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FiiOからアンプ分離可能なAndroidハイレゾプレーヤー、マクセル初ハイレゾイヤフォンも
(2015/10/24 20:35)
10月24日~25日の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催されている「秋のヘッドフォン祭 2015」。ここでは14階のオヤイデ電気やミックスウェーブ、マクセル、ヤマハ、Sound Warrior(城下工業)などのブースをレポートする。
オヤイデ電気
FiiOの新製品として参考展示されているのは、Androidベースのハイレゾプレーヤー「X7」。2015年冬の発売を予定しており、価格は未定だが、AKシリーズのAK100IIやAK120IIあたりの価格と同程度のイメージだという。
クアッドコアCPU「RK3188」1.4GHzを搭載。DACはESSの「ES9018S」を採用している。ディスプレイは4型。32GBのストレージメモリを搭載し、128GBのmicroSDXCカードも利用できるmicroSDスロットを1基搭載。メモリは1GB。バッテリは3,700mAhで、10時間の再生が可能。無線LANやBluetoothも搭載している。
大きな特徴は2点、1点目はOS。Androidベースで、スマートフォンのようにホーム画面が表示され、アイコンが並び、様々なアプリが利用できるモードに加え、音楽再生に必要な機能だけを立ち上げ、より安定した音楽プレーヤーとして機能する「Pure mode」も用意。起動時に、どちらのモードで起動するかを選ぶイメージだという。
2点目の特徴は製品下部のネジを外すと、モジュールのように取り外しができる事。標準状態では「IEMモジュール」としてステレオミニ出力のアンプが搭載されているが、それをより高音質な「ミディアムクラスモジュール」や、ヘッドフォンも容易に駆動できる「ハイパワーモジュール」、さらにバランス駆動用の「バランスドモジュール」などといった別売オプションモジュールに交換できるようになっているという。
再生可能なフォーマットはWAV/WMA/APE/FLAC/Apple Lossless/AAC/OGG/MP3/MP2で、DSDやDXD、DTSの再生もサポートする予定。タッチ操作で音をコントロールできるイコライザや、アナログメーターを模したプロフェッショナル・ルックのVUメーターなどもアプリの機能として用意する。
ブースではさらに、X1のカラーバリエーションモデルの試作機なども展示されている。
スウェーデンEntreq製の「グランドボックス」の新製品も参考展示。背面にアースケーブル接続用の端子を装備しており、オーディオ機器の空き端子とグランドボックスを接続する事で、迷走電流を抑える“仮想的な大地”として使用できるもの。
大型のモデルは既に発売されているが、デスクトップオーディオやヘッドフォンアンプなど、サイズの小さな機器向けに小型モデル「Minimus」と「Silver Minimus」が展示された。今年の年末から2016年年始頃に発売を予定している。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は「Minimus」が45,000円前後、「Silver Minimus」が75,000円前後の見込み。
2モデルの違いは内容物。詳細は明らかにされていないが、金、銀、銅、亜鉛、マグネシウムなどの金属と、誘電性の鉱物の混合物(ミネラルミックス)で構成されており、「Silver Minimus」の方が銀の配合割合が多くなっているとのこと。ターミナル数はどちらも1つで、2台のAV機器が接続できる。
マクセル
マクセルブースでは、同社初のハイレゾ再生に対応するイヤフォン「MXH-RF550」を参考展示している。12月発売予定で、価格は2万円を超える程度のイメージ。
駆動系の軽量化や、新設計の拡散音場バランサーを搭載した新開発のドライバを搭載。ダイナミック型で、口径は10mm。10Hz~40kHzまでの再生ができ、ハイレゾ対応モデルとなる。インピーダンスは32Ω。
