日沼諭史の体当たりばったり!
夏だから自宅をお化け屋敷にした。デノン「HEOS 1」4台で子供はびっくりする?
2017年6月27日 08:00
待ちに待った夏である。夏といえば山、海、プール、花火、酷暑の鈴鹿8耐(今年も行くぞ!)など、いろいろな風物詩があるが、涼む、という意味ではお化け屋敷や怪談話なんかもそこに数えられるだろう。
本格的な夏を目前にした今、最新のテクノロジの力でお化け屋敷を作ってみたい。そして、それを子供たちに体験させて怖がらせたい。……と、唐突に思いついたのにはワケがある。夜遅くなっても意地で寝ようとしない子供たちに、夜9時を過ぎると「寝ないとお化けがやってくるんだぞ」と脅かしていたのだが、ここ最近はてんで効果がないのである。まあ、来るぞ来るぞと言っているのに今まで一度も来たことがないのだからそりゃそうだ。オオカミお父さんである。
なので、お父さんの威厳を保つためにも、寝室にこっそり隠したスピーカーで幽霊っぽい音を出し、本当に(偽物だけど)お化けがやってくることを教えてやろうか、と企んだ。のだが、さすがにマジな音を出すとそれこそ情操教育にも良くなかろうと思い止まり、夏(に向けて)のイベントの1つとしてお化け屋敷を作ってみるのはどうか、と考えたわけ。
そこで活用することにしたのが、デノンが3月に発売した「HEOS 1」。マルチルーム再生に対応したワイヤレススピーカーだ。これを4台そろえ、バッテリーパックである「HEOS 1 GO PACK」も併用することで、我が家の室内の各所から違和感なくホラーなサウンドを鳴らし、子供たちを(あくまでも楽しいイベントとして)恐怖のどん底に叩き落としてやろうと思ったのである(あくまでも楽しく)。
幅広く使いこなせるワイヤレススピーカー「HEOS 1」
「HEOS 1」は、コンパクトでワイヤレスなポータブルスピーカー。サイズ感としては、デスクトップPC用の少し立派なアクティブスピーカーくらい、と言えばいいだろうか。立体的なスピーカーグリルと、真上から見たときのおにぎり型がユニークな異形デザインで、おしゃれなインテリアとしても見栄えのする一品だ。
使い方の幅は広く、Bluetoothスピーカーであり、またLANに有線・無線でつなげてスマートフォンなどから音楽再生するネットワークスピーカーにもなる。USBメモリを直に接続して音楽再生もできるし、ラインイン端子にスマートフォンやその他の音源から音声入力することで鳴らすこともできる。そして、ハイレゾ音源(FLAC/WAVなどは192kHz/24bit、DSDは2.8/5.6MHz)の再生にも対応している。
各種音楽ストリーミングサービスに対応しているのも特徴で、専用のスマートフォンアプリを通じて定額音楽配信サービスのSpotifyや、TuneIn、SoundCloudと連携し、音楽やラジオなどを流しっぱなしにするのもOK。最近ではAWAに対応したことも発表された。
HEOS 1単体ではACアダプタからの電源供給で動作させることになるが、オプションのバッテリーパック「HEOS 1 GO PACK」があれば、HEOS 1の土台のように接続して、外部電源なしで最大6時間連続再生できる。Bluetoothや無線LANで接続するようにすれば、完全にワイヤレスな状態で音楽を楽しめるのである。
そして、HEOS 1にはもう1つ注目すべき機能がある。それが、複数のHEOS 1をグループ化できる「マルチルーム機能」というもの。1台だけで使えるのはもちろんのこと、LANに接続した状態で2台以上を組み合わせて、同じ音を同時に出力することができるものだ。
たとえば今回、お化け屋敷をつくるにあたって4台のHEOS 1を使用したが、1台ごとに別の音を出すこともできるし、2台ずつ同じ音にしたり、4台全部で同じ音が出るように設定したりもできる。スピーカー間で音の遅延をほとんど発生させずに同期再生できるので、家の中の別々の部屋で同じ曲を流した場合でも違和感なく聞けるのがポイントだ。
4台のHEOS 1を使ったお化け屋敷の作り方
このHEOS 1とHEOS 1 GO PACKを駆使して、我が家の1階にある2部屋をお化け屋敷に変えてしまおう、というのが今回の主旨。用意した主な素材は以下の通りだ。
- 10畳ほどの部屋
- HEOS 1(4台)
- HEOS 1 GO PACK(4台)
- 黒布(幅1.5×8m分+幅1.1×長さ6m分)
- 布用両面テープ(布連結、貼り付け用に)
- ロープ(荷造り用ロープ。黒布ぶら下げ用)
- フェルト地(お化けキャラ作成用)
- ロウソク(雰囲気を出すため)
