ミニレビュー

Pixel 7/7 Proの動画手ブレ補正をチェック。6aと比較してみた

Pixel 7 Pro(左)とPixel 7(右)

Googleの新スマホ「Pixel 7」と「Pixel 7 Pro」が10月13日に発売開始された。次世代に進化したGoogleオリジナルのプロセッサー「Tensor G2」を搭載し、新機能のボケ補正や、音声認識機能が強化されたのが主な特徴となっている。

だが、最近スマホで動画撮影する機会が多い筆者が気になったのは、動画での手ブレ補正機能。Pixel 6シリーズでもかなり強力に作用したのだが、Pixel 7/7 Proの発表会などではとくにこの辺が「強化された」といった表現がなかった。センサーが次世代になったことで、処理などが一部最適化されているのでは? と思い、実機を使って試してみた。

Pixel 7/7 Proの動画撮影時の手ブレ補正機能は、Pixel 6シリーズ同様「標準」、遠くの景色を三脚で固定して撮影しているように撮影できる2倍アップの「ロック」、激しい動きに対応できる「アクティブ」、50%スローで撮影してスムーズなパン撮影ができる「シネマティック」の4種類が用意されている。

Pixel 7/7 Pro/6aの動画手ブレ補正のメニュー

実際にPixel 6aでは、「標準」「アクティブ」の使い勝手が良く、標準では普通に歩きながらの撮影でもジンバルを使っているかの様な撮影が可能なほか、アクティブでは走ったり、跳んだりしながら撮影してもブレを最少減に抑えられるほど強力に作用していた。

一方で、左右に振った場合や、暗所での撮影では映像がガタガタッと大きくカクついてしまうこともあり、安定面では若干不安になる状況もあるという弱点があった。これらを踏まえて、今回はPixel 7/7 ProとPixel 6aを使い、同時に撮影して比べてみた。

Pixel 6a(画像右端)と撮り比べてみた

まず、Pixel 7 ProとPixel 6aを手ブレ補正「標準」で比較。歩いたときの映像のブレのなさはPixel 6aの方が強い模様。Pixel 7 Proは若干歩いている様子が若干の縦揺れでわかるような結果になった。一方で、カメラを横に振った際の安定性はPixel 7 Proの方が優秀で、Pixel 6aは若干カクカクとしている。細かい差だが、Pixel 7シリーズでは強度を少し減らして安定性を重視した調整がされているようだ。

Pixel 7 Pro・Pixel 6a 動画手ブレ補正比較(標準)
Pixel 7 Pro・Pixel 6a 動画手ブレ補正比較(標準/縦)

「アクティブ」の方ではこの安定性の差が結構顕著に出ており、Pixel 6aではガクガクガクッと大きく揺れてしまったシーンでも、Pixel 7 Proではスムーズな映像が撮影できている。なお、今回は不安定になった際の大きな揺れが出てしまったが、Pixel 6aでもこの規模で揺れることはそこまで頻繁には起きない。

Pixel 7 Pro・Pixel 6a 動画手ブレ補正比較(アクティブ)

Pixel 7とPixel 6aを同時に撮影した映像でも、同じような結果となっており、どうやらこの調整はTensor G2搭載機での新しい調整のようだ。安定面での向上は嬉しいところ。揺れた際に補正で色合いが変わる部分も軽減されており、大きな進化ではないものの、順当に強化されているようだ。

Pixel 7・Pixel 6a 動画手ブレ補正比較(標準)
Pixel 7・Pixel 6a 動画手ブレ補正比較(アクティブ)

夜間でも比較してみた。Pixel 7 ProとPixel 6aをそれぞれ手ブレ補正「標準」にして撮影した。そもそも暗所なので、スムーズに撮れることは期待せず、どういった差が出るかという興味で撮影してみたのだが、歩き方を工夫すれば乱れずに撮れるのでは? と思える程度にどちらも撮れている印象だった。

Pixel 7 Pro・Pixel 6a 動画手ブレ補正比較(夜)
Pixel 7 Pro・Pixel 6a 動画手ブレ補正比較(夜/縦)

もちろんカメラ部のセンサーにはスペック差があるので、色味などはPixel 7/7 Proの方が良い結果になっているが、手ブレ補正については全体的に若干安定性が向上している程度のようだ。性能面や新機能を魅力に感じるのであればPixel 7/7 Proを選ぶのもありだが、簡単に撮影してSNSにアップする程度であればコスパの高いPixel 6aでも十分活躍できそうだ。

野澤佳悟