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ソニー・ホンダEV車載オーディオの秘密。「最高のリスニングルームとして設計したらどうなる?」
2025年12月10日 17:30
ソニー・ホンダモビリティは、第1弾EV「AFEELA 1」に搭載するオーディオシステム「AFEELA Immersive Audio」について、同社公式ホームページで紹介している。システムの開発プロジェクトは「ソニーの音響技術をふんだんに使用し、最初から『最高のリスニングルーム』としてクルマを設計したらどうなるか?」という問いから始まったとのこと。
米カリフォルニア州で2026年中の納車開始が予定されていAFEELA 1では、乗る人の耳の位置まで計算し尽くしたという28個の高性能スピーカーを最適な位置に配置。これにソニーが持つ先進ソフトウェア技術を組み合わせることで、車室全体が心地よい音響空間に変化。「それはもはやクルマではなく、移動するリスニングルーム、もしくはプライベート・シアター」だという。
この28個のスピーカーは既存部品の流用ではなく、すべてゼロから開発した特注品で、スピーカーグリルの素材や形状に至るまで、徹底した聴感評価に基づいて厳選。ソニーのハイエンド・ホームオーディオの設計思想と専用の測定・開発手法も投入されている。
特に音を決定づける振動板には、ソニーが新規開発した「多層カーボンファイバー複合振動板」が採用された。これによりフロントミッドレンジスピーカーとフロントウーファーは、歪みを極限まで抑え、深みのある中低音を再生。シルク振動板を採用したツイーターにより、透明感のある高音を再生する。全てのスピーカーには小型で強力なネオジウムマグネットも採用した。
そのほか、エンクロージャーやサブウーファーの位置にもこだわったといい、特にサブウーファーは通常トランクなどに配置されることが多いが、AFEELA 1では車室中央にあるセンターコンソール下に配置することで、低音の到達時間のズレを解消。2基のサブウーファーを向かい合わせに配置する「Iso-Barik方式」も採り入れた。
このAFEELA Immersive Audioでは、没入感のある音響体験を実現する「Immersive Theater Sound」、アーティストの意図を正確に届けるという「Hi-Fi Audio」、同じ車内空間で自由にコンテンツを楽しめるマルチパーソナルな空間を実現する、リアエンタテインメントシステムのための「Zonal Sound」という3つの再生モードを用意。
このうちImmersive Theater Soundでは、シートスピーカーをのぞく20個のキャビンスピーカーをすべて使うことで「音のシャワーを360度から浴びるかのような、圧倒的な臨場感と包まれ感のある音場」を生み出しているとのこと。
Hi-Fi Audioはハイレゾ音源に対応。フロント3ウェイシステム、センタースピーカー、サブウーファーにより「アーティストの息遣いまで伝わるピュアなサウンド」を楽しめるという。Zonal Soundでは、車室内を3つのゾーンに分けることで、別々のエンタテインメントを楽しめる。
また「最高の音響には、静かな空間も必要」だとし、AFEELA 1では、ホンダが持つ低周波のロードノイズ低減技術と、シートスピーカーを使ったソニーの中周波ロードノイズ低減技術を組み合わせた「アクティブロードノイズキャンセリング」を採用。走行中のロードノイズを可能なかぎりで低減している。



