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キヤノン、コンデジ「IXY650」マイナーチェンジは中高生のため!? コンデジの意外な需要

IXY650 m

キヤノンが、コンパクトデジタルカメラ「IXY650」をマイナーチェンジした「IXY650 m」を10月に発売すると発表した。直販価格は49,500円だ。

IXY650は、2016年に発売されたコンパクトデジタルカメラで、約2,020万画素の1/2.3型センサーを搭載。35mm換算で25-300mm相当の光学12倍ズーム、600mm相当までの24倍プログレッシブファインズームが利用できる。

今回のリニューアルでは、外観は印字が「IXY650 m」に変更されるのみで、記録媒体はSDカードからmicroSDカードへ変更。NFCがAndroid 10以降に対応。重さも1g軽くなっている。一方で、Wi-Fiを使ったPCへの転送と対応プリンターでのダイレクト印刷機能が削除された。詳細はこちらのニュース記事を参照してほしい。

昨今注目されているコンデジは、「オールドコンデジを使ってレトロな雰囲気の写真を撮りたい」といった部分や、そもそも小さいコンデジ自体がファッションアイテムのような存在になっているが、その点で考えると、そこそこ綺麗な写真が撮れて、フルHD動画も撮れてしまう「IXY650 m」は若干ミスマッチにも感じる。

何故今「IXY650」をマイナーチェンジしたのか、キヤノンマーケティングジャパンの担当者に聞いてみたところ、このブームが今回のマイナーチェンジを行なった理由の全てではないという。

このクラスのコンデジは、今もなお中高生の修学旅行需要が根強く残っているのだという。どういった決まりになっているのかまでは定かではないが、スマホの利用が禁止され、紛失の恐れもあって高価なカメラも禁止され、IXY650のようなコンデジが使われているのだとか。

そういった需要が残っている状態で、IXY650の終売が迫ったため、大容量化と低価格化したmicroSDカードに切替えつつ、時代に即した機能に切り替えるマイナーチェンジを行なったとのことだ。

紙の地図を広げて、切符を買って、コンデジで写真を撮りながら京都を巡る……。ビジュアルとしては約15年前に中高生だった筆者の時代とあまり変わっておらず、「それでいいのかな」という気分にもなるが、スマホネイティブ世代がコンパクトなカメラに触れる機会になっているというのも、面白い話だ。

野澤佳悟