ミニレビュー

4,980円で“古いテレビがスマートTVに”「Chromecast with Google TV(HD)」

テレビ向け端末「Chromecast with Google TV(HD)」

Googleから発売された、4,980円と低価格なテレビ向け端末「Chromecast with Google TV(HD)」。テレビに接続し、Netflixなどの映像配信が楽しめるほか、スマホで楽しんでいるコンテンツをテレビにキャストできる製品だ。実機を入手したので、その外観や使い勝手をレポートする。

「Chromecast with Google TV(HD)」パッケージ

詳細は既報の通りだが、「Chromecast with Google TV」という製品は既に存在している。今回登場したのは「(HD)」がつく、言わば廉価版。HDの登場により、今後Chromecast with Google TVという製品は、4K/HDR対応の(4K)と、1080p/HDR対応の(HD)という2つのラインナップとなる。Googleストアでの価格は、4Kバージョンが7,600円、HDバージョンが4,980円と、かなりリーズナブルになっている。

両者の違いは“4Kに対応しているか否か”くらい。あとは4Kバージョンが3色のカラーバリエーションを用意しているのに対し、HDバージョンはSnowの1色だけという違いがあるだけだ。

開封していく
同梱物一覧

HDバージョンを箱から出してみると、Chromecast本体やリモコンは、4Kバージョンとまったく同じに見える。持ち上げると4Kバージョンの方が少し重いかな? と感じるくらいで、近くで見ても見分けるのは不可能だ。実際に写真撮影で並べていたら、どっちがどっちかわからなくなった。裏面に薄く「HD」というロゴがあるので、これで見分けられる。

並べると、どちらがどちらかわからない
薄くて見にくいが「HD」というアイコンがある

本体は餅のような形状で、HDMIケーブルが直接本体から生えており、本体ごとテレビのHDMI入力に接続する。給電用のUSB-C端子があり、付属の電源アダプタとUSBケーブルを使って給電するという仕組みだ。

本体を直接テレビのHDMI入力に接続する
USB-Cから給電する

セットアップもHDバージョンと同じなので詳細は割愛するが、Googleのアカウントを持っていれば、スマホのカメラでQRコードを読み取り、アプリ「Google home」のウィザードを進めていくだけでセットアップは完了。Wi-Fiのパスワードを入力する必要もなく、使い始められる。Netflixなど、最初から利用したいアプリをGoogle homeから指定し、使い始めた時に既にNetflixなどがインストールされた状態にする事も可能だ。

セットアップは、スマホアプリ「Google home」のウィザードを進めていくだけで完了

Chromecast with Google TVでできること

古いテレビの背面に接続

スマートフォンでYouTubeを再生している時などに、そのコンテンツをテレビに飛ばし、テレビの大画面で楽しむ“キャスト”機能はもうお馴染みだろう。Chromecastはそもそも、テレビをその“飛ばし先”にするために誕生した製品で、当初は“スマホからのキャストありき”で使うものだった。

しかし「Chromecast with Google TV」ではその名の通り、“キャスト先”としての機能に加え、スマートテレビなどで採用されているGoogle TV機能も内包した。これが何を意味するかというと、スマホを使わずに、この端末単体で、NetflixやAmazon Prime Videoなどのアプリを使える。

最新のいわゆる“スマートテレビ”は、OSレベルでこれらのアプリが使える。そうではない昔のテレビや低価格なテレビにChromecast with Google TVを接続すると、そのテレビが“スマートテレビ”になるというわけだ。

Chromecast with Google TV(HD)を起動したところ

また、Google TVならではの便利な機能として「横断検索」がある。通常はNetflixやHuluなど、各配信サービスのアプリを起動して「どの映画を見ようかな」とか「あの映画はあるかな?」と検索するものだが、Google TVでは例えば「アクション映画」と検索すると、各配信サービスのアプリを起動せず、「◯◯という映画はNetflix」、「◯◯はU-NEXT」というように、配信サービスを横断した検索結果が出る。見たい作品がどのサービスで配信されているかわかりやすいと同時に、加入していないサービスで、どんな作品が配信されるかを知るキッカケにもなる。

アクション映画で検索すると、様々な配信サービスを横断検索し、その結果を表示してくれる

4Kバージョンとほぼ変わらない使用感

気になるのは4KバージョンとHDバージョンの動作速度。両方をテレビに接続し、Netflixアプリを立ち上げ、映画を再生。ホーム画面に戻り、YouTubeアプリを起動し動画を再生する……。という動作を、4KバージョンとHDバージョンの双方で行なってみた。

結果としては「ほぼ同じ」という印象だ。どちらも動作はサクサクで快適。「ノーストレス」かというと、例えばNetflixアプリで沢山の作品をスクロールしている時に一瞬引っ掛かったりするが、基本的にはサクサクと使えて不満はない。

Netflixアプリを起動しているところ
Netflixアプリの画面

スマホで再生しているYouTube動画を、Chromecast with Google TV(HD)にキャストする際も、YouTubeアプリの起動に長時間待たされる……なんて事もないので快適に使える。4,980円の端末として、満足度は高い。

スマホで見ている動画を、テレビにキャストしたところ。スマホ側をリモコンとして使えるのも便利だ

そういった意味でも、Chromecast with Google TVの(4K)と(HD)バージョンは、接続するテレビが4Kか否かで選んで良いだろう。

古いテレビや、使っていないPCディスプレイにこの端末を接続すれば、4,980円で最新スマートテレビに変身するというのはかなり魅力的だ。廉価版登場をキッカケに、Chromecast with Google TVの便利さを体験してみるのもアリだろう。

山崎健太郎