは、開発者向けのクワッドコプター「Matrice 100(M100)」と、M100などに取り付けて衝突回避を実現するという飛行プラットフォーム「Guidance」を発表した。予約受付を開始しており、出荷開始は6月末を予定。価格はM100が3,299ドル、Guidanceが999ドルで、日本での価格は未定。なお、研究所や学校には特別価格で提供する。

DJI Matrice 100

 ドローン/クワッドコプターのPhantomシリーズで知られるDJIが、開発者向けに販売するハードウェアとソフトウェア。これらを使って、空中で動作する新しいハードウェアや、アプリケーションの開発などが行なえる。また、新しいSDK(開発者向けキット)を介してPhantom 3とInspire 1のプログラミングも可能。

 Matrice 100は、開発者のためのハードウェアおよびソフトウェアソリューションとして設計されたクワッドコプター。システム組み立て時間を最小限とし、チューニングやプラットフォームのプログラミングを必要とせず、飛行に必要な機能を全て含んでいるという。

 複数の通信ポートや、電源入力、拡張ベイを備え、周辺機器をシステムに取り付けて飛行データや制御メカニズムの取得が可能。1kgのペイロード(積載量)で20分間飛行できるが、予備バッテリを取り付けてペイロード容量を最小限にすると40分まで伸ばせるという。

 「DJI Lightbridge」映像伝送技術も搭載。Inspire1 Zenmuse X3のカメラジンバルだけでなく、HDMI/アナログビデオ出力を備えた全てのカメラに対応するという。また、DJI Pilotアプリを使することで、センサーからスマートデバイスへのライブ映像伝送も行なえる。プロセッサーやセンサーなどの追加も可能で、農業、検査、捜索、救助など様々な産業分野へのカスタマイズも可能としている。

 Guidanceは、商品史上初という衝突回避のための飛行プラットフォーム。超音波センサーとステレオカメラを使用して、20mの範囲にオブジェクトがある場合に近づくのを制御。cm単位でのポジショニング維持もできるという。

Guidance

 GuidanceはM100や、他のUSB/USRT接続が可能なロボット機器に搭載可能。M100/GuidanceそれぞれにSDKも提供され、開発者はフライトデータ確認やフライト機能制御を、アプリ上で行なえる。

 M100とGuidanceは既に一部の開発チームで採用されており、上海の復旦大学ではIntelのプロセッサーを搭載した機材で違法駐車を空中から捜し出すソリューションが開発されたという。DJIは、Inspire 1とPhantom 3用のSDKも提供し、アプリケーション開発が容易に行なえるという。

(中林暁)