- カラー平テープ(ポリエチレン素材の荷造り用テープ。すだれに)
- 送風機(すだれをなびかせるため)
- ガムテープ(外光遮断用、すだれぶら下げ用)
- 段ボール(外光遮断用)
- 赤LEDライト(自転車用ライト。雰囲気を出すため)
- ぬいぐるみ各種(子供のおもちゃ。あまりに怖くなりすぎないように)
- 金平糖(ゴール地点のごほうび)
- Androidスマートフォン(1台)
- Androidアプリ「AWA」
筆者が、お化け屋敷をつくるのは初めて。学生時代に学校祭で経験したこともなかった。なので、ただ暗室をつくりたいだけなのに、黒い布を窓に貼ったり、ぶら下げたりするのに、こんなにも手間がかかるのか、と思った次第。想像を絶する苦痛にあえぎながら、3、4時間ほどかけて10畳ほどのスペースに暗闇を作り出した。
途中、子供達に手伝い(という体の妨害)をしてもらったりしつつ、1部屋あたり2台のHEOS 1を配置。スピーカー本体がコンパクトなことに加え、HEOS 1 GO PACKのおかげでACアダプタを接続したり、コンセントの位置を考慮したりする必要がなく、部屋のあらゆる場所に自在に配置できるのはやはり便利だ。
この合計4台のHEOS 1は、それぞれ単体で別のサウンドを再生するよう設定した。具体的には、最近HEOS 1が対応したAWAをフル活用。AWAで効果音やホラーな音楽を検索し、気になるものを片っ端からお気に入りに登録していった。最終的には、笑い声、ヒステリックな叫び声、ホラーなゲームのBGM、読経の4つをチョイス。これらを各HEOS 1で再生するように割り当てた。
大まかな見取り図としては以下のようになっていて、HEOS 1を配置している4箇所にぬいぐるみやすだれなんかを一緒に置いて、ちょっとした脅かしポイントとして演出している。
HEOS 1を使った我が家のお化け屋敷、大成功!?
今回のお化け屋敷、結果から言うと、子供をびっくりさせる、という点では大成功だった。クオリティから言えばたいしたアトラクションもなく、さほど凝った演出もない、はっきり言えばしょぼい見てくれなのだが、コンパクトなわりに重低音が響き、音圧も十分なHEOS 1のサウンドがかなりの効果を上げてくれたようだ。
4歳の長女は妻にアテンドされながら探検していたものの、途中で慌ててショートカットして帰ってくるくらいには驚いてくれた。まだ3歳に満たない二女は、長女が怖がる姿を見て怖じ気づき、妻に抱えられて侵入したものの、2メートル程度移動してギブアップ。ご褒美の金平糖をもらうだけもらって退散した。
構想1カ月、準備2日、制作3〜4時間かけて作り上げたお化け屋敷は、半日であえなく取り壊しとなってしまったけれど、その後は夜寝てくれない時に「お化け屋敷つくっちゃうぞ」が二女に対する脅し文句として使えるようになったのは収穫……というよりも、無駄に怖がらせてしまって申し訳ないと言うべきだろうか……。
お化け屋敷にHEOS 1を使うなら、常時再生、ボリュームオフで
最後に、お化け屋敷にHEOS 1を使用する際に注意しておきたいポイントを挙げよう。
1つは、Wi-Fi経由でAWAの音楽をストリーミング再生する場合、アプリ上での再生開始の操作から数秒〜10秒弱程度の待ち時間が発生すること。この待ち時間のせいで、お化け屋敷の中に入った人の移動に合わせて、脅かしポイントのちょうどいいところで楽曲再生をスタートさせようとしてもタイミングがずれてしまう。
なので、4台全てのHEOS 1は、AWAの楽曲を最初から常に再生状態にしておく。そのうえで単曲リピート再生に設定し、ボリュームをオフに。こうしておけば、脅かしポイント付近へ人が来たところでHEOS 1の個別のボリュームを上げることで、タイミング良く音を鳴らすことができる(確率が高まる)だろう。ボリューム操作自体は即座にHEOS 1に反映されるからだ。
ただ、4台のHEOS 1を1台のスマートフォンでコントロールするのは、人の移動速度にもよるけれど慌ただしくなってしまうのは確か。1台目のHEOS 1の音量を上げて、下げて、次のHEOS 1の音量を上げて、下げて……という繰り返しでは、何度も画面遷移を繰り返す必要があってなかなか大変だ。
もちろんこんな用途を想定しているはずもないのだが、もし自宅や学校祭でお化け屋敷をつくる時にHEOS 1を活用しようと考えるなら、1人が操作するのは2台程度までにしておく方が対応しやすい。HEOS 1がお化け屋敷としての完成度を高め、怖く面白くするのに一役買うのは間違いないが、制作も運用も特に楽になるわけではないので、そこにも注意が必要である。