筐体内に2つの空気層を設けたデュアルチャンバー構造を採用。筐体は高剛性アルミニウム合金とABS樹脂を組み合わせたハイブリッドボディで、不異様共振を抑えている。
なお、通常モデルはステレオミニのアンバランス接続だが、バランス接続対応モデル「MXH-RF550B」もラインナップする予定。プレーヤー側の端子は2.5mm 4極で、3.5mm 3極への変換プラグも同梱する。ケーブルの着脱はできない。
ミックスウェーブ
1964 EARS、ALO audio、Beat Audio、Campfire Audio、CEntranceなどの製品を展示しているミックスウェーブブース。
CEntranceの新製品は「DACport HD」。2010年頃に発売された「DACport」の後継機として開発されたもので、小型のUSB DAC兼アンプ。データは384kHz/32bit、DSD 5.6MHzまでサポートしており、米国では200ドルで販売されている。今後日本でも発売予定。
イヤフォンでは、1964 EARSのADEL Uシリーズを展示。銀色のネジのような「ADELフィルタ」を備えているのが特徴で、音圧をコントロール。「オートマチック」と呼ばれる固定式のフィルタに加え、「マニュアル」と呼ばれる可変式のフィルタも用意。取り外して、別のフィルタを装着できるようになっている。
さらに、Campfire Audioの新製品「JUPITER」、「ORION」の製品版も展示され、音を聴く事ができる。「Jupiter」はニッケルメッキを施したアルミニウム製の筐体を採用。ドライバはバランスド・アーマチュア(BA)で、低域×2、高域×2の4ドライバ構成。「Orion」はアルミニウム製で、アルマイト加工が施されている。BAユニット1基を搭載する。
なお、会場にはアルマイト加工を施していないアルミそのままの状態のモデルも参考出品。特別モデルとして発売される可能性もあるという。
の2機種も出展されている。JUPITERは高/低域に2基ずつのBAドライバーを搭載し、ニッケルメッキ製筐体のモデルで実売112,000円前後。ORIONはBAドライバーを1基搭載し、アルマイト加工アルミ製筐体を採用したモデルで実売50,000円前後。いずれも、既に発表はされていたがまだ発売は開始しておらず、今回のイベントで年内の発売を予定していることが告知された。
リケーブル関連の展示も充実。Beat Audioから、JH Audioのイヤフォン「Layla」、「Angie」、「Roxanne」などの“固定式4ピン端子”に対応したケーブルが参考出品されている。ケーブルのシリーズは「Supernova」。プレーヤー入力側はステレオミニの3極端子と、バランス接続用の2.5mm 4極端子を用意。他の端子を搭載したモデルと比べ、1万円~12,000円程度アップする見込みで、来月の発売を予定している。
ALO audioのポータブルヘッドフォンアンプ「Rx」のバリエーションモデルとして、仕上げをマットにした製品も参考展示。世界で75台の限定販売で、日本で販売する台数は未定。通常モデルよりも7、8,000円ほど高価になる見込み。
Sound Warrior(城下工業)
小型コンポシリーズ「SW Desktop-Audio」の新製品が展示されている。
「SWD-HA10(仮称)」は真空管バッファを採用したヘッドフォンアンプ。入力はアナログRCA×1、出力は標準プラグ×1に加え、XLRバランスを1系統備えている。最大の特徴は、プリ段に真空管「12AU7」を搭載している事。パワー部はD級アンプを使い、出力は15W×2ch(4Ω)。最大出力は100mW(40Ω)。
同社ヘッドフォン「SW-HP10」の新モデルとして、ハイレゾ再生に対応し、バランス接続にも対応するモデル「SW-HP20(仮称)」も展示。ユニットが刷新され、ハイレゾ再生に対応するほか、ケーブル着脱が可能になるという。
他にも、開発中のDAC「SWD-DA20(仮称)」の紹介や、SW Desktop-Audioの各製品に電源を供給できる電源サプライ「SWD-PS10(仮称)」も展示。電源サプライは最大5製品に対して電源を供給でき、大型トランスを内蔵。音質向上も図れるという。
なお、Sound Warriorでは25日日曜日の13時45分~15時に、6階のチャペルにて、これらのモデルの発表会も開催予定。
