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ビームを天井に反射、ヤマハのDolby Atmos対応サウンドプロジェクタ。ハイレゾコンポも

 ドイツ・ベルリンの国際見本市会場で9月4日~9月9日(現地時間)に開催されている国際コンシューマ・エレクトロニクス展「IFA 2015」から、1台のバー型スピーカーとサブウーファの組み合わせで初となるDolby Atmos対応を可能にしたデジタルサウンドプロジェクタ新製品「YSP-5600SW」など、ヤマハブースの新製品をレポートする。

ヤマハブース

“サウンドバーでDolby Atmos”を体験

 「YSP-5600SW」は、指向性の高い小型ビームスピーカーを複数個備え、音を壁などに反射させてサラウンド再生を可能にするデジタルサウンドプロジェクタ「YSPシリーズ」の新モデル。46個のユニットを備えたバー型スピーカーとサブウーファで最大9.1chに対応。

YSP-5600SW

 1台のバー型スピーカーとサブウーファで立体音響のDolby Atmos(ドルビーアトモス)に対応したのが大きな特徴で、天井からの2ch音声を含む7.1.2chまで対応可能。今後登場予定のDTS:Xにもファームウェアのアップデートで対応する。

 Dolby Atmosなどの立体音響に対応するため、スピーカーの左右両端に備えたビームスピーカーは上方に30度傾斜させた構造を採用。これにより、音を天井に向けて飛ばして反射させることで立体感のある音場を再現可能とした。

バースピーカーの部分
内部ユニットの図
側面

 入力はHDMIを備え、4K/60p映像やHDCP 2.2のパススルーにも対応。Wi-FiやBluetoothを内蔵し、DLNA/AirPlay再生が可能。Spotifyなどのストリーミング音楽配信サービスにも対応している(地域によって異なる)。外形寸法は1,100×93×212mm(幅×奥行き×高さ)、重量は11.7kg。別売で壁掛け用のブラケットも用意する。

 サブウーファは25cm径のユニットを備え、「Advanced YST」方式で低域を強化。ワイヤレスサブウーファキットの「SWK-W16」を用いて、自由な場所に設置可能。

 同社ブース内に設けられた、ガラス張りのデモルームでDolby Atmosのコンテンツを試聴した。天井からの2ch分をON/OFFして比べると、立体感の違いは明らか。天井にスピーカーを設置しなくてもダイレクトに上からの音も再現できていた。一方でDolby Atmosの特徴である、スピーカーの位置を感じさせない自然なサラウンド感も活かしており、ビームスピーカーのYSPシリーズで長い経験を持つヤマハの技術と、新しい立体音響のDolby Atmosの組み合わせの親和性の高さがうかがえた。

ボーイング747の音声や、映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」などでDolby Atmosを体験

“GRAND PIANO CRAFT”ハイレゾコンポ、マルチルーム対応ワイヤレススピーカーなど

 「PianCraft」シリーズとして展開しているミニコンポの上位に相当する「GRAND PIANO CRAFT」というハイレゾ対応コンポが出展されている。CDプレーヤーとUSB DAC搭載プリメインアンプ、ブックシェルフ型スピーカーで構成する「MCR-N870」と「MCR-N870D」の2機種で、N870Dは、CDプレーヤー部に欧州などで採用されている衛星ラジオの「DAB」と「DAB+」を搭載したモデルで、それ以外は両機種共通。

MCR-N870D

 プリメインアンプにUSB DACを搭載し、192kHz/24bitまでのFLAC/WAV/AIFFや、96kHz/24bitまでのApple Lossless(ALAC)、5.6MHzまでのDSDに対応。DACチップはESSのSABRE 32(ES9010K2M)。アンプ出力は70W×2ch。USBのほか、テレビなどの音声入力用に光/同軸デジタルも備える。

 CDプレーヤー部にWi-Fiのネットワーク機能も備え、マルチルーム再生などを可能にする同社ホームネットワーク機能の「MusicCast」アプリに対応する。DLNA/AirPlay再生も可能。Spotifyなどにサービスとも連携できる。Bluetoothも搭載。スピーカーは2ウェイ構成で3cm径ドームツイータと13cm径ウーファを搭載。エンクロージャはバスレフ型で、ピアノフィニッシュを施している。

上がCDプレーヤー、下がプリメインアンプ
背面側

 スクエアな形状が特徴のRestioシリーズにも、MusicCast対応の小型モデル「ISX-80」を出展。Wi-Fi/Bluetooth対応で、192kHz/24bitまでのFLAC/WAV/AIFFと96kHz/24bitまでのALAC再生にも対応する。ユニットは8cm径ウーファと2つのツイータを搭載する。

ISX-80
背面

 このほかにも、MusicCast対応の小型ワイヤレススピーカー「WX-030」を用意。Wi-FiとBluetoothに対応し、1台での利用だけでなく、2台をペアリングしたステレオ再生も将来のファームウェアアップデートで対応可能。壁掛けにも対応する。

WX-030
背面
テレビを上にのせられる5.1chデジタルサウンドプロジェクタの「SRT-1500」
5.1chで他k差約65mmのデジタルサウンドプロジェクタ「YSP-1600」
5.1chのスリムAVアンプ「RX-S601」のホワイト

(中林暁)