エミライ/OPPO Digital Japan
Resonessence Labsの新製品として、ポータブルDAC「HERUS」の新バージョン「HERUS+」を参考展示。スペック的には従来のHERUSと同じだが、デジタルフィルタのバリエーションを追加し、ユーザーが選択できるようになったほか、ローパワーモードを追加。カメラコネクションキットを介してiPhoneと接続するなどした場合、駆動時間を延ばす事ができるという。
10月30日に発売する、OPPOの平面磁界駆動型ヘッドフォン「PM-3」の新色、チェリーレッド(Cherry Red)、スチールブルー(Steel Blue)を展示しているほか、それとマッチするカラーのポータブルアンプ「HA-2」も参考展示。HA-2のカラーバリエーションはまだ検討段階だという。
お茶楽/TTR(茶楽音人)
茶楽音人(さらうんど)ブランドのブースには、「オープンエア型の音の拡がりと高密閉、高遮音性能を両立した」という新開発「トルネード・ターボ・エアー機構」を搭載したイヤフォン「Chonmage 3号」が展示されている。11月下旬発売で、価格はオープン、店頭予想価格は19,440円前後(税込)。
音茶楽とTTRが10月9日に発表した「A.I.R.」機構と、それを用いた「トルネード・ターボ・エアー機構」を初搭載したもの。「A.I.R.機構」(エアー機構)とは、ユニット前後の空間を音響抵抗Ra、Maでつなぎ、ダイナミック型ユニットの背圧を低減。最低共振周波数foの上昇や筐体内部の反響の増大を防止するというもの。背面の音を2重のハイカットフィルタを通し排気する事で、高音域の音漏れ量を低減。 周囲の音も2重フィルタの効果で効率よく抑制。高密閉、高遮音性能を高い次元で実現したとしている。
「ちょんまげ君」も、A.I.R.機構を採用したイヤフォン。10mm径のダイナミック型ドライバを搭載し、A.I.R.機構を採用する事で、キャビネットの音抜き穴を無くし、高域の音漏れ量を低減。周囲の音の遮断性能も高めている。高い遮音性能に加え、音声帯域を聞き取りやすく、語学リスニングに最適なチューニングを行なうことで、適度な音量で音声帯域がはっきり聞き取れるという。
ヤマハ
ヤマハブースでは、本格的なHi-Fiコンポのデザインや技術を取り入れながら、高さを約半分以下の70mmとし、デスクトップなどでも使いやすいというUSB DAC搭載プリメインアンプ「A-U671」と、ネットワーク再生機能も備えたCDプレーヤー「CD-NT670」を展示。どちらも11月中旬発売で、価格は「A-U671」が6万円、「CD-NT670」が54,000円。
上位機種を彷彿とさせるデザインながら、薄型になっているのが特徴。フロントパネルはヘアライン仕上げのアルミ製、サイドパネルはピアノブラック調仕上げとなっている。USB DAC機能も搭載したプリメインアンプ。DACには、ESS製の「SABRE 32 ES9010K2M」を採用、コントローラーにはXMOSデバイスを採用し、DSD 5.6MHz、PCM 384kHz/32bitまでのデータに対応する。前面にインジケーターを備え、入力信号のサンプリング周波数を視覚で確認できる。
その他
Blue Ever Blueのブースでは、12月中旬の発売を予定しているイヤフォンの新モデル2機種を参考展示している。「Model 1200」は、「Model 1001」と同じダイナミック型ドライバ×1、独自のETL×2基というハード構成ながら、音のチューニングをやや中高音寄りにしたモデル。「Model 900」は、「Model 878」をベースにしつつ、こちらもやや中高音寄りにチューニングしている。
どちらもベースモデルの姉妹機としてラインナップ。ホールド力を高めるために、イヤーピースの他にウイング型のパーツも備え、ハウジングが傾斜するなどデザインも変化している。
finalブランドのヘッドホン「SONOROUS」シリーズの新製品も参考展示。ダイナミック型とBAユニットを両方搭載したSONOROUS IVやSONOROUS VIと似た外観だが、ダイナミック型ユニットのみとして価格を抑えているのが特徴。3万円台半ば程度になるイメージだという。